〈歴史の証人〉木簡を究める
はじめに 3  
奈良文化財研究所所長 松村 恵司


木簡を掘る 資料としての木簡、木簡の出土と整理 9
都城発掘調査部史料研究室長 渡辺 晃宏
はじめに・木簡とは 10  
一 なぜ木簡を使ったのか 11  
二 木簡の保存環境 15  
三 木簡はどんなはたらきをするのか 23  
四 木簡の取り上げ 35  
おわりに 41


木簡を探る 木簡が明らかにした歴史の諸相 43
都城発掘調査部史料研究室研究員 山本 祥隆
はじめに 44
一 木簡最大の功績?史書の〈ウソ〉を見破る 47
二 深まる歴史像?史書の記述を彩る 49
三 広がる歴史像?史書に残らぬ史実を語る 58
おわりに 66


木簡を読む 木簡の情報を読み取り記録する 69
都城発掘調査部史料研究室研究員 桑田 訓也
はじめに 70
一 木簡が持つ情報 70
二 木簡を読む手段 72
三 どのように記録するのか 75
四 木簡の読み方あれこれ 81
おわりに 86


木簡を広げる 古代以外の、さまざまな地域の木簡 87
都城発掘調査部主任研究員 山本 崇
はじめに 88
一 木製品 90
二 刻書と朱書 91
三 中世〜近世の木簡の特徴 96
四 木簡はゴミだけではない・仏教関係資料 101  
五 出土した木製品 108  
おわりに 110


木簡と文字 データベース、木簡の文字 111
都城発掘調査部史料研究室アソシエイトフェロー 井上 幸
はじめに 112  
一 データベースの普及 113  
二 使用文字の実態 118  
三 書き方の創意工夫と和製漢字へ 126  
おわりに・字形収集の広がりと可能性 130


木簡を伝える 木簡の科学的な分析、保存処理と伝来環境 133
埋蔵文化財センター保存修復科学研究室長 高妻 洋成
はじめに 134
一 木簡はなぜ残ったのか 136  
二 木簡を保存するために 140  
三 保管と展示 147  
おわりに 149


木簡研究の過去・現在・未来 質疑応答・自由討論 151
木簡解読支援のための字形検索に関する研究 152
木簡から古代律令国家の文書行政を復元する 158
木簡には一つひとつ個性がある 160
木簡に使われている樹種はなにか 163
樹種にも地方性がある 165
文字にも地方性がある 166
木簡の燃えかすも出土する 168
木簡は嘘つきか、正直か 171
卒塔婆・将棋駒は木簡か 173
木簡の定義を広くして資料収集を 175
文字のきれいな木簡・きたない木簡はどこのもの 178
歌木簡とは 181
「歌木簡」は存在するか 183
「此所不得小便」誰でも読めたか 186
日本では、なぜ竹簡が出土しないのか 189
韓国の木簡の特徴 191
発掘に最適の季節はあるか 193
保存体制を十分に整えてからの発掘調査が必須 195
発掘の失敗談は 199
日本史に最もインパクトを与えた木簡は 202
歴史を志す若い人たちへ 204