文化財の保存と修復 10−博物館の役割と未来
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基調講演:ユネスコを中心とした文化財保護の世界の動向 プロパティからヘリテージへ 東京国立博物館 佐藤 禎一 はじめに/ユネスコを巡る文化政策の流れ/プロパティからヘリテージへ/世界遺産条約/世界遺産リストへの登載要件/産業遺産をめぐる認識/危機リスト/提案数のシーリング/水中遺産条約/無形遺産条約/文化多様性条約/おわりに 基調講演:総合科学としての保存科学を備える 博物館の新たなイメージ 九州国立博物館 三輪 嘉六 博物館の現状/九州国立博物館の場合/博物館科学体制の組織化/免震装置の導入/ 環境による博物館資料(文化財)の保存/収蔵庫の取り組み/修復工房の取り組み/まとめ 博物館の使命と臨床保存学 博物館環境のマネジメント 東京国立博物館 神庭 信幸 文化財の保管と公開/文化財保存修復学の使命/臨床保存学の使命/臨床家としての臨床保存修復士/臨床保存学の実践/収蔵庫内の環境管理/対症修理 修理技術の推移・向上、人材育成 修理所の使命 京都国立博物館 森田 稔 修理の歴史/修理の担い手/文化財保護の歴史/京都国立博物館修理所設置の背景/九州国立博物館の修理施設体制/まとめ 東京文化財研究所の研修からみた現状 保存担当学芸員が担う役割 東京文化財研究所 三浦 定俊 保存担当学芸員は保存修復の専門家か/研修受講生からみた保存担当学芸員の現状/保存・修復にはどんな仕事があるか/保存担当学芸員の仕事/まとめ 臨床保存を支える対症修理 保存修復へのアクセス 東京国立博物館 土屋 裕子 アクセスとは/アクセスと修理保存・臨床保存/東京国立博物館の臨床保存への取り組み/対処修理例……その1/対処修理例……その2/臨床保存へのアクセス/今後の課題 みんぱくのIPM 生物被害を未然に防ぐ 国立民族学博物館 日高 真吾 はじめに/民博における生物被害対策の予防活動/民博における生物被害対策の早期発見・早期処理の体制/まとめ 東北歴史博物館における資料保存活動 県立博物館での挑戦 東北歴史博物館 及川 規 はじめに/東北歴史博物館について/出土遺物の保存処理/保存環境調査・管理/木材揮発成分に関する調査/おわりに パネルディスカッション 博物館の役割と今後の展望 コーディネーター 西浦 忠輝 市民と共生する博物館を目指す/九州ならではのコンセプトを/展示するには修理が必要/文化財の保存・修復には哲学が必要/日本文化の世界への発信として/日本にはない担当の細分化/保存活動の教育と普及/生物被害を未然に防ぐ/他館との情報交換がたいせつ/独立行政法人化の光と陰……1/独立行政法人化の光と陰……2/独法化での問題は予算の削減/博物館における保存修復の昨今/保存科学専攻卒業生の受け皿づくりが急務/組織のなかで保存修復管理者を確立させるには/東北歴史博物館での保存科学担当者の位置づけ/他分野の学芸員との交流・連携を/おわりに |