元興寺文化財研究所 創立40周年記念論文集
|
はじめに―報告を兼ねて感謝― 辻村 泰善 序 坪井 清足 ◇保存科学領域◇ 保存処理に用いる薬剤の相互作用について―接着剤に注目して― 川本 耕三 はじめに 1.出土金属器 2.土器(埴輪) 3.民具(木質材料) 4.考察 重要文化財那比新宮信仰資料懸仏の蛍光X線による分析について―形態分類と保存処理― 石井 里佳 はじめに 1.懸仏の形態分類と変遷傾向の分析 2.蛍光X線による分析 3.懸仏収蔵環境調査と保存処理方法について おわりに 膠について―文化財保存修復からのアプローチ― 山内 章 はじめに 1.市販の膠 2.昔の膠は良かった? 3.世界のいろいろな膠 4.板絵彩色の剥落止め処置で用いる膠 5.膠を使うさまざまな仕事 6.ニベ膠の生産 おわりに 建築塗装材料である赤色顔料に関する一調査例―宇治白山神社境内廃棄の紀年銘墨書部材に塗装された赤色顔料― 北野 信彦 はじめに 1.調査対象の建造物部材 2.地域の概要と調査対象資料を取り巻く歴史的環境 3.建造物部材の外観塗装材料である赤色顔料の調査 4.考察 5.まとめと今後の課題 出土漆の劣化について―保存処理薬剤が及ぼす影響― 植田 直見 はじめに 1.出土漆製品の保存処理における問題点 2.出土漆膜の劣化状態の調査 3.保存処理薬剤の漆膜への影響 さいごに 古墳時代の漆工技術に関する基礎的研究 藤田 浩明 はじめに 1.調査資料の概要 2.調査方法 3.調査結果 4.考察 おわりに 福島県須賀川市長沼南古舘出土木製品の保存処理とその後の状況について―「修羅」を中心として― 伊藤 健司 はじめに 1.長沼南古舘発掘調査の成果 2.「修羅」について 3.保存処理の概要 4.「修羅」の保存処理 5.保存処理後の経年調査結果について 6.今後の課題 おわりにかえて 文化財危機管理考 村田 忠繁 はじめに 被災文化財の救済 パトロール レスキュー 修復 水損資料の対応 防災への取り組み―文化財防災サミット― 文化財救援の新たな動き 危機管理における役割 おわりに ◇人文科学領域◇ 呪符釈 木下 密運 元興寺の物忌札 七目の呪符 一切日皆善 古代・中世における元興寺領荘園の実態をめぐって―初期荘園の愛智荘を中心に元興寺諸荘園の存否によせて― 奥野 義雄 はじめに 第1章 元興寺領初期荘園・愛智荘の破綻の視点から編成・再編期の視座へ 第2章 再編期以後の愛智荘の存在 第3章 古代・中世の元興寺領荘園の素描 結びにかえて 8〜9世紀の経典書写と転輪聖王観 稲城 正己 はじめに 1.長屋王の願文(1)―和銅経 2.長屋王の願文(2)―神亀経 3.聖武の世界秩序 4.聖武・孝謙と転輪聖王 5.称徳をめぐる世界秩序 6.9世紀の転輪聖王観(1)―空海の場合 7.9世紀の転輪聖王観(2)―清和をめぐって おわりに 下御門大仏師をめぐって 高橋 平明 近世大和における富士信仰と富士講―南都の事例を中心に― 山形 隆司 はじめに 1.近世大和における富士信仰の広がり 2.近世初期における大和からの富士登山について 3.近世大和における「冨士講」の展開 おわりに 古典にみる「組」の周辺と楚の組紐 小村 眞理 はじめに 1.古典にみる「組」の周辺 2.楚の組紐 3.考察 ◇考古学領域◇ 古墳時代の横櫛 木沢 直子 はじめに 1.研究史と問題点の整理 2.出土事例の詳細 3.古墳時代における横櫛の様相 4.結語 おわりに 土師器使用土器棺について―近畿地方を中心とした検討― 角南 聡一郎 はじめに 1.研究史とその問題点 2.近畿地方の土師器使用土器棺 3.各地での分布と様相 おわりに 古墳時代鉄鉾の袋部について 藤井 章徳 はじめに 1.鉄鉾の分類(図1) 2.鉄鉾袋部の時間的変遷 3.武装としての鉄鉾の評価 4.結語 考古学からみた中世都市奈良における葬送空間の変遷 佐藤 亜聖 はじめに 1.奈良〜平安時代の平城京域における葬送空間 2.中世都市奈良の成立と墓 3.鎌倉時代の葬送空間(図3) 4.都市民の成長と変質する墓地 おわりに 大和における中世墓の諸相 狭川 真一 はじめに 1.堂内納骨 2.土葬墓の傾向 おわりに 建築・考古雑集 坪井 清足 1.出雲大社心御柱覆屋説 2.戦争中の発掘調査 3.掠奪考古学 4.唐招提寺の鴟尾について 5.碑林展示の石牛寺石灯篭隅木と降陳端部 ◇研究余禄◇ 坂田俊子さんの功績―初代保存科学研究室長、坂田俊子さんのご逝去を悼む― 増澤 文武 舟形五輪塔の変容 藤澤 典彦 これからの記録資料保存の焦点 金山 正子 科学の眼もデジタルへ―デジタル近赤外線撮影法― 大久保 治 図書館・博物館の環境調査について 井上 美知子 象嵌資料研究における参考資料の提供 尾崎 誠 奈良町の守り神 岡本 広義 21世紀保存科学の方向性 塚本 敏夫 ◇付記◇ 職員名簿/研究所40年の歩み/執筆者一覧 |