第10回「大学と科学」脳研究の最前線−遺伝子から知能へ−
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甘利 俊一(アマリ シュンイチ) 東京大学工学部教授。工学博士。昭和33年東京大学工学部応用物理学科(数理コース)卒業、昭和38年同大学大学院博士課程修了。九州大学工学部助教授、東京大学工学部計数工学科助教授を経て、昭和56年より現職。平成6年より理化学研究所国際フロンティア研究情報処理グループディレクターを兼務。これまで、回路理論、連続体力学、情報理論、学習およびパターン認識、神経回路網などを研究し、現在は、統計学、システム理論、情報理論などに共通の理論的基盤を与える情報幾何学を提唱し、これを建設中。日本学士院賞、電気通信学会論文賞、同学会米沢特別賞、国際AI財団AI学術賞などを受賞。著書に、『神経回路網の数理』(産業図書)、『バイオコンピューター』(岩波書店、講談社出版文化賞受賞)、『神経回路モデルとコネクショシズム』(東大出版会)、『情報幾何学の方法』(共著、岩波書店)、『Differental Geometrical Methods in Statistics』(Springer Lecture Notes in Statistis)など多数。 高橋 智幸(タカハシ トモユキ) 東京大学医学部脳研究施設脳生理部門教授。医学博士。昭和45年東京医科歯科大学医学部卒業。昭和50年同学部博士課程修了。京都大学医学部講師を経て、平成5年より現職。専門は、神経生理学。特にシナプス伝達修飾機構。 清水 孝雄(シミズ タカオ) 東京大学医学部生化学教室教授。医学博士。昭和48年東京大学医学部医学科卒業。昭和50年京都大学医学部医化学教室在籍。同教室助手、スウェーデン・カロリンスカ研究所客員研究員、東京大学医学部助教授を経て、平成3年より現職。専門は、生化学・分子生物学。細胞情報伝達、とくに神経伝達の調節機構を研究。昭和58年日本生化学奨励賞受賞。 狩野 方伸(カノウ マサノブ) 理化学研究所フロンティア研究システムシグナル伝達機能研究チーム・チームリーダー。医学博士。昭和57年東京医科歯科大学医学部卒業。昭和61年東京大学大学院医学系研究科第3種博士課程修了。自治医科大学助手、同大学講師を経て、平成7年より現職。専門は、神経生理学。現在は、小脳および大脳のシナプス可塑性に関心をもつ。 三品 昌美(ミシナ マサヨシ) 東京大学医学部薬理学教室教授。工学博士。昭和46年京都大学工学部工業化学科卒業。京都大学医学部助教授、新潟大学脳研究所教授を経て、平成5年より現職。平成6年より岡崎国立共同研究機構生理学研究所教授を併任。専門は、分子神経学。とくに、脳高次機能の分子機構。昭和60年日本生化学会奨励賞、平成5年塚原仲晃記念賞、平成7年東京テクノフォーラム賞受賞。 堀田 凱樹(ホッタ ヨシキ) 東京大学大学院理学系研究科(物理学専攻)教授。医学博士。昭和38年東京大学医学部医学科卒業。昭和43年同大学大学院医学系研究科博士課程修了。カルフォルニア工科大学博士研究員、東京大学医学部助手、同大学理学部講師、同学部助教授を経て、昭和61年より現職。国立岡崎共同研究機構基礎生物学研究所教授および東京大学遺伝子実験施設長兼任。専門は、生物物理学・分子神経生物学。とくにショウジョウバエ神経系の分子発生生物学。昭和52年松永賞、昭和60年井上学術賞、平成7年日本遺伝学木原賞。 津本 忠治(ツモト タダハル) 大阪大学医学部バイオメディカル教育研究センター高次神経医学部門教授。医学博士。昭和42年大阪大学医学部卒業。大阪大学高次神経研究施設神経生理学部門助手、金沢大学医学部生理学教室助教授を経て、昭和58年より現職。専門は、神経生理学。とくに、大脳皮質視覚野の発達と可塑性のメカニズム。現在は、大脳皮質のシナプス可塑性におけるカルシウム、蛋白質リン酸化/脱リン酸化酵素、神経栄養因子の役割などに関心をもつ。著書に、『脳と発達-環境と脳の可塑性』(朝倉書店)など。 田中 啓治(タナカ ケイジ) 理化学研究所情報科学研究室主任研究員、国際フロンティア研究システム思考電流研究チーム・チームリーダー(兼務)。昭和50年大阪大学基礎工学研究科物理系生物工学コース修士課程修了。昭和58年医学博士(東京大学)。NHK放送科学基礎研究所研究員、理化学研究所チームリーダーを経て、平成4年より現職。専門は、脳科学。とくに、物体の認識のメカニズムに関心をもつ。平成5年日本神経回路学会論文賞、平成6年塚原仲晃記念賞、平成7年ブルックス国際神経科学講演(ハーバード大学)。著書に、『ブレインサイエンス最前線’96』(共著、講談社サイエンティフィック)など。 丹治 順(タンジ ジュン) 東北大学医学部生理学第2講座教授。医学博士。昭和46年北海道大学大学院終了。北海道大学医学部第2生理学教室助教授、東北大学医学部脳疾患研究所神経生理部門教授、同学部大学院病態生体情報学講座教授を経て、平成元年より現職。専門は、神経生理学。とくに、大脳生理学。現在は、随意運動に関心をもつ。 宮下 保司(ミヤシタ ヤスシ) 東京大学医学部生理学第1講座教授。医学博士。昭和53年東京大学医学系大学院修了。東京大学医学部助手、同学部講師、オックスフォオード大学客員講師を経て、平成元年より現職。平成8年より岡崎国立共同研究機構生理学研究所教授兼任。専門は、神経生理学。とくに、記憶・学習の神経機構。 川人 光男(カワト ミツオ) 株式会社エイ・ティー・アール人間情報通信研究所第3研究室長。工学博士。昭和51年東京大学理学部物理学科卒業。昭和56年大阪大学大学院基礎工学研究科卒業(同大学大学院博士課程修了)。大阪大学基礎工学部助手、同大学講師、株式会社エイ・ティー・アール視聴覚機構研究所主任研究員、同研究所主幹研究員を経て、平成4年より現職。ほかに、北海道大学電子科学研究所客員教授、Professore a Contratto di Robotica University of Genova、金沢工業大学客員教授を兼任。専門は、脳の計算論的神経科学の研究。とくに、視覚運動統合の学習を研究。平成4年International Neural Network Society Outstanding Research Award、平成5年科学技術庁長官賞、同年第11回大阪科学賞、平成8年第10回塚原仲晃記念賞。著書に、『脳の仕組』、『脳の計算理論』など。 外山 敬介(トヤマ ケイスケ) 京都府立医科大学教授。医学博士。昭和35年名古屋大学医学部医学科卒業。昭和40年同大学大学院博士課程修了。東京大学医学部助教授を経て、昭和56年より現職。専門は、大脳生理学。視覚情報処理、大脳皮質の発達と可塑性に興味をもつ。著書に、『生理学I』「新生理学」(文光堂)、『脳科学の歩み』「認知科学2」(岩波書店)。 塚田 稔(ツカダ ミノル) 玉川大学工学部教授。玉川大学脳科学研究施設長。工学博士。医学博士。昭和40年東北大学工学部通信工学科卒業。昭和46年同大学大学院博士課程修了。東北大学助助手、玉川大学講師、同大学助教授を経て、昭和59年より現職(生体情報工学研究室)。昭和55年フンボルト財団研究員(ミュンヘン工科大学)。神経系の情報処理機能の研究に興味をもつ。著書に、『生体情報工学』(森北出版)など。 |