第16回「大学と科学」宇宙からみる地球の姿
市川  香(いちかわ かおる)
九州大学応用力学研究所助教授。理学博士。1994年京都大学大学院理学研究科地球物理学専攻博士課程単位取得退学。95年博士号取得。愛媛大学工学部助手を経て、97年より現職。専門は海洋物理学。特に人工衛星海面高度計データによる黒潮変動の研究。2001年日本海洋学会岡田賞など受賞。

小川 利紘(おがわ としひろ)
宇宙開発事業団地球観測利用研究センター研究ディレクター、東京大学名誉教授。理学博士。1968年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。同理学部助手、助教授、教授を経て、98年より現職。専門は大気化学および大気リモートセンシング。特に成層圏・対流圏のオゾンなどの大気微量成分の研究。1975年日本地球電気磁気学会田中館賞など受賞。

沖  大幹(おき たいかん)
東京大学生産技術研究所助教授。工学博士。1989年東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。東京大学生産技術研究所助手、同講師、NASA(アメリカ航空宇宙局)ゴッダード宇宙飛行センター客員科学者(日本学術振興会海外特別研究員)を経て、97年より現職。専門は地球水循環システム。特に広域の陸面水文量のリモートセンシング、グローバルな水循環と水収支のモニタリングとモデリング、現状から将来へ向けた世界規模の水資源アセスメント、水を軸とした千年持続学の研究など。2000年水工学論文賞など受賞。

木本 昌秀(きもと まさひで)
東京大学気候システム研究センター教授。Ph.D.。1980年京都大学理学部地球物理学科卒業、89年カリフォルニア大学ロサンゼルス校大気科学部博士課程修了。気象庁予報部、気象研究所を経て、94年より東京大学気候システム研究センター勤務。専門は気候力学。特に気候モデルを用いた気候変動(異常気象やエルニーニョ、地球温暖化など)の解析。

久保田雅久(くぼた まさひさ)
東海大学海洋学部地球環境工学科教授。理学博士。1981年東京大学理学系大学院博士課程修了。東海大学海洋学部助手、講師、助教授を経て、92年より現職。専門は海洋物理学、海洋気象学。特に最近は全地球規模での大気海洋間における運動量・熱・淡水フラックスや、海面浮遊物の集積や移動のメカニズムに関心をもつ。1996年海洋理工学会論文賞、98年松前賞、2001年日本気象学会堀内賞など受賞。

轡田 邦夫(くつわだ くにお)
東海大学海洋学部海洋科学科教授。理学博士。1977年東京大学理学部地球物理学科卒業、85年同大学院理学系研究科博士課程修了。東京大学海洋研究所助手、東海大学海洋学部助教授を経て、2000年より現職。専門は海洋物理学、海洋気象学。現在は気候変動に対する熱帯海洋の役割に関心をもつ。

小池 俊雄(こいけ としお)
東京大学大学院工学系研究科社会基盤工学専攻教授。工学博士。1985年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。東京大学工学部助手、講師、長岡技術科学大学工学部助教授、教授を経て99年より現職。専門は水文学、水資源学。特に地球水循環と水資源変動に関心をもつ。1985年土木学会論文奨励賞、2000年日本気象学会堀内賞、01年土木学会水工学論文賞など受賞。

坂田 俊文(さかた としぶみ)
東海大学教授、財団法人地球科学技術総合推進機構理事長。工学博士。1957年千葉大学工学部卒業。東京大学生産技術研究所を経て、イタリアボロニア大学、ドイツミュンヘン大学留学、71年東海大学教授、79年東海大学情報技術センター所長、94年東海大学宇宙情報センター所長を兼任し、数々の衛星画像データの研究を進める。この間、科学技術庁、宇宙開発事業団の各種委員として、日本のリモートセンシング技術の研究開発、衛星開発などに参加。人工衛星などのハイテクを古代史や環境問題などに幅広く応用し、チンギス・ハンの墳墓の探査や法隆寺金堂の壁画の復元などを手がける。最近では「宇宙考古学」の提案を行い、エジプトのナイル川に沿ったピラミッド群のなかから未知の物を発見、発掘を行った。日本放送協会放送文化賞など受賞。

柴崎 亮介(しばさき りょうすけ)
東京大学空間情報科学研究センター/生産技術研究所教授(兼任)。工学博士。1980年東京大学工学部卒業、82年同大学院修了。82年建設省土木研究所、88年東京大学工学部助教授、91年同大学生産技術研究所助教授を経て、98年より現職。空間のなかで活動する人々や自然オブジェクトなどの振舞いや空間との相互作用、特にそのモニタリングとモデリングに興味をもつ。最近は、土地利用主体の行動モデルを中心としてさまざまな生態系モデルなどを統合し、国や地域レベルのランドスケープの変化を表現する研究を行っている。国際的な研究プロジェクトである土地利用・土地被覆変化プロジェクト(LUCCプロジェクト)のFocus2グループのリーダも2001年から務める。

杉田 倫明(すぎた みちあき)
筑波大学地球科学系助教授。理学博士。1987年筑波大学大学院博士課程地球科学研究科修了。コーネル大学土木・環境工学部ポスドク、筑波大学地球科学系助手、講師を経て、2001年より現職。専門は水文学。特に地表面と大気境界層の相互作用について関心をもつ。1994年つくば奨励賞など受賞。

住  明正(すみ あきまさ)
東京大学気候システム研究センター長/教授。1971年東京大学理学部物理学科卒業、73年同大学院理学系研究科物理学専門課程修士課程修了。73年気象庁東京管区気象台調査課入庁、同庁予報部電子計算室、ハワイ大学気象学教室助手、気象庁予報部電子計算室技術専門官、東京大学理学部助教授などを経て、91年同大学気候システム研究センター教授、95年より現職。専門は気象学、数値実験気象学。主な研究は気候システムの力学過程の解明。

高木 幹雄(たかぎ みきお)
東京理科大学基礎工学部教授。工学博士。1960年東京大学工学部電気工学科卒業、65年同大学院数物系研究科電子工学専攻博士課程修了。65年東京大学助教授、教授を経て、97年より現職。専門は画像処理。1984年テレビジョン学会丹羽高柳賞業績賞、92年電子情報通信学会業績賞、97年映像情報メディア学会丹羽高柳賞功績賞など受賞。

竹内 義明(たけうち よしあき)
気象庁予報部数値予報課予報官1982年京都大学理学部地球物理学科卒業、同大学理学研究科修士課程修了。大阪管区気象台、気象衛星センターなどを経て、98年から現職。専門は気象学。特に衛星リモートセンシング。現在はマイクロ波放射計データの数値予報への利用に関心をもつ。

中島 映至(なかじま てるゆき)
東京大学気候システム研究センター教授。理学博士。1976年東北大学大学院理学研究科地球物理学博士課程修了。東京大学理学部地球惑星物理学教室助教授、東京大学気候システム研究センター助教授を経て、94年より現職。専門は気候物理学、大気物理学。特にリモートセンシング。現在は気候問題に関心をもつ。1995年日本気象学会学会賞、2000年日産科学賞など受賞。

中村 健治(なかむら けんじ)
名古屋大学地球水循環研究センター教授。理学博士。1977年東京大学大学院理学系研究科地球物理学専門課程修了。77年郵政省電波研究所(現独立行政法人通信総合研究所)入所、大気圏マイクロ波電波伝播、大気の電波リモートセンシングについての研究に従事。78年理学博士。85年アメリカ航空宇宙局ゴダード宇宙飛行センター客員研究員、94年名古屋大学大気水圏科学研究所教授となり、97年熱帯降雨観測衛星日本側プロジェクトサイエンティスト(宇宙開発事業団招聘研究員)として日米共同プロジェクト熱帯降雨観測衛星(TRMM)の計画に協力、2001年より大気水圏科学研究所の廃止、転換にともない、現職へと異動。現在は飛翔体からの大気の観測手法、衛星データによる広域降水特性に関心をもつ。

早坂 忠裕(はやさか ただひろ)
文部科学省総合地球環境学研究所教授。理学博士。1982年東北大学理学部地球物理学科卒業、88年同大学院理学研究科博士課程修了。東北大学理学部助手、同大学院理学研究科助教授、同教授、国立極地研究所教授(総合地球環境学研究所創設調査室)を経て、2001年より現職。IAMAS/International Radiation Commission 委員、GEWEX Radiation Panel 委員。専門は大気物理学。特に大気放射学および雲、エアロゾルの物理的特性とその時空間変動に関する研究。現在は不均質雲の放射特性、地上および衛星からの雲・エアロゾルのリモートセンシング、また、エアロゾルや温室効果気体の変動と人間活動の関係に関心をもつ。

本多 嘉明(ほんだ よしあき)
千葉大学環境リモートセンシング研究センター助教授。1986年山梨大学工学部環境整備工学科卒業、88年同大学院工学系研究科環境整備工学専攻修士課程修了、91年東京大学大学院工学系研究科土木工学専攻博士課程修了、91年東京大学生産技術研究所客員助教授、93年横浜国立大学環境科学研究センター講師を経て、95年より現職。96年モンゴル科学アカデミー名誉会員。専門は植生リモートセンシング。特に地上観測と衛星観測の両面からの研究を進めている。1989年アジアリモートセンシング会議ベストスピーカ賞、93年日本写真測量学会学会奨励賞など受賞。

増子 治信(ますこ はるのぶ)
独立行政法人通信総合研究所電磁波計測部門長。理学博士。1974年東京教育大学理学部応用物理学科卒業、76年同大学院理学研究科修士課程修了、79年筑波大学大学院物理学研究科博士課程修了。79年郵政省電波研究所(現総務省通信総合研究所)入所、地球環境計測部環境計測技術研究室長、地球環境計測部長を経て、2001年より現職。この間、ドイツのアレクサンダー・フォン・フンボルト財団奨励研究員としてブレーメン大学滞在、海洋のマイクロ波リモートセンシングの研究に従事。宇宙開発事業団宇宙環境利用研究システム招聘研究員。日本リモートセンシング学会、日本海洋学会、地球電磁気学会、IEEE Geoscience and Remote Sensing Societyおよび American Geophysical Union会員。専門はマイクロ波リモートセンシング。特に先端計測技術の開発。

増永 浩彦(ますなが ひろひこ)
宇宙開発事業団地球観測利用研究センター宇宙開発特別研究員。理学博士。1999年東京大学大学院理学系研究科天文学専攻博士課程修了。東京大学気候システム研究センター特別研究員を経て、99年より宇宙開発事業団に在職、2002年よりコロラド州立大学研究員。専門は大気放射と衛星リモートセンシング。特に雲気候学。

向井 苑生(むかい そのよ)
近畿大学理工学部情報学科教授/同大学院総合理工学研究科教授。理学博士。1968年京都大学理学部宇宙物理学科卒業、74年同大学院理学研究科宇宙物理学専攻博士課程修了。金沢工業大学情報工学科助教授、教授を経て、91年より現職。92年から宇宙開発事業団地球観測委員、地球科学技術フォーラム委員、地球科学技術推進機構POLDER主査など。2001年から東大阪市環境審議会委員。専門は放射伝達論。現在は衛星および地上観測偏光データを用いた大気エアロゾルおよび雲特性の導出に関心をもつ。

安岡 善文(やすおか よしふみ)
東京大学生産技術研究所教授。工学博士。1975年東京大学工学部計数工学科卒業、同大学院博士課程修了。環境庁国立公害研究所環境情報部主任研究員、国立環境研究所地球環境研究センター総括研究管理官、その間、アメリカ合衆国ヴァージニア工科大学客員研究員、筑波大学連携大学院教授などを経て、98年より現職。専門は計数工学、国土情報処理工学。特に環境のリモートセンシング。現在は地球環境のリモートセンシングに関心をもつ。1975年計測自動制御学会学術奨励賞、89年科学技術長官賞など受賞。著書に、『宇宙から見る地球環境』(ていぺいあ)。共著に、『宇宙からの観測』(中央法規)など。

和方 吉信(わかた よしのぶ)
九州大学応用力学研究所教授。理学博士。1977年山口大学文理学物理学科卒業、九州大学大学院理学研究科物理学専攻大学院博士課程修了。東海大学海洋学部、東京大学理学部助教授を経て、97年より現職。