京博が新しくなります
開会挨拶
佐々木丞平

 今、一年のうち一番寒い時期です。その寒いなかをたくさんの方々にお集まりいただき御礼申し上げます。
 京都国立博物館はこの秋、新館がオープンします。これを機に、私どもの活動がどのような方向に向かうのか、京都国立博物館全体はどのように新しくなるのかを知っていただくために、このシンポジウムを開催させていただくことにしました。
 国立の施設というと、なんとなく暗い、敷居が高い、どうしても足が遠のく、敬遠したいといったイメージをお持ちではないでしょうか。このイメージを改めるための一つの契機として、独立行政法人に組織替えをしました。一三年前です。今、私ども京都国立博物館は独立行政法人国立文化財機構の一つの機関として活動しております。この独立行政法人は、ざっくばらんにいうと、国立機関といっても大半の経費が皆様の税金で賄われていますので、そのことを強く意識して、税金の無駄使いをなくし、少しでも経費節減のため日々努力しよう、そのためには少しでも収入を上げていこうという制度です。それによって皆様の税金の負担をわずかでも減らしていこうということです。しかし、ただ稼げばよいということではありません。
 国立博物館も独立法人化を契機にずいぶんかわりました。敷居が前より低くなった、行きやすくなったともいわれるようになりました。このことは、独法化を転機に新たな方向で活動していることの表れではないかと思っております。
 そして、京都国立博物館はこのたび新館の開館を大きな転機として、さらによりよく、皆様に親しんでいただける博物館にしていきます。この決意をご理解いただくことを意図いたしまして、本シンポジウムを企画開催することにいたしました。当初、開館は二〇一四年三月の予定でしたが、よりよい環境を整えることを最優先して九月に開館することにいたしましたので、今暫くお待ちいただき、オープンの際には是非お越しいただいて、これまで以上に京都国立博物館をご支援いただきたいと思っております。
 今日は長丁場になりますが、最後までお聞きいただければと思います。開会にあたり、一言ご挨拶させていただきました。ありがとうございました。