第19回「大学と科学」ここまで進んだ日米の都市地震防災
岩田 知孝(イワタトモタカ)
京都大学防災研究所教授
1989年京都大学大学院理学研究科地球物理学科博士後期課程修了。日本学術振興会特別研究員を経
て、2004年より現職。
専門は強震動地震学。最近は震源と地下構造のモデル化および強震動予測手法の開発に興味をもつ。
著書に、『防災学ハンドブック』(共著、朝倉書店)、『地震がわかる』(共著、朝日新聞社)、『THE 地震展』(共著、読売新聞)。

岡田 憲夫(オカダノリオ)
京都大学防災研究所教授。工学博士。
1972年京都大学大学院修士課程修了。京都大学工学部助手、同大学教授を経て、91年より現職。カナダ・ウォータールー大学併任教授、カナダ・ウォータールー大学名誉工学博士、中国北京師範大学客員教授、中国東北師範大学名誉教授、中国重慶交通学院名誉教授など兼務。またこの間、国土庁・国土交通システム・リダンダンシィ委員会委員長、国土交通省国土管理情報委員会委員長、日本学術会議社会環境工学研究委員会委員などを歴任。現在は、土木学会土木計画学委員長、International Risk Governance Council(Science and Technology Committee)委員なども務めている。
専門は土木計画学、社会システム工学、リスクマネジメント。
著書に、『21世紀の都市と計画パラダイム』(丸善)、『リスク学事典』(リスク研究学会編、TBS ブリタニカ)、『地域からの挑戦―鳥取県・智頭町の「くに」おこし― 』(岩波書店)、『防災学ハンドブック』(京都大学防災研究所編、分担執筆、朝倉書店)、『防災事典』(日本自然災害学会監修、分担執筆、築地書館)など。

沖村  孝(オキムラタカシ)
神戸大学都市安全研究センター教授。
1967年神戸大学工学部土木工学科卒業。69年同大学大学院工学研究科修士課程修了。69年神戸市、71年神戸大学工学部付属土地造成工学研究施設助手、77年同講師、84年同助教授、95年神戸大学工学部教授を経て、96年より現職。
専門は地盤工学、水文学、地形工学。特に、斜面崩壊の予知・予測に興味をもつ。
1995年砂防学会論文賞、99年地盤工学会功労章、2004年兵庫県防災功労者表彰受賞。
著書に、『Slope Stability』(共著、John & Wiley)、『兵庫県南部地震と地形災害』(共著、古今書院)、『地盤工学』(共著、森北出版)。

小谷 俊介(オタニシュンスケ)
千葉大学工学部デザイン工学科教授。Ph.D.。
1966年東京大学工学部建築学科卒業、73年イリノイ大学大学院土木工学科博士課程修了。同年イリノイ大学土木工学科客員研究助教授、75年トロント大学土木工学科助教授、77年同大学副教授、79年東京大学工学部建築学科助教授、93年同大学教授を経て、2003年より現職。東京大学名誉教授。
専門は鉄筋コンクリート構造、建築耐震構造、振動工学。
1990年社団法人日本建築学会賞(論文)、96年社団法人プレストレスト・コンクリート技術協会賞(論文賞)受賞。
著書に、『阪神・淡路大震災調査報告 第1巻 鉄筋コンクリート構造』(分担執筆、日本建築学会)、『多次元入力地震動と構造物の応答』(分担執筆、日本建築学会)、『鉄筋コンクリート構造の設計― 学びやすい構造設計― 』(分担執筆、日本建築学会)。

鏡味 洋史(カガミヒロシ)
北海道大学大学院工学研究科教授
1966年東京工業大学理工学部建築学科卒業。東京工業大学理工学部助手、北海道大学工学部助教授、同大学教授を経て、97年より現職。
専門は地震工学、都市防災学。特に、地域地震入力評価。最近は同評価に基づく地域防災に興味をもつ。
1989年日本建築学会賞(論文)受賞。
著書に、『現代建築防災工学』(共著、オーム社)、『Earthquake Motions and Ground Motions』(共著、日本建築学会)、『阪神・淡路大震災災害調査報告 共通編3都市安全システムの機能と体制』(編集、分担執筆、日本建築学会)、『地震防災の事典』(編集、分担執筆)など。

壁谷澤寿海(カベヤサワトシミ)
東京大学地震研究所教授。工学博士。
1976年東京大学工学部建築学科卒業、78年同大学大学院修士課程修了。大成建設株式会社、東京大学助手、横浜国立大学助手、同大学助教授を経て、96年より現職。
専門は耐震工学、地震工学、建築構造、鉄筋コンクリ−ト構造、耐震診断・補強。
1989年日本建築学会奨励賞受賞。
著書に、『鉄筋コンクリ−ト建物の終局型耐震設計法』(分担執筆)、『鉄筋コンクリ−ト造建物の靭性保証型耐震設計指針・同解説』(分担執筆)、『2001年改訂版 既存鉄筋コンクリ−ト造建築物の耐震診断基準同解説』(分担執筆)、『鉄筋コンクリ−ト造建物の耐震性能評価指針(案)・同解説』(分担執筆)。

亀田 弘行(カメダヒロユキ)
京都大学名誉教授、防災科学技術研究所客員研究員
1968年京都大学大学院工学研究科博士課程修了。京都大学工学部助教授、同大学防災研究所教授、防災科学技術研究所地震防災フロンティア研究センター長を経て、2004年より現職。
専門は耐震工学、ライフライン地震工学、都市地震防災、防災GIS。
1970年土木学会論文賞、97年IASSAR 賞など受賞。
著書に、『新体系土木工学 確率・統計解析』(共著、土木学会編、技報堂出版)、『新鉄道システム工学』(編著、山海堂)、『動的解析と耐震設計』(分担執筆、土木学会編、技報堂出版)、『土木構造物の診断』(編著、山海堂)など。

川島 一彦(カワシマカズヒコ)
東京工業大学大学院理工学研究科教授。工学博士。
1970年名古屋大学土木工学科卒業、72年同大学大学院修士課程修了、80年工学博士取得(名古屋大学)。72年建設省土木研究所振動研究室研究員、84年同研究所耐震研究室長、94年同研究所企画部地下開発研究官を経て、95年より現職。
専門は耐震工学。
1981年土木学会論文奨励賞、91年土木学会田中賞、94年建設大臣表彰、95年土木学会吉田賞受賞。
著書に、『地下構造物の耐震設計』(鹿島出版会)、訳書に、『免震設計入門』(鹿島出版会)、『橋梁の耐震設計と耐震補強』(技報堂)。

河田 惠昭(カワタヨシアキ)
京都大学防災研究所所長、同研究所教授、阪神・淡路大震災記念人と防災未来センター長(兼務)
1969年京都大学工学部土木工学科卒業、74年同大学大学院工学研究科博士課程土木工学専攻修了。京都大学防災研究所助手、同研究所助教授を経て、93年より同研究所教授、96年同研究所巨大災害センター長、2005年より同研究所所長。この間、米国ワシントン大学客員研究員(81年10月〜82年10月)、フルブライト上級研究員(米国プリンストン大学、92年8月〜11月)、2002年より阪神・淡路大震災記念人と防災未来センター長を兼務。
専門は巨大災害、都市災害、総合減災システム、河川・海岸災害、危機管理論。
1993年土木学会論文賞、94年日本自然災害学会学術賞、2002年、兵庫県防災功労者表彰受賞。
著書に、『防災学ハンドブック』(共著、朝倉書店)、『自然災害の危機管理』(ぎょうせい)、『リスク学事典』(共著、TBS ブリタニカ)、『海岸施設設計便覧』(共著、土木学会)、『水循環と流域環境』(編著、岩波書店)、『大震災以後』(共著、岩波書店)、『土木工学ハンドブック』(共著、土木学会)、『海底地盤』(共著、地盤工学会)、『地球温暖化の沿岸影響』(共著、土木学会)、『都市大災害』(近未来社)、『地域防災計画の実務』(共著、鹿島出版会)。

Kenneth Clarke Topping(ケネスクラークトッピング)
トッピング・アソシエイツ・インターナショナル代表取締役、カリフォルニア工業技術大学講師
1956年レッドランズ大学社会学部卒業、72年カリフォルニア州立大学ロサンジェルス校行政学部修士課程修了。カリフォルニア州サンベルナディーノ郡計画部長(73〜82年)、同郡環境土木局副局長(82〜86年)、ロサンジェルス市計画局長(86〜90年)、トッピング・ジャックスコンサルタンツ代表(91〜97年)、カンブリア行政組合事務総長(97〜2001年)を経て、01年よりトッピング・アソシエイツ・インターナショナル代表取締役、04年4月よりカリフォルニア工業技術大学講師。この間、米国科学財団研究プロジェクト「阪神・淡路大震災及びノースリッジ地震における災害後の再開発研究課題」研究代表者(98〜04年7月)、京都大学防災研究所巨大災害研究センター客員教授(02年4月〜04年3月)を務める。
専門は都市計画・都市経営。特に、防災および復興過程における都市計画の役割の研究。最近は地域密着型防災および復興の効果(日本における“まちづくり”活動)に興味をもつ。
著書に、『The Marikina Safety Program: A Comprehensive Earthquake Disaster Reduction Program and Action Plan』((Joint work)Earthquake Disaster Mitigation Center(EDM-NIED), Kobe, March 2004)、『Post-Disaster Redevelopment: Lessons from Kobe and Northridge Final Report』((Joint work)Nation Science Foundation:Award No. CMS-9730137, July 2003)、『Planning
for Post-Disaster Recovery and Reconstruction. Federal Emergency Management Agency(FEMA)and American Planning Association(APA)』((Joint work)Planners Advisory Service( PAS) Report 483/484. Chicago, Illinois: December 1998)、『“Urban Planning During Rebuilding: The Machizukuri Experience.” The Great Hanshin-Awaji Earthquake: Assessment Reports of the Global Assessment of Earthquake Countermeasures,Volume 5.』( Hyogo Prefectural Government,Committee for Global Assessment of Earthquake Countermeasures,April 2000)、『Honors ? Member, College of Fellows, American Institute of Certified Planners( FAICP)』( American Planning Association, national recognition for distinguished professional service, April2000)。

佐藤 忠信(サトウタダノブ)
早稲田大学理工学術院客員教授、京都大学名誉教授
1974年京都大学大学院工学研究科博士課程修了。京都大学防災研究所助手、同研究所助教授、同研究所教授を経て、2005年3月京都大学を退職後、2005年4月より現職。
専門は地震工学、ライフライン地震工学、地盤動力学、構造ヘルスモニタリング、構造信頼性解析。
発表論文総数は374編。
1993年土木学会論文賞受賞、2005年。上級研究賞受賞(構造物の安全性と信頼性に関する国際委員会)。2004年地盤工学会功労章受章。
著書に、『動的解析と耐震設計法2動的解析の方法』(分担執筆、土木学会編、技報堂出版)、『地震と都市ライフライン』(分担執筆、都市防災と環境に関する研究会編、京都大学出版会)、『地域防災計画の実務』(分担執筆、京都大学防災研究所編、鹿島出版会)、『防災学講座2地震災害論』(分担執筆、京都大学防災研究所編、山海堂)、『防災学辞典』(分担執筆、日本自然災害学会監修、築地書店)、『防災学ハンドブック』(分担執筆、京都大学防災研究所編、朝倉書店)、『新領域土木工学ハンドブック』(分担執筆、朝倉書店)。

佐藤 弘之(サトウヒロユキ)
内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(地震・火山対策担当)付参事官補佐
1993年京都大学大学院工学研究科修了。同年国土庁入庁、国土庁土地局、同庁防災局、防衛庁運用局、建設省都市局、国土交通省国土計画局を経て、2004年より現職。

鈴木 祥之(スズキヨシユキ)
京都大学防災研究所教授
1972年京都大学大学院工学研究科博士課程単位修得退学。京都大学防災研究所助手、同研究所助教授を経て、99年より現職。
専門は耐震工学。特に、建築物の耐震信頼性設計法、制震構造システム。最近は伝統構法木造建物の耐震性と耐震補強に興味をもつ。
1990年日本建築学会賞(論文賞)、2003年計測自動制御学会論文賞受賞。
著書に、『伝統構法を生かす木造耐震設計マニュアル―限界耐力計算による耐震設計・耐震補強設計法― 』(編著、学芸出版社)。『木造都市の設計技術』(共著、コロナ社)。

中川 和之(ナカガワカズユキ)
時事通信社Web 編集部次長
1981年日本大学芸術学部放送学科卒業。同年時事通信社入社社会部配属、83年同社名古屋支社、87年同社社会部科学班、98年神戸総局などを経て、2002年より現職。
災害情報、災害時の生活再建支援、災害ボランティア、地震・火山の基礎知識の普及啓発に興味をもつ。
著書に、『大震災を生き抜く』(編集・共著、時事通信社)、「生活支援の政策展開」(『都市政策論集第19集』、共著、神戸都市問題研究所編)、「「くらし」を取り戻す災害救助体系の確立を」(『季刊「都市政策」第99号』、共著、神戸都市問題研究所編)など。

中島 正愛(ナカシママサヨシ)
京都大学防災研究所教授、(独)防災科学研究所兵
庫耐震工学研究センター長(兼務)。Ph.D.。1975年京都大学工学部建築学科卒業、81年米国ペンシルバニア州リーハイ大学大学院土木工学専攻博士課程修了。建設省建築研究所、神戸大学工学部環境計画学科を経て、2000年より現職。
専門は耐震工学。特に、鋼構造建物の地震応答、崩壊予測、耐震設計にかかわる解析・実験や、大型構造物地震応答再現実験法の開発に従事。
1991年日本建築学会奨励賞(論文)、97年日本建築学会論文賞、2000年米国土木学会モイセイエフ賞、99年、2000年、04年日本鋼構造協会論文賞受賞。
著書に、『鉄骨構造学詳論』(共著、丸善)、『Constructional Steel Design − An International Guide』(共著、Elsevier )、『Earthquake Engineering from Engineering Seismology to Performance-Based Engineering』(共著、CRC Press)。

濱田 政則(ハマダマサノリ)
早稲田大学理工学術院教授。工学博士。
1966年早稲田大学理工学部土木工学科卒業、68年東京大学大学院工学研究科修士課程修了、80年工学博士取得(東京大学)。大成建設株式会社、東海大学海洋学部教授を経て、94年より現職。社団法人土木学会次期会長(2005年〜)、日本学術会議会員(2005年〜)。
専門は地震防災工学。
1978年土木学会論文奨励賞、86年土木学会論文賞、2003年、04年日本ガス協会論文賞受賞。
著書に、『新体系土木工学と耐震設計 第1巻 数値計算法』(共著、技報堂出版)、『地盤工学・事務シリーズ13地盤・基礎構造物の耐震設計』(編著、地盤工学会)。

林  春男(ハヤシハルオ)
京都大学防災研究所巨大災害研究センター長、同研究所教授
1974年早稲田大学文学部心理学科卒業、79年同大学大学院博士課程修了、同年フルブライト留学生としてカリフォルニア大学ロスアンジェルス校(UCLA)大学院博士課程に留学、83年同校から博士号(Ph.D.)取得。弘前大学助教授、広島大学助教授、94年京都大学防災研究所地域防災システムセンター助教授を経て、96年より同研究所巨大災害研究センター教授、2005年より現職。
専門は社会心理学(災害時の人間行動、防災心理学、日系人の強制収容体験)。
著書に、『いのちを守る地震防災学』(岩波書店)、『率先市民主義』(晃洋書房)、「安全学の現在 村上陽一郎対談集」(『社会の安全学・震災後の危機管理』(p89-131)、青土社)、『災害ストレス−心をやわらげるヒント』(法研)、『日系人強制収容白書(全2巻)』(日本図書センター)、『自然災害の行動科学』(福村出版)、『災害と人間行動』(東海大学出版会)。

松田 彰洋(マツダアキヒロ)
社会福祉法人南郷町社会福祉協議会事務局長
1977年アレン短期大学英語英文学科卒業。社会福祉法人宮城県福祉事業団 身体障害者療護施設「宮城県杏友園」、同事業団特別養護老人ホーム「宮城県敬風園」にて介護業務に従事、その後、社会福祉法人ありのまま舎主任、同事務局次長を経て、現職。
専門はホームヘルプサービス概論、地域福祉活動論。

目黒 公郎(メグロキミロウ)
東京大学生産技術研究所都市基盤安全工学国際研究センター教授。工学博士。
1991年東京大学大学院工学系研究科土木工学専攻博士課程修了、91年工学博士取得(東京大学)。日本学術振興会特別研究員、東京大学助手、同大学助教授、2001年東京大学生産技術研究所助教授を経て、2004年より現職。IAEE(国際地震工学会)プログラムWSSI(世界安全推進機構)理事、日本自然災害学会評議委員、JICA プロジェクト「イラン国大テヘラン首都圏地震マイクロゾーニング調査」専門家アドバイザー委員会委員長などを兼務。
専門は都市震災軽減工学、防災戦略研究、構造物の動的破壊シミュレーション、都市ライフラインの災害対策、避難行動、リアルタイム地震防災、既存不適格構造物の耐震補強推進政策、地震予知情報の工学的活用、災害情報システム、次世代型防災マニュアルなど。
1992年土木学会論文奨励賞、93年日刊工業新聞技術・科学文化図書賞(大賞)、94年土木学会出版文化賞、2002年地域安全学会論文賞など受賞。
著著に、『被害から学ぶ地震工学― 現象を素直に見つめて― 』(共著、鹿島出版)、『都市デザイン―日本の産業システム8―(NTT 出版)、『地震のことはなそう(絵本)』(自由国民社)など。