第18回「大学と科学」科学が解き明かす古代の歴史−新世紀の考古科学−
今津 節生(イマヅセツオ)
奈良県立橿原考古学研究所総括研究員・保存科学研究室長
1985 年青山学院大学大学院博士課程修了、94 年京都工芸繊維大学大学院工学研究科学術博士。
専門は文化財保存科学。特に、遺跡遺物の保存に関心をもつ。現在、日本文化財科学会理事、文化財保存修復学会運営委員、国際博物館会議(ICOMCC)アシスタント・コーディネーター。
編著書に、『出土木製品の保存科学的研究』(奈良県立橿原考古学研究所、1999)、共著に、『遺物の保存と調査』(クバプロ、2002)など。


今村 峯雄(イマムラミネオ)
国立歴史民俗博物館情報資料研究部教授。理学博士。
1965 年横浜国立大学工学部応用化学科卒業、東京大学大学院理学系研究部博士課程修了。東京大学原子核研究所助教授を経て、96 年より現職。
専門は歴史資料科学。特に、同位体による歴史資料研究。現在は高精度炭素14 法による日本先史年代の実年代体系の研究を中心に研究活動。
著書に、『年代をはかる』(日本規格協会、1991)。共著に、『考古学と化学をむすぶ』(東京大学出版会、2000)。


岩永 省三(イワナガショウゾウ)
九州大学総合研究博物館教授
1979 年九州大学文学部史学科卒業、81 年同大学大学院文学研究科修士課程修了。81 年奈良国立文化財研究所研究員、91 年同主任研究官を経て、2000年11 月より現職。
専門は日本考古学。特に、国家形成過程の研究。
著書に、『金属器登場』(講談社、1997)、『弥生時代の装身具』(至文堂、1977)など。


牛島 恵輔(ウシジマケイスケ)
九州大学大学院工学研究院地球資源システム工学部門教授。工学博士。
1966 年九州大学工学部(採鉱学科)卒業、71 年同大学大学院工学研究科博士課程退学。九州大学工学部助手、講師、助教授を経て、90 年より現職。
専門は物理探査(応用地球物理)学。特に、電気探査学。現在はエネルギー資源の物理探査のほかに、遺跡、地雷不発弾、地下空洞、産業廃棄物、地下水汚染など環境物理探査も実施。現在、日本文化財探査学会長、(社)物理探査学会副会長。
1989 年ソフトウェアコンファレンス賞、2000 年物理探査学会功績賞受賞。
共著に、『地下を探る先端技術 図解物理探査』(物理探査学会、1989)、『物理探査ハンドブック』(物理探査学会、1999)、『電気探査と磁気探査』(電気工学ハンドブック、1999)、『電気探査』(真陽社、1999)など。


金原 正明(カネハラマサアキ)
奈良教育大学教育学部総合教育課程文化財コース古文化財科学助教授
1979 年奈良教育大学特理課程地学卒業。天理大学附属天理参考館学芸員を経て、2000 年より現職。
専門は古文化財科学。特に、環境考古学。現在は農耕変遷と環境変動の関係に関心をもつ。
共著に、『卑弥呼の食卓』(吉川弘文館、1999)、『トイレの考古学』(東京美術、1997)、『宗教と考古学』(勉誠社、1997)など。


金原 正子(カネハラマサコ)
(株)古環境研究所主任研究官
1978 年天理医学技術学校卒業。天理よろづ相談所病院臨床検査技師を経て、94 年より現職。
専門は環境考古学。特に、寄生虫卵分析、花粉分析。現在は珪藻分析に関心をもつ。
共著に、『Palaeoparasitology in Japan』( Mem InstOswaldo Cruz, Pio de Janeiro, Vol. 98, 2003)、『化石・骨・木製品を探る、文化財を探る科学の目1』(国土社、1998)、『都市と分明、講座文明と環境4』(朝倉書店、1996)、『発掘を科学する』(岩波新書、1994)。


木下 尚子(キノシタナオコ)
熊本大学文学部教授
東京教育大学卒業、九州大学大学院修了。梅光女学院大学を経て、97 年から現職。
研究分野は、装身具の歴史、東アジアの古代貝交易。
主な論著書に、『南島貝文化の研究─ 貝の道の考古学』(法政大学出版局、1996)、「装身具と権力・男女」(『古代史の論点』第2 巻、小学館、2000)、「農民的装身具の成立」(『先史学・考古学論究検拯凝長邑轍顱2003)がある。


高妻 洋成(コウヅマヨウセイ)
(独)文化財研究所奈良文化財研究所埋蔵文化財センター主任研究官
1991 年京都大学大学院農学研究科博士後期課程林産工学専攻単位取得退学。91 年京都芸術短期大学専任講師、93 年京都造形芸術大学専任講師、95 年奈良国立文化財研究所埋蔵文化財センター遺物処理研究室研究員、97 年同研究所埋蔵文化財センター主任研究官、2001 年より現職。
専門は文化財保存科学。特に、水浸有機質遺物の保存。現在は非破壊診断法の開発、新たな保存処理法の開発に精力を注いでいる。
共著に、『文化財のための保存科学入門』(角川書店、2002)、『遺物の保存と調査』(クバプロ、2003)など。


肥塚 隆保(コエヅカタカヤス)
(独)文化財研究所奈良文化財研究所埋蔵文化財センター保存修復科学研究室長
東京藝術大学大学院美術研究科修士課程を修了後、1975 年奈良国立文化財研究所埋蔵文化財センター研究指導部に入所。90 年より同飛鳥藤原宮跡発掘調査部、主任研究官になる。2001 年より現職。
専門は保存修復科学。特に、無機質遺物の保存科学研究を専門とし、現在は古代ガラスの考古科学研究に関心をもつ。
共著に、『発掘を科学する』(岩波書店、1994)、『文化財の保存と修復』(文化財保存修復学会編/クバプロ、1999)『日本の美術400 号 美術を科学する』(至文堂、1999)、『文化財のための保存科学入門』(角川書店、2002)、『遺物の保存と調査』(クバプロ、2003)など。


佐藤 昌憲(サトウマサノリ)
(独)文化財研究所奈良文化財研究所客員研究員
1959 年京都大学大学院理学研究科(化学専攻)博士課程修了(京都大学理学博士)。1959 〜 60 年フランス政府給費留学生(パリ大学)。61 〜 67 年京都大学理学部化学科助手、67 〜 95 年京都工芸繊維大学繊維学部助教授、教授、95 年同、定年退官(京都工芸繊維大学名誉教授)、95 年より現職。
専門は文化財科学。特に、有機質遺物の材質分析。
共著に、『歴史的に見た染織の美と技術』(丸善、1996)、『日本の美術400 号美術を科学する』(至文堂、1999)、『文化財のための保存科学入門』(角川書店、2002)。


沢田 正昭(サワダマサアキ)
筑波大学芸術学系教授。学術博士。
1967 年金沢大学教育学部中等教育科卒業、69 年東京藝術大学大学院美術研究科(保存科学専攻)修了。奈良国立文化財研究所埋蔵文化財センター遺物処理研究室長、同所埋蔵文化財センター長を経て、2003 年より現職。
専門は文化財の保存科学。特に、考古科学。現在は中国西城の洞窟壁画の保存に関心をもつ。
著書に、『文化財保存科学ノート』(近未来社、1997)。共著に、『遺物の保存と調査』((株)クバプロ、2003)、『保存科学入門』(角川書店、2002)、『考古科学の総合的研究』(文部科学省科学研究費補助金研究成果報告書、2003)など。


武末 純一(タケスエジュンイチ)
福岡大学人文学部歴史学科教授
1972 年九州大学文学部史学科(考古学)卒業。九州大学大学院修士課程修了。北九州市立歴史博物館学芸員、北九州市立考古博物館学芸員・同副館長、福岡大学人文学部助教授を経て、97 年より現職。
専門は弥生・古墳時代および同時代の日韓交渉。現在は集落構造および生産と流通に関心をもつ。
著書に、『土器からみた日韓交渉』(学生社、1991)、『弥生の村』(山川出版社、2002)。共著に、『日韓交渉の考古学─弥生時代篇─』(六興出版、1991)、『考古資料大観1 弥生・古墳時代土器1』(小学館、2003)。


田辺 征夫(タナベイクオ)
(独)文化財研究所奈良文化財研究所埋蔵文化財センター長。京都大学大学院人間・環境学研究科客員教授。
1968 年慶應義塾大学文学部史学科卒業、京都大学文学部大学院史学研究科修士課程中退。奈良国立文化財研究所、奈良市教育委員会、文化庁、東京国立博物館などを経て、2003 年より現職。
専門は日本考古学。特に、古代都城、寺院に関心をもつ。
著書に、『平城京 街とくらし』(東京堂出版、1997)など。


中橋 孝博(ナカハシタカヒロ)
九州大学大学院比較社会文化研究院教授。医学博士。
1973 年九州大学理学部生物学科卒業、76 年同大学大学院博士課程中退。九州大学医学部講師を経て、98 年より現職。
自然人類学専攻。特に、弥生時代の渡来人問題を中心に研究を進めている。
共著書に、『倭国誕生』(吉川弘文館、2002)、『日本人はるかな旅』(NHK 出版、2002)ほか。


成瀬 正和(ナルセマサカズ)
宮内庁正倉院事務所保存課保存科学室長
1976 年埼玉大学理工学部卒業、78 年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。宮内庁正倉院事務所保存課調査室研究員、同主任研究官を経て、94 年より現職。
専門は保存科学。特に、古代材料史。最近は顔料に関心をもつ。
著書に、『正倉院宝物の素材』(至文堂、2002)。共著に、『文化財のための保存科学入門』(角川書店、2002)、『正倉院学ノート』(朝日新聞社、1999)。


西浦 忠輝(ニシウラタダテル)
国士舘大学イラク古代文化研究所教授
1970 年東京農工大学卒業。75 年東京文化財研究所入所。修復技術部主任研究官、アジア文化財保存研究室長、国際文化財保存修復協力室長、国際文化財保存修復協力センター長代理、保存科学部長などを経て、2004 年4 月より現職。
専門は保存科学。現在は屋外文化財の環境、劣化と保存修復対策の調査研究を行い、中国、タイ、カンボジア、パキスタン、エジプトなどで保存修復プロジェクトを推進。ICOMOS(国際記念物遺跡保存会議)石造物国際専門委員会副委員長。九州国立博物館(仮称)諸機能検討会指導助言者。文化財保存修復学会運営委員。
共著書に、『美術工芸品の保存と保管』(フジテクノシステム、1994)、『文化遺産の保存と環境』(朝倉書店、1995)、『アジア・知の再発見─ 文化財の保存修復と国際協力─』(クバプロ、1997)、『おもしろアジア考古学』(連合出版、1997)、『世界の文化遺産を護る』(クバプロ、2001)、『文化財の保存と修復』(クバプロ、1999 〜 2003)などがあるほか、保存修復に関する論文多数。


西谷  正(ニシタニタダシ)
九州大学名誉教授。名誉文学博士。
1958 年奈良学芸大学第2 部文科卒業、66 年京都大学大学院修士課程修了。奈良国立文化財研究所研究員、福岡県教育委員会文化課技術主査、九州大学文学部助教授、同教授、同大学大学院人文科学研究院教授を経て、2002 年定年退官。同年九州大学名誉教授。
専門は考古学。特に、朝鮮半島を中心とした東アジア考古学。現在は日本中世の水中考古学と東アジア諸地域交流史に関心をもつ。
編書に、『東北アジアにおける先史文化の比較考古学的研究』(九州大学大学院人文科学研究院、2002)、『小郡市史』全7 巻(小郡市役所、1996 〜 2003)など。


西村  康(ニシムラヤスシ)
(財)ユネスコ・アジア文化センター文化遺産保護協力事務所研修事業部長
1969 年立命館大学大学院文学研究科修士課程修了。奈良文化財研究所埋蔵文化財センター遺跡調査技術研究室長を経て、2003 年4 月より現職。
専門は考古学。特に、遺跡探査に従事している。
著書に、『遺跡の探査』(至文堂、2001)。共著に、『文化財探査の手法とその実際』(眞陽社、1999)など。


日高健一郎(ヒダカケンイチロウ)
筑波大学芸術学系教授。工学博士。
1973 年東京大学建築学科卒業、同大学大学院工学系研究科修士課程・博士課程に進学。この間イタリア政府給費留学生としてローマ大学で、アルナルド・ブルスキ教授の指導下、ルネッサンス建築史を学ぶ。日本学術振興会奨励研究員、豊橋技術科学大学助手、筑波大学講師、助教授を経て、現職。
専門分野は西洋建築史、建築修復論および保全、世界遺産論。
1992 年イタリア政府マルコ・ポーロ賞、98 年日本建築学会奨励賞を受賞。
共著書に、「ドームの起源― パンテオンの誕生」、「ハギア・ソフィア大聖堂からオスマン・トルコへ」(『つどいの空間─ ドーム建築のデザインと技術』(財)日本建築センター、1997)、「クラシック建築の完成」、「クラシック建築の発展と変化」(『世界建築大全集第4 巻:ギリシャ・クラシックとヘレニズム』小学館、1995)、「15 世紀の建築― フィレンツェからイタリア各地へ」(『世界美術大全集第12巻:イタリア・ルネッサンス2』小学館、1992)など多数。


平尾 良光(ヒラオヨシミツ)
別府大学文学部教授。理学博士。
1966 年東京理科大学理学部化学科卒業、71 年東京教育大学大学院理学研究科化学専攻博士課程修了。72 年米国カリフォルニア工科大学研究員、73 年青山学院大学理工学部化学科実験講師、87 年東京国立文化財研究所保存科学部化学研究室長を経て、2003 年より現職。
専門は文化財科学一般、特に、金属の歴史的変遷に関する研究。
共著に、『文化財を探る科学の眼1 〜 6 巻』(国土社、1998、1999、2000)。著書に、『古代青銅の流通と鋳造』(鶴山堂、1999)、『古代東アジア青銅の流通』(鶴山堂、2001)など。


本田 光子(ホンダミツコ)
(独)国立博物館・九州国立博物館(仮称)設立準備室保存修復主幹
1975 年明治大学文学部史学地理学科考古学専攻卒業、78 年東京藝術大学大学院美術研究科保存科学専攻修士課程修了。九州歴史資料館、福岡市埋蔵文化財センター、別府大学文学部文化財学科教授を経て、2003 年4 月より現職。
専門は文化財保存学と考古学。特に、弥生、古墳時代の赤色顔料について研究。
著書に、「湖北省荊州出土漆器の保存科学的調査」(『福岡からアジアへ』西日本新聞社、1997)。


松井  章(マツイアキラ)
(独)文化財研究所奈良文化財研究所埋蔵文化財センター遺物調査技術研究室長
1976 年東北大学文学部史学科卒業、82 年同大学大学院文学部史学科博士課程後期2 年退学。
専門は動物考古学、環境考古学。特に、遺跡出土の動物遺存体の研究、土壌中に含まれる動植物遺存体の研究に関心をもつ。
著書に、『古代の日本第10 巻(角川書店、1992)』など多数。


三浦 定俊(ミウラサダトシ)
(独)文化財研究所東京文化財研究所協力調整官
1971 年東京大学工学部卒業、73 年東京藝術大学大学院修了(保存科学専攻)。同年東京国立文化財研究所保存科学部研究員。保存科学部長を経て、2003年より現職。東京藝術大学大学院美術研究科(文化財保存学専攻)教授(併任)。
専門は保存科学(物理計測)。現在、国際保存学会日本支部(IIC-Japan)副会長、文化財保存修復学会諮問委員、日本文化財科学会評議員などを務める。
著書に、『文化財科学の事典』(編著、朝倉書店、2003)、『古美術を科学する』(廣済堂出版、2001)。共著書に、『文化財探査の手法とその実際』(真陽社、1999)、『美術を科学する』(至文堂、1999)、『回顧・金堂罹災』(法隆寺、1998)など多数。


光谷 拓実(ミツタニタクミ)
(独)文化財研究所奈良文化財研究所埋蔵文化財センター古環境研究室長。農学博士。
1975 年千葉大学大学院修士課程修了。同年奈良国立文化財研究所入所。97 年より京都大学大学院人間・環境学研究科客員教授も務めている。
専門は年輪年代学、年輪気象学。
1997 年、年輪年代学の研究で第31 回吉川英治文化賞受賞。
著書に、『年輪年代法と文化財』(至文堂、2001)、『年輪に歴史を読む─ 日本における古年輪学の成立─』(同朋舎、1990)など。


宮本 一夫(ミヤモトカズオ)
九州大学大学院人文科学研究院教授。博士(文学)。
1982 年京都大学文学部史学科卒業、同大学大学院修士課程修了。愛媛大学法文学部助教授、九州大学大学院人文科学研究院助教授を経て、2002 年より現職。
専門は東アジア考古学。特に、新石器時代・青銅器時代。
2003 年第16 回浜田青陵賞受賞。
著書に、『中国古代北疆史の考古学的研究』(中国書店、2000 年)。共著に、『岱海考古(二)』(科学出版社、2001 年)など。


村上  隆(ムラカミリュウ)
(独)文化財研究所奈良文化財研究所主任研究官。学術博士。
1978 年京都大学工学部卒業、80 年同大学大学院工学研究科修士課程修了。80 年(株)住友特殊金属技術開発部。85 年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了、88 年同博士課程修了。日本学術振興会特別研究員を経て、奈良国立文化財研究所入所、現在に至る。文化財保存修復学会運営委員、日本文化財科学会評議員、京都造形芸術大学非常勤講師。
専門は歴史材料科学。金工を中心に材料科学の手法を用いて、古代から現代に至る材料と製作技法の歴史的変遷を追求している。
著書に、『日本の美術443 号 金工技術』(至文堂、2003)、『色彩から歴史を読む』(共編、ダイヤモンド社、1999)、『博物館の環境管理』(共訳、雄山閣、1988)、『文化財は守れるのか』(文化財保存修復学会編、1999)、『Japanese Traditional Alloys』(Butterworth)、『古代金工における金属接合技術』(『文化財論議供戞法◆悒潺ロな眼で探るわが国金工技術の世界』(佛教藝術、1994)、『文化財不可視情報の可視化―見えないものを見る視座―』(クバプロ)など。