第10回「大学と科学」アジア・知の再発見−文化財保存修復と国際協力−
石澤 良昭(イシザワ ヨシアキ)
上智大学アジア文化研究所教授、上智大学外国語学部長。文学博士。昭和36年上智大学外国語学部卒業。フランス・パリ大学高等研究員修了。鹿児島大学教授を経て、昭和56年より現職。専門は、東南アジア史。とくに、カンボジア・アンコール時代の碑刻文学。著書・訳書に『東南アジア現代史III-ベトナム・カンボジア・ラオス-』(共著、山川出版社)、『甦る文化遺産アンコール・ワット』(日本テレビ出版部)、『アジア美の様式』、『クメールの彫像』(連合出版)、『タイの寺院劇画と石造建築』(めこん)、『密林の王土アンコール』(共著、恒文社)、『アンコールワットへの旅』(共著、講談社)、『アンコール・ワット-密林に消えた文明を求めて』(創元社)、『文化遺産の保存と環境』(朝倉書店)、『アンコール・ワット-大伽藍と文明-』(講談社)など多数。

西浦 忠輝(ニシウラ タダテル)
東京国立文化財研究所国際文化財保存修復協力センター環境解析研究指導室長。昭和45年東京農工大学農学部林産学科卒業。東京国立文化財研究所修復技術部主任研究官、同アジア文化財保存研究室長、同国際文化財保存修復協力室長を経て、平成7年より現職。専門は、保存科学。とくに、石造・木造文化財の科学的保存・修復処置。現在は、主に文化財保存国際協力に携わる。著書に、『美術工芸品の保存と保管』(共著)、『文化遺産の保存と環境』(共著)、『石材の凍結劣化とその防止法』(編著)など。

中尾 芳治(ナカオ ヨシハル)
帝塚山学院大学文学部教授。昭和34年京都大学文学部史学科考古学専攻卒業。昭和35年より難波宮址顕彰会職員、大阪市教育委員会職員として難波宮跡の調査・研究と保存・環境整備の事業に従事、平成2年より現職。平成3年より「アンコール遺跡国際調査団」考古班の一員としてバンテアイ・クデイ寺院跡の発掘調査に従事。専門は、考古学。とくに、東アジアの都城制。著書に、『難波宮』(ニュー・サイエンス社、昭和61年)、『難波宮の研究』(吉川弘文館、平成7年)など。

重枝 豊(シゲエダ ユタカ)
日本大学理工学部助手。日本大学理工学部建築学科卒業。日本大学大学院工学研究科修士課程修了。昭和55年日本大学理工学研究所大学院博士課程単位取得退学。平成8年より現職。専門は、東南アジア建築史。とくに、ベトナムの文化遺産の研究。著書に、『アンコールワットの魅力』、「文化遺産の保存と環境」(『講座 文明と環境』第12巻、共著)、『チャンパ王国の遺跡と文化』(共著)など。

上野 邦一(ウエノ クニカズ)
奈良女子大学生活環境学部教授。工学博士。昭和42年名古屋大学工学部建築学科卒業。奈良国立文化財研究所平城宮跡発掘調査部遺構調査室長を経て、平成5年より現職。専門は、日本建築史、東南アジア建築史。とくに、日本では歴史的町並み、伝統的家屋の歴史的展開とその保存に関心をもつ。近年では、東南アジアの建築遺産の歴史的展開とその保存に関心を払う。著書に、『宿場と本陣』(至文堂)。

坂井 隆(サカイ タカシ)
(財)群馬県埋蔵文化財調査事業団専門員。昭和55年早稲田大学第2文学部東洋文化専攻卒業。在学中昭和51-53年インドネシア共和国立パジャジャラン大学文学部歴史学科留学。昭和55年より現職。平成元-6年早稲田大学社会科学研究所特別研究員兼任。専門は、インドネシア考古学。とくに、歴史時代。現在は、港市・陶磁貿易に関心をもつ。著書に、『肥前陶磁の港バンテン』(ハッサン・アムバリィと共著)、『アジアの海と伊万里』(大橋康ニと共著)など。

青柳 洋治(アオヤギ ヨウジ)
上智大学アジア文化研究所長・教授。昭和42年上智大学文学部史学科卒業。上智大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。上智大学文学部助教授、上智大学外国語学部教授を経て、平成7年より現職。平成6年マレーシア科学大学客員教授。専門は、東南アジア考古学。とくに、フィリピンの先史文化。最近は、遺跡出土の貿易陶磁に関心をもつ。著書・論文に「陶片が語る海上交易のネットワーク」(『講座 文明と環境』第10巻「海と文明」、朝倉書店、平成7年)、『ベトナム陶磁の編年的研究とチャンパ古窯の発掘調査』(共著、「上智アジア学」第11号、上智大学アジア文化研究所、平成5年)。

田中 琢(タナカ ミガク)
奈良国立文化財研究助長。京都大学文学部史学科(考古学専攻)卒業。奈良国立文化財研究所埋蔵文化財センター長、文化庁文化財鑑査官などを経て、平成6年より現職。専門は考古学。著書に、『倭人争乱』、『平城京』、『古鏡』、『考古学の散歩道』(共著)など。

小西 正捷(コニシ マサトシ)
立教大学文学部史学科教授。昭和36年国際基督教大学教養学部人文科学学科卒業。インド・カルカッタ大学大学院修士課程、東京大学大学院博士課程修了。法政大学助教授、同教授を経て、昭和58年より現職。専門は、南アジア考古学・民族学。とくに、インダス文明を巡る諸問題。インドの儀礼的民俗造形にも関心をもつ。著書に、『インダス文明』(共著)、『多様のインド世界』、『インド民衆の文化誌』、『ベンガル歴史風土記』など。

渡辺 勝彦(ワタナベ カツヒコ)
日本工業大学工学部建築学科教授。工学博士。昭和42年東京工業大学理工学部建築学科卒業。日本工業大学助教授、名古屋工業大学助教授を経て、昭和63年から現職。専門は、建築史。とくに、日本近世建築史、ネパール建築史。著書に、『江戸時代後期の大阪における大工組みの研究』、『The Royal Buildinbs in Nepal』(共著)、『The Royal Buildings and Buddhist Monasteries of Nepal』(共著)など。

近森 正(チカモリ マサシ)
慶應義塾大学文学部史学科教授。文学博士。昭和40年慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。慶應義塾大学文学部専任講師、同助教授を経て、昭和54年より現職。専門は、考古学・民族学。とくに、太平洋・東南アジア地域。現在は、ポリネシアのサンゴ礁の民族学・考古学を調査研究。著書に、『サンゴ礁の民族考古学』(雄山閣出版)、『キキ自伝-文明と未開のはざま-』(訳書、学生社)、『オセアニア-島嶼に生きる-』(共著、東大出版)など。

片桐 正夫(カタギリ マサオ)
日本大学理工学部教授。昭和38年日本大学理工学部卒業。日本大学大学院修了。工学博士。専門は、朝鮮建築史、クメール建築史。保存修復事業に関心をもち、日本国内での民家、社再建系の修復、町並み保存事業にかかわっている。著書に、『韓国の建築文化』(共著、南洋堂)、『日本文化の原点の総合的探求9』(共著、日本評論社)、『アジアの仏教名蹟』(共著、雄山閣)、『文化遺産の保存と環境』(共著、朝倉書店)など。

盛合 禧夫(モリアイ トミオ)
東北工業大学工学部土木工学科教授。理学博士。昭和30年東北大学理学部地学科卒業。昭和32年同大学大学院理学研究科修士課程修了。東北工業大学助教授を経て、昭和52年より現職。専門は、土木地質学。著書に、『現代の地球科学』(学術図書出版社)、「アンコール遺跡の大地」(『講座 文明と環境』第12巻「文化遺産の保存と環境」、朝倉書店)など。

西村 幸夫(ニシムラ ユキオ)
東京大学大学院工学系研究科教授。工学博士。昭和51年東京大学工学部都市工学科卒業。同大学院修了。明治大学工学部助手、アメリカ・マサチューセッツ工科大学客員研究員などを経て、平成8年より現職。専門は、都市計画。とくに、歴史的環境の保全に関心をもつ。平成3年日本建築学会奨励賞(論文)、平成8年日本建築学会賞(論文)を受賞。著書に、『歴史を生かしたまちづくり』、『シビック・トラスト』など。

猪熊 兼勝(イノクマ カネカツ)
奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部長。昭和39年関西大学大学院修士課程修了。同年奈良国立文化財研究所入所、同飛鳥資料館学芸室長、同埋蔵文化財センター研究指導部長を経て、平成7年より現職。専門は、日本考古学。とくに、古墳時代より飛鳥時代の墓制。飛鳥時代より平安時代の衣服に関心をもつ。著書に、『埴輪』、『飛鳥の古墳を語る』、監修に、『謎のイースター島』。

坪井 善明(ツボイ ヨシハル)北海道大学法学部教授。昭和47年東京大学法学部政治学科卒業。昭和57年東京大学大学院法学政治学研究科政治専攻博士課程中退。昭和57年フランス・パリ大学社会科学高等研究員社会学博士。北海道大学法学部助教授を経て、昭和63年より現職。専門はベトナム政治社会史、アジア政治論。昭和57年渋沢・クローデル賞、平成7年アジア太平洋賞特別賞を受賞。著書に、『L'Empire Vietnamien face a la France et a la Chine 1847-1883』、『Catholicisme et Societes Asiatiques』(L'Harmattan,Paris)、『近代ヴェトナム政治社会史』(東京大学出版会)、『ヴェトナム「豊かさ」への夜明け』(岩波書店)など。

新田 栄治(ニッタ エイジ)
鹿児島大学教養部教授。昭和47年東京大学文学部(考古学)卒業。昭和53年東京大学大学院博士課程(考古学)修了。鹿児島大学教養部講師、同助教授を経て、平成4年より現職。専門は、東南アジア考古学。とくに、東南アジア大陸部の初期金属器文化の研究。現在は、先史産業と環境、都市と国家に関心をもつ。著書に、『展望考古学』(共著、考古学研究会)、『講座 文明と環境』第6巻(共著、朝倉書店)、『古代文明と環境』(共著、思文閣出版)、『福岡からアジアへ』第1、2巻(共著、西日本新聞社)など。

斎藤 英俊(サイトウ ヒデトシ)
東京芸術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻教授。工学博士。一級建築士。昭和44年東京工業大学建築学科卒業。昭和50年東京工業大学大学院博士課程修了。文化庁文化財保護部建造物課で調査部門文化財調査官、伝統的建造物群部門主任文化財調査官、伝統的建造物群部門主任文化財調査官を務め、平成7年より現職。平成7年度日本建築学会賞(論文賞)を受賞。共著書に、『中井家文書の研究』1〜10(中央公論美術出版)、「桂/修学院と京都御所」(『日本美術全集19、学習研究社)、「桂離宮」(『名宝日本の美術』21、小学館)、「茶の湯の成立」(『茶道聚錦』2、小学館)、『桂離宮御殿整備記録』(全4冊、宮内庁)、「城と茶室」(『日本美術全集』14、講談社)など。

牛川 喜幸(ウシカワ ヨシユキ)
長岡造形大学造形学部環境デザイン学科教授。農学博士。昭和34年京都大学農学部林学科卒業。文化庁主任文化財調査官、奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部長を経て、平成5年より現職。専門は、造園学。とくに、日本庭園史。著書に、『池泉の庭』、『文化財保護の実務』(共著)、『写真測量による仏像実測図集』(共著)など。