第12回「大学と科学」固体の分子も動き、化学反応を起こす−溶媒を使わない合成法や新しい材料を開発する−
大橋 裕二(オオハシ ユウジ)
東京工業大学理学部化学科教授。理学博士。昭和39年東京大学理学部化学科卒業(同大学院博士課程中退)。東京工業大学理学部助手、お茶の水女子大学助教授、同教授を経て、平成元年より現職。専門はX線結晶化学。現在は個体反応、特に固体中の励起分子のX線構造解析に関心をもつ。昭和58年日本結晶学会賞受賞。著書に『結晶の分子科学入門』、『実験化学講座・回折』、『Reactivity in Molecular Crysrals』など。

岡本 佳男(オカモト ヨシオ)
名古屋大学大学院工学研究科応用化学専攻教授。理学博士。昭和44年大阪大学大学院理学研究科博士課程修了。同年大阪大学基礎工学部助手、同助教授を経て、平成2年より現職。専門は高分子化学。特に高分子合成。昭和57年高分子学会賞、平成3年日本化学会賞化学技術賞、平成8年ダ・ヴィンチ最秀賞(ルイヴィトン)受賞。著書に『クロマト用樹脂』など30編(いずれも共著)。

小川 桂一郎
東京大学大学院総合文化研究科助教授。理学博士。昭和50年東京大学理学部化学科卒業。昭和52年東京大学理学系研究科化学専門課程修士課程修了。東京大学教養学部助手、同助教授を経て、平成8年より現職。専門は物理有機化学、有機個体化学。現在は結晶中の有機分子の動的な挙動に関心をもつ。平成4年化学ソフトウェア学会賞、平成9年日本結晶学会賞受賞。著書に『パーソナルコンピュータによる分子のモデリング』(吉田弘・鈴木弘と共著)

小倉 克之(オグラ カツユキ)
千葉大学工学部応用化学科教授。工学博士。昭和40年京都大学工学部合成化学科卒業。昭和45年京都大学大学院博士課程修了。(財)相模中央化学研究所主任研究員、千葉大学工学部助教授を経て、昭和62年より現職。専門は有機合成化学。特にヘテロ原子の特性を利用する有機合成。現在は分子認識化学に関心をもつ。昭和50年日本化学会進歩賞受賞。著書に『有機人名反応』など。

小尾 欣一(オビ キンイチ)
日本女子大学理学部物質生物科学化教授。理学博士。昭和36年東京工業大学理工学部化学科卒業。昭和41年東京工業大学大学院理工学研究科化学専攻博士課程進学修了。東京工業大学理工学部助手、同理学部助教授、同教授(この間理学部長を併任)を経て、平成10年より現職。専門は光化学、分光学。昭和62年光化学協会賞、平成9年日本化学会賞受賞。著書に、大学院物理化学『励起分子の化学』(共著、講談社サイエンティフィク)、訳書に『市民の化学-今日そしてその未来-』(共訳、東京化学同人)。

黒田 玲子(クロダ レイコ)
東京大学大学院総合文化研究科広域化学専攻教授。理学博士。昭和50年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。昭和50年ロンドン大学キングスカレッジ化学科Research associate、昭和56年ロンドン大学キングスカレッジ生物物理学科Honorary Lecturer、昭和60年英国Institute of Cancer Research、Senior Staff Scientist/ロンドン大学キングスカレッジ生物物理学科Honorary Lecturer兼任、昭和61年東京大学教養学部助教授、平成4年東京大学教養学部教授、平成7年改組にともない東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は分子認識:DNAの塩基配列の認識および分子のキラリティー(左右)の認識、生物物理化学。平成5年第13回猿橋賞、平成6年第1会日産科学賞受賞。著書に『生命世界の非対称性』(中公新書)、『化学のすすめ』(編および分担執筆、筑摩書房)、『現代日本文化論 日本人の科学』(分担執筆、岩波書店)、『バイオサイエンスで健康を考える』(分担執筆、丸善)など。

西郷 和彦(サイゴウ カズヒコ)
東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻教授。理学博士。昭和44年東京工業大学理工学部化学科卒業。大日本インキ化学工業株式会社研究員、東京工業大学理学部助手、東京大学理学部助手、埼玉大学工学部講師、同教授、東京大学工学部助教授、同教授を経て、平成7年より現職。専門は有機合成化学、高分子合成化学。特にモレキュラー・キラリティー。1984年度有機合成化学協会奨励賞受賞。著書に『モレキュラー・キラリティー』(共著、原昭二・古賀憲司・首藤紘一編、化学同人、1993)、『光学活性体の分離』(共著、化学会編、学会出版センター、1989)など。

菅原 洋子(スガワラ ヨウコ)北里大学理学部物理学科教授。薬学博士。昭和55年東京大学大学院博士課程修了。理化学研究所結晶学研究室研究員、同副主任研究員を経て、平成6年より現職。専門はX線結晶学。特に生体分子結晶の相転移の研究。

戸田 芙三夫(トダ フミオ)
愛媛大学工学部応用化学科教授。理学博士。昭和35年大阪大学理学部大学院博士課程中退。大阪大学理学部助手、愛媛大学助教授を経て、昭和47年より現職。専門は有機化学。特に個体有機化学。現在は結晶中の動的分子挙動、分子認識、反応性に関心をもつ。平成2年有機合成化学協会賞、平成4年日本化学会賞受賞。著書に『有機化合物の構造決定』『13CNMRデータブック』など。

橋本 和仁(ハシモト カズヒト)
東京大学先端科学技術研究センター教授。理学博士。昭和53年東京大学理学部化学科卒業。昭和55年東京大学大学院理学系研究科化学専攻修士課程修了。昭和60年東京大学理学博士(論文博士)。東京大学工学部応用化学科助教授を経て、平成9年より現職。照明賞・日本IBM科学賞、平成9年日本照明賞・日本IBM科学賞、平成10年光化学協会賞・国際実用材料開発賞・科学技術庁注目発明賞受賞。専門は物理化学。特に光機能性材料の設計と合成。現在は光磁性材料、光触媒材料に関心をもつ。著書に『光クリーン革命』(藤嶋昭・渡部俊也と共著)、『半導体光電極と光触媒』(編著)など。

原田 明(ハラダ アキラ)
大阪大学大学院理学研究科高分子科学専攻教授。理学博士。昭和47年大阪大学理学部高分子学科卒業。昭和52年大阪大学大学院理学研究科博士課程修了。昭和53年IBM研究所客員研究員(San Jose)、昭和54年コロラド州立大学客員研究員、昭和57年大阪大学産業科学研究所助手、昭和63年大阪大学理学部助手、平成2〜3年スクリプス研究所(San Diego客員研究員、平成6年大阪大学理学部助教授、平成8年大阪大学大学院理学研究科助教授を経て、平成10年より現職。専門は高分子合成化学、超分子化学。生体高分子化学。現在は高分子認識による超分子構造の構築や機能性抗体に関心をもつ。平成4年日本IBM科学賞受賞。  著書(共著)に『Large Ring Molecules』(Wiley)、『Ordering in Macromolecular Systems』(Springer)『Ordering in Macromolecur Architecture and Functions』など。

増原 宏(マスハラ ヒロシ)
大阪大学大学院工学研究科応用物理学専攻教授。工学博士。昭和41年東北大学理学部化学科卒業。昭和46年大阪大学大学院基礎工学部助手、京都工芸繊維大学繊維学部教授を経て、平成3年より現職。この間、東京工芸大学、東北大学、ルーバンカトリック大学(ベルギー)の客員教授。専門は光化学。特にレーザーマイクロ化学。昭和59年光化学協会賞、平成5年ダ・ヴィンチ優秀賞(モエヘネシールイヴィトン)、平成6年日本化学会学術賞・大阪科学賞受賞。著書(共著)に、『Photochemical Processes in Organized Molecular Systems』(エルゼビア社)、『Microchemistry』(エルビゼア社)、『マイクロ化学』(化学同人)など。