ブレインサイエンス・レビュー2011
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はじめに (財)ブレインサイエンス振興財団理事長 伊藤 正男 7 序章 電子翻訳と科学誌の将来 千葉・柏リハビリテーション病院 川合 述史 13 シグナル分子の光制御技術と神経の形態形成 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 中田 隆夫 23 はじめに 1.植物等の光受容分子 1)Phototropin /2)Other LOV domain proteins / 3)Cryptochromes 4)Pytochromes /5)PAC 2.光制御分子の開発 3.神経細胞の極性形成と軸索伸長への応用 おわりに フローサイトメーターを用いた中枢神経の核ソーティング 九州大学大学院高等研究院 岡田 誠司 37 はじめに 1.研究の目的 2.方法と結果 1)組織からの核抽出/ 2)FACS による核のソーティング 3)核内転写産物と採取効率/ 4)GFP マウスからの核ソーティング 5)核内タンパク質に対する免疫染色と核ソーティング 6)各染色における抗体サイズと染色性 3.考 察 細胞内外因子による神経幹細胞のアストロサイト分化制御機構 奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科 中島 欽一 53 はじめに 1.細胞外因子および転写因子による神経幹細胞のアストロサイト分化制御 1)IL-6 ファミリーサイトカインによるアストロサイト分化誘導 2)LIF とBMP2 による相乗的アストロサイト分化誘導機構 3)Ngnによるアストロサイト分化抑制作用 2.エピジェネティクス機構による神経幹細胞のアストロサイト分化制御 1)DNA メチル化によるアストロサイト分化制御機構 2)ヒストンアセチル化による神経幹細胞の分化制御機構 3.レチノイン酸シグナルのヒストンアセチル化亢進作用による アストロサイト分化促進機構 1)レチノイン酸シグナル/ 2)RA によるLIF 誘導性アストロサイト分化の促進 3)RA とLIF による相乗的gfapプロモーター活性化におけるSTAT3 の重要性 4)RA とLIF による相乗的gfapプロモーター活性化におけるRARE の重要性 5)RAシグナルによるヒストンアセチル化亢進とSTAT3のgfapプロモーターへの結合変化 6)HDAC 阻害剤による神経幹細胞のアストロサイト分化促進 おわりに 小胞型ヌクレオチドトランスポーター(VNUT)の構造と機能 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 森山 芳則 71 1.小胞型神経伝達物質トランスポーター 2.追求の歴史 3.In vitro 再構成法 4.VNUT の同定 5.VNUT の輸送特性 6.VNUT とプリン作動性化学伝達 7.これからの展開 小脳皮質形成メカニズムの解明をめざして: プルキンエ細胞の移動と配置の過程に関する新知見 名古屋大学大学院医学系研究科 宮田 卓樹 91 はじめに 1.背 景 1)小脳形成の概観/ 2)リーラーマウスとその小脳 3)生後の小脳形成はプルキンエ細胞の配置に基づいて進む 4)リーリンの機能についてのこれまでの理解 5)プルキンエ細胞は放射状に移動するという考え 2.計画・方法 1)アデノウイルスによる幼若プルキンエ細胞の形態描写 2)スライス培養下のライブ観察による幼若プルキンエ細胞の動態把握 3.結果と考察 1)正常マウスとリーラーマウスの小脳におけるプルキンエ細胞の 移動様式の概観(抗Lhx1/5 免疫染色による比較) 2)幼若プルキンエ細胞は接線方向に移動する 3)幼若プルキンエ細胞は早期に軸索を形成し始める 4)プルキンエ細胞が層形成開始のために示すリーリン依存的な「方向転換」行動 おわりに 視床皮質軸索の枝分かれ形成の制御機構 大阪大学大学院生命機能研究科 山本 亘彦 111 はじめに 1.視床皮質投射の発生と可塑性 2.層特異的な視床皮質軸索の枝分かれ形成 3.層特異的な成長や枝分かれを制御する分子機構 4.視床皮質軸索の枝分かれ形成の神経活動依存性 5.シナプス前後の神経活動の役割 6.枝分かれ形成における層特異性と神経活動の相互作用 おわりに 匂いやフェロモンの化学感覚と行動 東京大学大学院農学生命科学研究科 東原 和成 127 はじめに 1)匂いとは?/ 2)フェロモンとは? 1.匂い・フェロモンの受容体 1)哺乳類嗅覚受容体/ 2)鋤鼻フェロモン受容体/ 3)昆虫嗅覚受容体 2.受容体のリガンド認識機構 1)哺乳類嗅覚受容体/ 2)昆虫化学感覚受容体 3.行動を制御する匂いやフェロモンとその受容体 1)カイコの性行動/ 2)カイコの桑への誘引/ 3)マウスの性行動 おわりに マウス低酸素- 脳虚血負荷後の神経細胞死の遺伝学的検討 順天堂大学医学部神経生物学・形態学講座 小池 正人 149 はじめに 1.新生仔低酸素-脳虚血負荷モデルにおけるアポトーシスの寄与 1)野生型マウスを用いた検討 2)カスパーゼ‐3 、CAD 遺伝子欠損マウスを用いた遺伝学的検討 2.新生仔低酸素-脳虚血負荷モデルにおけるオートファジーの誘導 1)オートファジーとは/2)オートファジーと細胞死 3)脳虚血負荷とオートファジー 3.神経系特異的オートファジー不能マウスを用いた検討 1)オートファジー不能マウス 2)神経系特異的オートファジー不能マウスにおける虚血耐性 4.成獣における低酸素‐ 脳虚血負荷後の神経細胞死のメカニズム 5.低酸素-脳虚血負荷後の神経細胞死に関与する核酸分解酵素 社会性昆虫の仲間識別の神経基盤:アリの仲間識別感覚と一次中枢 神戸大学大学院理学研究科 尾崎 まみこ 169 はじめに 1)昆虫の社会性/ 2)個体行動と社会性/ 3)アリの巣仲間識別研究の新展開 1.仲間識別のための化学標識 1)フェロモンを介したケミカルコミュニケーション 2)コロニー固有の化学標識 3.仲間識別に関与する感覚器 1)炭化水素感覚子の構造/ 2)多数の受容神経細胞搭載の意味 4.炭化水素受容機構と仲間識別 1)受容器周辺問題/ 2)仲間識別感覚器の情報フィルター機能 5.仲間識別感覚器から脳への神経投射 1)アリの触角葉/ 2)仲間識別感覚器から触角葉T6 領域へ 3)仲間識別の雌雄差 おわりに 遺伝性パーキンソン病発症の分子基盤 東北大学加齢医学研究所 今居 譲 185 はじめに 1.遺伝性パーキンソン病モデル動物 1)発症原因不明の疾患にどのように立ち向かうか? 2)若年性パーキンソン病原因遺伝子産物の解析 3)PINK1 結合分子PGAM5 2.遺伝性パーキンソン病研究は一般的なパーキンソン病の原因解明につながるか? 1)晩発性優性パーキンソン病原因遺伝子LRRK2 2)パーキンソン病に関する全ゲノム相関解析 3.パーキンソン病発症メカニズムの解明の鍵を握るLRRK2 分子 1)LRRK2 と小胞輸送/ 2)LRRK2 による4E-BP のリン酸化制御 3)LRRK2 によるmicroRNA 経路の制御 4)LRRK2 による転写因子FoxO の制御 おわりに ジストニアパーキンソニズムの分子病態 自治医科大学分子病態治療研究センター 池田 啓子 205 はじめに 1.ジストニア、ジストニアパーキンソニズムの病態と原因遺伝子 2.ナトリウムポンプ 3.ナトリウムポンプノックアウトマウスの解析 1)β2 サブユニット/ 2)α1 サブユニット 3)α2 サブユニット/ 4)α3 サブユニット 考 察 ハンチントン病の新規治療ターゲットの解明 東京大学大学院医学系研究科 岩田 淳 225 はじめに 1.UHRF-2 は核内ハンチンチンをユビキチン化し、その分解を促進する 2.UHRF-2 は細胞核内Httの分解を行う 3.UHRF-2 はpQ封入体に関連する 4.UHRF-2 は核内pQによる神経傷害に対しての抵抗に必須である 5.細胞核内の凝集タンパク質分解機構について 6.細胞核内pQ凝集タンパク質の分解機構としてのUHRF-2 7.UHRF-2 はpQ病の病態に深くかかわる 今後へ向けて 索 引 241 |