日本美術品の保存修復と装コウ技術 その参
河上 繁樹(カワカミ シゲキ)
関西学院大学教授
1981年関西学院大学大学院文学研究科(美学専攻)修士課程修了。1981年より文化庁美術工芸課へ勤務、1990年京都国立博物館工芸室員、1991年学芸課主任研究官、1999年学芸課工芸室室長を経て2001年より現職。
専門は日本染織史。
著書・論文に『舞楽装束』(至文堂)、『織りと染めの歴史 日本編』(昭和堂)、「南宋絹織物にみる二、三の特色について」(『MUSEUM』464号、東京国立博物館編)、「豊臣秀吉の日本国王冊封に関する冠服について」(『学叢』20号、京都国立博物館編)などがある。

吉岡 幸雄(ヨシオカ サチオ)
「染司よしおか」主宰
1946年京都市生まれ。1971年早稲田大学第1文学部卒業。1973年美術図書出版「紫紅社」を設立、美術工芸関係の書籍を多数刊行。1985年生家「染司よしおか」の5代目を継承後、東大寺、薬師寺、法隆寺、伊勢神宮、石清水八幡宮など古い社寺の伝統行事の染織に多く携わる。
1991年「きもの文化賞」受賞。
編著書に『自然の色を染める』『日本の色辞典』(紫紅社)、『色の歴史手帖』(PHP研究所)、『日本の色を染める』(岩波書店)など多数。

藤井 健三(フジイ ケンゾウ)
元京都市産業技術研究所繊維技術センター研究部長
1946年生まれ。1970年京都市立芸術大学美術学部染織科専攻卒業。1972年京都市染織試験場にはいり、現在、染織技術史の専門家として活躍中。
著書に『近代の染織』(『日本の染織17』、京都書院)、『田村コレクション 女の装い三百年―江戸・明治・大正・昭和』(紫紅社)、共著に『Kyoto Modern Textiles Exhibition』などがある。

小笠原 小枝(オガサワラ サエ)
日本女子大学教授・東京国立博物館客員研究員
1941年愛媛県松山市生まれ。東京藝術大学美術学部芸術学科卒業。東京国立博物館客員研究員、日本女子大学助教授を経て現職。
共著書に『名物裂』(淡交社)、『中国刺繍』(フジアート出版)、著書に『染と織の鑑賞基礎知識』(至文堂)、「金襴」(『日本の美術』第220号(至文堂))などがある。

小田 榮一(オダ エイイチ)
春海商店主人
1929年大阪市生まれ。1953年慶應義塾大学文学部美学美術史学科卒業。古美術商(株)春海商店に入社、1970年同社代表取締役に就任。
日本陶磁協会理事、白鶴美術館理事、香雪美術館理事、大坂美術倶楽部取締役を兼職。
著書に『茶の掛物』(淡交社)、『茶碗の見方・扱い方』(世界文化社)、『花入名鑑』(毎日新聞社)、『形物香合』(淡交社)、『遠州と茶陶』(講談社)、『茶人・花押小辞典』(主婦の友社)など多数。
2004年逝去。

久米 康生(クメ ヤスオ)
和紙文化研究会代表
1921年徳島県生まれ。1943年東京帝国大学文学部中退。毎日新聞社在職中『手漉和紙大鑑』を編集し、30余部の和紙研究書を上梓。雄松堂出版顧問を経て現職。
1993年「日本・紙アカデミー賞」受賞。
著書に『和紙文化誌』(毎日コミュニケーションズ)、『手漉和紙精髄 ―ふるさとと歴史―』(講談社)、『造紙の源流』(雄松堂出版)、『和紙文化辞典』(わがみ堂)、『彩飾和紙譜』(平凡社)、『和紙 ―多彩な用と美―』(玉川大学出版会)など多数。

柳橋 眞(ヤギハシシン)
金沢美術工芸大学大学院専任教授
1934年生まれ。1963年東京芸術大学美術学部専攻科(芸術学)卒業。文化財保護委員会事務局の無形文化課から文化庁文化財保護部伝統文化課主任文化財調査官を経て、金沢美術工芸大学教授、のちに現職。
工芸史を専門とするが、特に和紙と漆工をライフワークとしている。
共著書に『手漉和紙大鑑』(毎日新聞社)、『日本の紙』、『文化財の虫菌害と保存対策』(文化財虫害研究所)、著書に『安部栄四郎・岩野市兵衛・石州半紙・本美濃紙』(講談社)、『雁皮紙』、『美濃紙』、『和紙 ―風土・歴史・技法―』(講談社)などがある。

宍倉 佐敏(シシクラ サトシ)
特種製紙株式会社研究所材料研究室兼資料館準備室員
1944年生まれ。1962年沼津市立高校卒業。1962年特種製紙株式会社入社、1963年同社研究部に勤務、1995年より女子美大学版画・日本画教室特別講師。1999年8月より現職。
主な論文に「和紙原料の研究(三椏・雁皮・楮・麻類・竹・藁と茎幹)」、「世界の製紙用木材繊維」、「百万塔に使われた紙」、「古代布の繊維と紙用繊維」などがある。

稲葉 政満(イナバ マサミツ)
東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻助教授
1953年生まれ。1980年東京大学大学院農学系博士課程修了。岐阜大学農学部助手、東京芸術大学助手、講師を経て現職。
共著書に『和紙の手帖・』(全国手すき和紙連合会)、『記録史料の保存と修復』(アグネ技術センター)、『考古資料分析法』(ニュー・サイエンス社)、共訳書に『博物館の環境管理』(雄山閣出版)などがある。

町田 誠之(マチダ セイシ)
日本・紙アカデミー名誉会長、京都工芸繊維大学名誉教授、財団法人紙の博物館名誉顧問、理学博士
1913年京都府生まれ。京都帝国大学理学部卒業。京都工芸繊維大学教授に就任後、1960年正倉院蔵の紙の総合学術調査に参加。
1966年紙パルプ技術協会賞、1986年勲二等瑞宝章を受賞。1993年京都市文化功労者に選ばれる。
著書に『和紙の道しるべ』(淡交社)、『和紙文化』(思文閣出版)、『和紙と日本人の二千年』(PHP研究所)、『紙の科学』(講談社)、『和紙の伝統』(駸々堂出版)、『和紙がたり百人一首』(ミネルヴァ書房)、『和紙つれづれ草』(平凡社)など多数。

加藤 寛(カトウ ヒロシ)
独立行政法人東京文化財研究所伝統技術研究室長
1951年生まれ。1976年東京藝術大学大学院美術研究科漆芸専攻修士課程修了。1984年高知大学教育学部助教授、1990年東京国立博物館資料部資料第一研究室長、1998年東京国立文化財研究所修復技術部第一修復研究室長を経て、2001年より現職。
著書に「硯箱の形式」(『日本の美術』No.424、至文堂)など多数。

宮田 亮平(ミヤタ リョウヘイ)
東京藝術大学美術学部長・工芸科教授
1945年生まれ。1972年東京藝術大学大学院鍛金専攻修了。
1979年第18回「日本現代工芸美術展」文部大臣賞、1981年第13回「日展」特選、1999年朝日「海とふれあい賞」朝日新聞社ほか受賞多数。

山岡 健八(ヤマオカ ケンヤ)
株式会社「道明」取締役社長
1960年生まれ
1989年米カリフォルニア大学博士課程修了(数学専攻)
1990年株式会社「道明」に入社、
1992年同社取締役社長となる。