脳を知る・創る・守る・育む 10
開会挨拶
伊藤 正男   NPO法人脳の世紀推進会議・理事長

1章 特別講演
人間形成と脳   
遠山 敦子  (財)松下教育研究財団理事長
はじめに/人間形成の目標は何か/人間の発達の過程/日本社会の急激な変化/世界情勢の変化/
これからの人材育成、人間形成/知育……その一/知育……その二/知育……その三/
「こころを育む」ことの重要な時代/「こころを育む総合フォーラム」の創設/
こころを育むには/脳科学への期待

2章 脳を知る
神経細胞の形をつくる仕組み   
貝淵 弘三   名古屋大学大学院医学系研究科・教授
神経細胞とシグナルの流れ/神経細胞は極性化している/軸索と樹状突起の運命決定の過程/
神経細胞の極性化をつかさどる分子/CRMP-2の機能/CRMP-2の局在部位/
神経細胞の極性化と軸索輸送/神経細胞の極性化を制御するシグナル伝達機構/神経成長因子受容体輸送モデル

3章 脳を創る
電子回路でつくる人工ニューロン
河野  崇   東京大学生産技術研究所・准教授
ニューロモルフィックハードウエアとは/シリコンニューロンとは/イオンチャネルに基づいた神経モデル/
縮小モリスムリカーモデル/縮小MムLモデルの位相平面……クラス?/
縮小MムLモデルの位相平面……クラス?/数理モデルに基づいて設計したシリコンニューロン/
大規模ネットワークの実現に向けて/まとめ

4章 脳を守る
脳を休ませる仕組み
内山  真   日本大学医学部精神医学系・教授
脳を休めないとどうなるか/不眠と生活習慣病/脳が休む仕組みは二つある/なぜ眠るのか/
疲れたから休む仕組み/睡眠の深い浅いとは/使った脳部位はよく眠る/
睡眠不足で眠くなるメカニズム/夜になったら休む仕組み/体内時計を壊すと昼夜のメリハリが消失/
リズム障害は体内時計の遅れ/脳はうまく休むともっと働く

5章 脳を育む
シナプスの刈り込みと神経回路発達
狩野 方伸   東京大学大学院医学系研究科・教授
発達期の大脳皮質の可塑性/シナプスの密度の発達にともなう変化/大人の脳の可塑性/
小脳皮質の神経回路/登上線維シナプスの刈り込み/一本の登上線維の選択的強化/
シナプス間隙の伝達物質濃度の評価/刈り込みの分子機構/mGluR1カスケードはどこで働くか/
成熟小脳におけるシナプスの維持

閉会挨拶
津本 忠治   (独)理化学研究所脳科学総合研究センター津本研究ユニット・ユニットリーダー