脳を知る・創る・守る・育む 6
伊藤 正男(いとう まさお)
(独)理化学研究所脳科学総合研究センター特別顧問
一九五三年東京大学医学部卒業。東京大学医学部教授、理化学研究所脳科学総合研究センター所長などを経て、現在に至る。
藤原賞、日本学士院賞・恩賜賞、日本国際賞、文化勲章、ロバート・ダウ神経科学賞(米国)、レジョン・ドヌール勲章、IPSEN財団賞(フランス)。日本学士院会員、王立スウェーデン科学アカデミー外国人会員、英国王立協会(ロイヤルソサエティ)外国人会員、ロシア科学アカデミー外国人会員、フランス科学アカデミー外国人会員。
著書に、『脳の不思議、脳のメカニズム、ニューロンの生理学』(岩波書店)、『脳の設計図』(中央公論社)
など多数。
専門分野は、脳神経生理学。抑制性シナプスのイオン過程の解析、小脳プルキンエ細胞の抑制作用の発見、小脳の運動学習機能の解明、シナプス可塑性長期抑制の発見。

加賀 乙彦(かが おとひこ)
作家。医学博士。
一九五三年東京大学医学部医学科を卒業。
東京拘置所医務部技官、東京医科歯科大学犯罪心理学教室助教授、上智大学文学部心理学科教授などを務めた後、七九年より創作に専念。
主な著書に『フランドルの冬』(新潮文庫、第十八回芸術選奨文部大臣新人賞)、『帰らざる夏』(講談社文芸文庫、第九回谷崎潤一郎賞)、『宣告』(中公新書、第十一回日本文学大賞)、『湿原』(新潮文庫、第十三回大仏次郎賞)、『永遠の都』(新潮文庫、第四十八回芸術選奨文部大臣賞、第二回井原西鶴賞)などがある。近著に『夕映えの人』(小学館)、『雲の都 第1部 広場』(新潮社)がある。
九九年には文学者としての功績により第五十五回日本芸術院賞を受賞、二〇〇〇年から日本芸術院会員。

澤口 俊之(さわぐち としゆき)
北海道大学大学院医学研究科脳科学専攻神経機能学講座機能分子学分野教授。理学博士。
一九八七年京都大学大学院理学研究科博士課程修了。
米国エール大学医学部リサーチフェロー、京都大学霊長類研究所助手、科学技術庁新技術事業団「さきがけ研究」兼任研究員、北海道大学文学部助教授を経て、九九年より現職。専門は認知脳科学。八八年ブレインサイエンス財団塚原賞(新人部門)受賞。著書に『知性の脳構造と進化』(海鳴社)、『「私」は脳のどこにいるのか』『わがままな脳』(筑摩書房)などがある。

藤澤 肇(ふじさわ はじめ)
名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻教授。理学博士、医学博士。
一九七一年京都大学大学院理学研究科博士課程修了。
京都府立医科大学助手、同講師、同助教授を経て、九〇年より現職。専門は神経科学。特に神経発生学。現在は神経ネットワーク形成に関心をもつ。九九年中日文化賞受賞。編著書に「Molecular Basis ofAxon Growth and Nerve Pattern Formation」『Taniguchi Symposia on Brain Science No. 20』(JapanScientific Societies Press, Tokyo, and S. Karger AG, Basel, 1997)などがある。

森 憲作(もり けんさく)
東京大学大学院医学系研究科教授
一九七四年大阪大学大学院基礎工学研究科修士課程卒業。
群馬大学医学部助手、同講師、大阪バイオサイエンス研究所第三研究部副部長、理化学研究所国際フロンティア研究システムグループディレクター、同脳科学総合研究センターグループディレクターを経て、九九年より現職。専門分野は、神経科学。

藤田 雅博(ふじた まさひろ)
ソニー(株)デジタルクリーチャーズラボラトリー主幹研究員、システムアーキテクト(兼任)。第1グループ統括課長。
一九八一年早稲田大学理工学部電子通信科卒業。
ソニー(株)入社後、University of California, Irvineに留学、ニューラルネットワークの研究によりMSEE取得。自律型ロボットの認識、行動制御、情動システム、学習、進化などの研究を行い、現在に至る。
二〇〇〇年日本機械学会ロボメカ部門技術貢献賞、映像情報メディア学会技術振興賞受賞。

塚田 稔(つかだ みのる)
玉川大学大学院工学研究科教授
一九七一年東北大学大学院工学研究科博士課程修了。
東北大学工学部助手、玉川大学工学部助教授などを経て、八五年より玉川大学工学部教授、現在に至る。一九九六.二〇〇〇年は玉川大学学術研究所脳科学研究センター長を務めた。また、〇二年には世紀COEプログラム「全人的人間科学プログラム」リーダー、日本神経回路学会総務理事、副会長、会長、顧問、Boil.Cybemetics,Neural Network Letter誌の編集委員も務めている。
生態情報工学、記憶と学習のモデルと実験、ダイナミック情報表現に興味をもち、専門分野は、生体情報工学や脳の情報表現など。

井原 康夫(いはら やすお)
東京大学大学院医学系研究科教授
一九七一年東京大学・医学部医学科卒業。
東京大学医学部附属病院第一内科研修医に。七五年には日本神経学会認定医(第四十三号)となる。米国ハーバード大学(Mailman Research Center,McLean Hospital)Research Associate(財)東京都老人総合研究所生理学部臨床第二生理研究室室長、東京大学医学部脳研究施設脳病理学部門教授などを経て、九七年より現職。
専門分野は、アルツハイマー病。

祖父江 元(そぶえ げん)
名古屋大学大学院医学系研究科神経内科教授
一九八一年名古屋大学大学院医学研究科修了。
名古屋大学第一赤十字病院臨床研修医、愛知医科大学第四内科講師などを務めた後、米国ペンシルベニア大学に留学、ペンシルべニア大学のAssistant professor,Dept.of Neurologyとなる。その後、愛知医
科大学第四内科助教授を経て、九五年からは名古屋大学医学部神経内科教授となる。

ヘンシュ 貴雄(へんしゅ たかお)
(独)理化学研究所脳科学総合研究センター臨界期機構研究グループディレクター、神経回路発達研究
チームリーダー。医学博士。
一九八八年米国ハーバード大学を卒業。
文部省奨学金研究生、HHMIフェローなどを経て、九六年に学位取得、理化学研究所脳科学総合研究センターの神経回路発達研究チームリーダーとなる。二〇〇〇.〇三年はニューロン機能研究グループディレクターを兼任し、〇三年より現職。
専門分野は、発達経験に依存して形成される大脳神経回路の機構と機能。