第19回「大学と科学」みずみずしい体のしくみ−水の通り道「アクアポリン」の働きと病気−
東  政明(アズママサアキ)
鳥取大学農学部生物資源環境学科助教授。農学博士。
1985年名古屋大学大学院農学研究科博士課程修了。京都工芸繊維大学繊維学部助手を経て、89年より現職。92〜 93年および95年ミュンヘン大学動物学研究所客員研究員。
専門は蚕糸学・応用昆虫学。特に、昆虫生理学。最近は昆虫の乾燥耐性の生理機構に興味をもつ。
著書に、『昆虫学大事典』(共著、朝倉書店、2003年)など。

阿部 啓子(アベケイコ)
東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻教授。農学博士。
1969年お茶の水女子大学家政学部食物学科卒業、71年同大学大学院家政学研究科食物学専攻修士課
程修了。米国デューク大学医学部研究員を経て、東京大学農学部ポスドク。92年東京大学農学部助手、94年同大学大学院農学生命科学研究科助教授を経て、96年より現職。
専門は食品科学、味覚科学、遺伝子科学。
日本農芸化学会(理事歴任)、日本栄養・食糧学会、日本生化学会、日本味と匂学会、日本分子生物学会に所属。

石川 三衛(イシカワサンエ)
自治医科大学附属大宮医療センター総合医学第一教授
1975年群馬大学医学部卒業。自治医科大学助手、講師、助教授を経て、2002年より現職。
専門は内科学、内分泌代謝学、腎臓学。特に、水電解代謝とその異常、腎の尿濃縮に関する研究。
1992年日本内分泌学会研究奨励賞受賞。

石川 康子(イシカワヤスコ)
徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部摂食機能制御学講座分子薬理学部門助教授
1983年徳島大学大学院栄養学研究科博士課程修了。同大学歯学部助手、NIH/NIA 客員研究員、同大学
歯学部講師を経て、91年より現職。
専門は歯科薬理学。特に、刺激の受容と応答機構および腺分泌機構。現在は口腔組織の老化と疾病に関心をもつ。
1999年に唾液腺学会奨励賞、81年、99年三木康楽賞受賞。
共著に、『歯科薬理学』(医歯薬出版、第5版、2004年/第4版、1997年/第3版、1989年)、『最新医学大辞典』(医歯薬出版、第1版、1987年/第2版、1996年)、『歯周病』(先端医療技術研究所、2000年)、『顎関節症入門』(医歯薬出版、2001年)、『歯と口と健康』(医歯薬出版、1998年)など。
石橋 賢一(イシバシケンイチ)
(独)国立病院機構千葉東病院臨床研究センター分子生物研究部長。医学博士。
1981年東京医科歯科大学卒業。カリフォルニア大学サンフランシスコ校リサーチフェロー、自治医科大学薬理学講師、腎臓内科講師を経て、2004年より現職。
専門は水電解質代謝、腎臓薬理学、腎臓内科学。最近は基礎医学の知見を臨床に応用するトランス
レーショナルリサーチに興味をもつ。
著書に、『腎不全とリン』(共著、日本メディカルセンター、2004年)など。

今井  正(イマイマサシ)
国際医療福祉大学基礎医学研究センター教授、自治医科大学名誉教授。医学博士。
1962年東京大学医学部医学科卒業、同大学大学院博士課程修了。テキサス大学サウスウエスタン医
学部客員助教授、自治医科大学薬理学助教授、国立循環器病センター研究所薬理部長、自治医科大
学薬理学教授、同大学副学長を経て、2003年より現職。
専門は腎臓生理学、腎臓薬理学。特に、尿細管機能のホルモン、薬物による制御と尿濃縮機構。最近はイオン輸送体の分子生物学およびハイブリッド型人工腎臓の開発に興味をもつ。
1981年腎研究会大島賞、92年腎研究会学術賞、96年持田記念財団学術賞受賞。
著書に、『パワーポイントで学ぶ腎臓のはたらき』(東京医学社、2004年)。

影山 幸雄(カゲヤマユキオ)
東京医科歯科大学大学院助教授
1985年東京医科歯科大学医学部医学科卒業。88年埼玉医科大学医学部泌尿器科助手、94年東京医科歯科大学医学部泌尿器科助手を経て、2000年より現職。02〜 03年National Cancer Institute 客員研究員。
専門は尿路生殖器腫瘍。特に、低酸素応答転写因子を標的とした治療法の解決。また精子形成の調節因子にも興味をもつ。

且原 真木(カツハラマキ)
岡山大学資源生物科学研究所機能開発・制御部門分子生理機能解析グループ助教授。理学博士。
1985年東京大学理学部生物学科卒業、90年同大学大学院理学系研究科博士課程修了。岡山大学資源生物科学研究所助手を経て、2003年より現職。
専門は植物生理学。特に、環境ストレスと物質輸送に関心をもつ。
『植物の膜輸送システム:ポンプ・トランスポーター・チャンネル研究の新展開』(秀潤社、2003年)において、「水の吸収と移行」を著す。

北川 良親(キタガワヨシチカ)
秋田県立大学大学院教授
北海道大学大学院農学研究科博士課程修了。秋田大学助手(医学部生化学)、秋田県立農業短期大学
附属生物工学研究所教授を経て、現職。専門は遺伝子工学。

桑原 道雄(クワハラミチオ)
東京医科歯科大学医学部血液浄化療法部助教授
1979年東京医科歯科大学医学部医学科卒業。79年東京医科歯科大学医学部第2内科入局。85〜88年カルフォルニア大学サンフランシスコ校医学部内科学・腎生理学教室留学研究員、89年東京医科歯科大学医学部第2内科助手、94年同大学講師を経て、2001年より現職。
専門はチャネル・輸送体。特に、水チャネル。
著書に、『Nephrology』(共著、Springer-Verlag、1991年)など。

作部 保次(サクベヤスジ)
岡山大学大学院自然科学研究科助手。理学博士。
1991年岡山大学理学部生物学科卒業、96年同大学大学院博士課程修了。岡山大学理学部生物学科助手を経て、2001年より現職。
専門は分子生物学。特に、線虫を用いた筋・神経系の分子生物学。現在は線虫アクアポリンの機能に関心をもつ。

佐々木 成(ササキセイ)
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科腎臓内科学教授
1974年東京医科歯科大学医学部卒業。東京医科歯科大学医学部附属病院第2内科助教授、同大学大学院体内環境調節学教授を経て、2002年より現職。専門は腎臓内科学。
東京医科歯科大学医学部同窓会研究奨励賞、1994年財団法人腎研究会研究奨励賞、2002年財団法人日本腎臓財団学術賞などを受賞。

杉山 義宣(スギヤマヨシノリ)
(株)カネボウ化粧品基盤技術研究所主任研究員
1991年京都府立大学大学院農学研究科農芸科学専攻修士課程修了。91年鐘紡入社、2004年(株)カネボウ化粧品化粧品研究所研究員を経て、現職。
専門は皮膚科学。現在は水代謝一般に関心をもつ。

鈴木 裕一(スズキユウイチ)
静岡県立大学食品栄養科学部生理学研究室教授
1971年東北大学医学部卒業、75年同大学大学院医学研究科(生理学専攻)修了。75年東北大学医学部生理学第一講座助手、79年山形大学医学部生理学第二講座助教授(80年3月〜 81年5月外国出張のため休職)、93年静岡県立大学食品栄養科学部助教授を経て、95年より現職。
専門は消化器の生理学。特に、電解質の腸管吸収分泌、電解質の栄養。

祖父江和哉(ソブエカズヤ)
名古屋市立大学大学院医学研究科危機管理医学講師
1993年名古屋市立大学医学部卒業、99年同大学大学院医学研究科修了。99年名古屋市立大学大学院医学研究科助手、カナダマックギル大学ポストドクトラルフェローを経て、2004年より現職。
専門は麻酔科学、神経科学。特に、神経麻酔、脳浮腫発生機序、血液脳関門の機能。最近は脳浮種の病態において水チャネルアクアポリンがはたす機能とその制御について興味をもつ。

高田 邦昭(タカタクニアキ)
群馬大学大学院医学系研究科生体構造解析学分野教授
1974年東京大学理学部生物学科(動物学)卒業、79年同大学大学院理学系研究科(動物学専攻)博士課程修了。杏林大学医学部講師、助教授、群馬大学内分泌研究所教授、群馬大学医学部教授を経て、2003年より現職。日本解剖学会常務理事、日本組織細胞化学会常任理事。
専門は細胞生物学、組織細胞化学。特に、細胞膜の輸送蛋白の局在と機能。最近は水チャネルと糖輸送体に興味をもつ。
1995年日本電子顕微鏡学会学会賞(瀬藤賞)受賞。
著書に、『初めてでもできる共焦点顕微鏡活用プロトコール』(編著、羊土社、2003年)、『走査電顕アトラスマウスの発生』(共著、岩波書店、2003年)など。

竹井 祥郎(タケイヨシオ)
東京大学海洋研究所教授
1974年東京大学理学部動物学科卒業、79年同大学大学院理学系研究科動物学専攻博士課程修了。北里大学医学部を経て、98年より現職。
専門は海洋生物生理学。特に、内分泌系学。
著書に、『ホルモンから見た生命』(分担執筆、講談社ブルーバックス、2003年)、『動物生理学』(分担執筆、朝倉書店、2003年)。

田中 滋康(タナカシゲヤス)
静岡大学理学部生物学教室教授。医学博士。
1981年群馬大学大学院医学研究科博士課程修了。城西歯科大学解剖学教室助手、群馬大学内分泌研究所(生体調節研究所)助手、同大学講師、助教授を経て、97年より現職。
専門は内分泌細胞生物学。特に、ペプチドホルモンの細胞内プロセシングの分子機構。最近は両生類の水適応戦略におけるアクアポリンの多様性に興味をもつ。
著書に、『ホルモンの分子生物学シリーズ4ストレスとホルモン』(共編著、学会出版センター、1997年)など。

坪田 一男(ツボタカズオ)
慶應義塾大学医学部眼科学教室教授
1980年慶應義塾大学医学部卒業、医師免許取得、米国ECFMG 合格。慶應義塾大学医学部眼科学教室入局、83年国立栃木病院眼科医長、85年厚生省臨床研修指導医留学生としてハ−バ−ド大学留学、88年厚生省修練指導医認定、90年東京歯科大学眼科助教授、ハーバード大学訪問教授、東京歯科大学眼科教授などを経て、2004年より現職。
専門はドライアイ、角膜移植、近視矯正、白内障。最近は抗加齢医学にも興味をもつ。
1988年日本眼科医会学術奨励賞、91年興和財団研究助成賞、92年上原研究財団研究奨励賞など多数受賞。
http://www.tsubota.ne.jp

藤吉 好則(フジヨシヨシノリ)
京都大学理学部生物物理学教室教授。理学博士。
1971年名古屋大学理学部化学科卒業、京都大学大学院博士課程修了。京都大学化学研究所助手、蛋白工学研究所、松下電器国際研究所を経て、96年より現職。
専門は構造生理学。特に、神経科学。現在はイオンチャネルに関心をもつ。
1987年日本電子顕微鏡学会瀬藤賞受賞。
共著に、『遺伝子観察への旅』(東京大学出版会、1981年)、“G PROTEIN-COUPLED RECEPTORS”(CRC Press、2000年)など

成瀬  達(ナルセサトル)
名古屋大学大学院医学系研究科病態内科学講座助教授。医学博士。
1976 年名古屋大学医学部医学科卒業、80年同大学大学院医学研究科博士課程満了。クレイトン大学医学部客員講師、岡崎国立共同研究機構生理学研究所助手、名古屋大学医学部附属病院助手、同大学講師、同大学医学部助教授を経て、現職。
専門は消化器病学。特に、膵疾患。最近は水・イオン輸送体の遺伝子と環境・生活習慣の相互作用が消化器疾患を発症させる機序に興味をもつ。

前島 正義(マエシママサヨシ)
名古屋大学大学院生命農学研究科教授
1976 年名古屋大学農学部農芸科学科卒業、81年同大学大学院農学研究科農芸科学専攻博士課程修了。カルフォルニア大学博士研究員、名古屋大学農学部助手、北海道大学低温科学研究所助教授、名古屋大学農学部助教授を経て、2001年より現職。
専門は生化学・分子生物学。特に、植物を対象とした生化学。最近は生体膜での物質輸送、エネルギー変換の分子装置の構造とその生理学に興味をもつ。
1993年日本農芸科学奨励賞受賞。
原著論文の他に、総説として“Tonoplast transpoters:organization and function`in Annual Review of Plant Physiology and Plant Molecular Biology”(Annual Reviews, 2001)。著書に、『生体膜のエネルギー装置』(共著、共立出版、2000年)、『朝倉植物生理学講座:代謝』(共著、朝倉出版、2001年)、『植物の膜輸送システム』(編著、秀潤社、2003年)など。

前田 法一(マエダノリカズ)
大阪大学大学院医学系研究科分子制御内科学、日本学術振興会特別研究員。医学博士。
1995年大阪大学医学部卒業、2003年同大学大学院医学系研究科生体制御医学専攻博士課程修了。大阪大学医学部附属病院第2内科研修医、医療法人川崎病院内科・循環器科医員を経て、04年より現職。
専門は内科学。特に、循環器・内分泌代謝領域。最近は脂肪細胞に特異的に発現する蛋白の生体内における生理的意義の解明に興味をもつ。
2003年日本内分泌学会若手研究奨励賞、日本肥満学会若手研究奨励賞、04年日本心臓財団動脈硬化Update 研究助成優秀賞受賞。
著書に、『メタボリックシンドロームにおけるアディポネクチンの意義』(日本肥満学会誌、2004年)、『アディポネクチン欠損マウス』(日本臨床社、2004年)、『脂肪組織と糖代謝』(メディカルレビュー社、2004年)など。

光岡  薫(ミツオカカオル)
(独)産業技術総合研究所生物情報解析研究センター主任研究員(高次構造解析チームリーダー)。理学博士。
1989年東京大学理学部物理学科卒業、同大学大学院理学系研究科博士課程修了。松下電器産業株式会社国際研リサーチアソシエイト、京都大学大学院理学研究科助手、同大学低温物質科学研究センター助教授を経て、2004年より現職。
専門は構造生物学。特に、プロトン移動に関連する膜蛋白質の立体構造解析。現在は主にアクアポリンなどの電子線結晶構造解析を行っている。
著書に、『ナノバイオロジー』(共著、共立出版、2004年)など。

山本  格(ヤマモトタダシ)
新潟大学大学院教授、新潟大学医学部附属腎研究施設長
1974年新潟大学医学部卒業。75年新潟大学医学部附属腎研究施設病理形態学部門助手、82年同助教授、99年同大学医学部附属腎研究施設構造病理学分野教授を経て、2001年より現職、04年より同施設長併任。
専門は分子腎臓病理学。特に、糸球体腎炎、水チャネル、腎臓ゲノミクス、プロテオミクス。
1988年新潟県医師会奨励賞受賞。
著書に、『腎臓の病気とその研究』(新潟日報事業社、2003年)など。