第17回「大学と科学」化学:自然と社会へのかかわり
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野依 良治(ノヨリ リョウジ) 名古屋大学大学院理学研究科教授、名古屋大学物質科学国際研究センター長、名古屋大学高等研究院院長。日本学士院会員。工学博士。 1961年京都大学工学部工業化学科卒業、63年同大学大学院工学研究科修士課程修了。京都大学助手、68年名古屋大学理学部助教授、69年ハーバード大学博士研究員、72年名古屋大学教授を経て、現職。その間、96年から文部省学術審議会委員、2001〜03年文部科学省科学技術学術審議会委員、02年度日本化学会会長を務めた。 専門は有機化学。特に不斉分子触媒化学。 2001年ノーベル化学賞受賞。 佐藤 一彦(サトウ カズヒコ) 産業技術総合研究所環境調和技術研究部門グリーンケミストリーグループ主任研究員 1985年千葉大学理学部化学科卒業、90年東北大学大学院理学研究科博士課程修了。90年名古屋大学理学部助手、98年同大学物質科学国際研究センター助手、2000年工業技術院物質工学工業技術研究所主任研究官(招聘研究官)、01年産業技術総合研究所グリーンプロセス研究ラボ主任研究員を経て、02年より現職。その間、88〜90年日本学術振興会特別研究員を併任。 専門は有機合成化学。現在は環境に優しい酸化反応に関心をもつ。 1989年環太平洋国際化学会議優秀講演賞、2002年有機合成化学奨励賞など受賞。 辻 篤子(ツジ アツコ) 朝日新聞東京本社編集局紙面委員。科学ジャーナリスト。 1976年東京大学教養学部教養学科科学史科学哲学分科卒業。朝日新聞科学部、アエラ発行室、アメリカ総局などを経て、2003年より現職。 1989〜90年マサチューセッツ工科大学(MIT)ナイト科学ジャーナリズムフェロー。 牧野 賢治(マキノ ケンジ) 東京理科大学理学部教養学科教授。理学修士。 1957年大阪大学理学部化学科卒業、同大学大学院修士課程修了。毎日新聞記者を30年勤めたあと、東京理科大学助教授を経て、91年より現職。 日本科学技術ジャーナリスト会議会長、日本医学ジャーナリスト協会名誉会長を務める。 専門は科学ジャーナリズム論、科学技術社会学。 齊藤 幸一(サイトウ コウイチ) 開成学園化学科教諭 1978年東京都立大学理学部化学科卒業、80年東京理科大学専攻科化学科卒業。駒場東邦中・高等学校化学科専任教諭を経て、90年より現職。教育セミナーNHK高校講座「化学」講師。日本化学会「職域会員」代表。日本化学会化学教育協議会夢化学・メディア対応WG主査。日本私学教育研究所理科(化学)研修会専門委員。日本基礎化学教育学会会長。 専門は構造化学・化学教育。現在は文系の化学教育に関心をもつ。 玉尾 皓平(タマオ コウヘイ) 京都大学化学研究所教授 1970年京都大学大学院工学研究科合成化学専攻博士課程修了。70年京都大学工学部合成化学科助手、86年同助教授を経て、93年より現職。その間、2000〜02年まで京都大学化学研究所所長を併任。 専門は有機合成化学、有機金属化学。現在は有機典型元素化合物の構造・物性相関に興味をもつ。 1977年日本化学会進歩賞、99年日本化学会賞、2002年第42回東レ科学技術賞、同年アメリカ化学会 F. S. キッピング賞、2003年朝日賞、第14回向井賞など受賞。 関 一彦(セキ カズヒコ) 名古屋大学物質科学国際研究センター・高等研究院教授。理学博士。 1970年東京大学理学部化学科卒業、75年同大学大学院理学系研究科化学専攻博士課程修了。日本学術振興会奨励研究員、同特定領域奨励研究員、分子科学研究所助手、広島大学理学部助教授、名古屋大学理学部教授などを経て、98年より現職。 専門は物性化学。特に有機固体・薄膜とその表面・界面。現在は有機薄膜が金属とつくる界面での電子の状態や振舞いに関心をもつ。 阿波賀 邦夫(アワガ クニオ) 名古屋大学大学院理学研究科物質理学専攻教授。理学博士。 1982年東京大学理学部化学科卒業、同大学大学院博士課程単位取得退学。88年分子科学研究所助手、 92年東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻助教授を経て、2001年より現職。 専門は物性化学。特に磁気化学。現在は量子スピン系の物性に関心をもつ。 1994年日本化学会進歩賞受賞。 川合 知二(カワイ トモジ) 大阪大学産業科学研究所教授、産業科学ナノテクノロジーセンター長。理学博士。 1969年東京大学理学部化学科卒業、71年同大学大学院理学系研究科化学専攻修士課程修了、74年同博士課程修了。理学博士取得(東京大学)。東京工業大学助手、75年国立分子科学研究所助手、83年大阪大学産業科学研究所助教授を経て、92年より現職。2001〜02年大阪大学産業科学研究所高次インターマテリアル研究センター長、02年より同研究所産業科学ナノテクノロジーセンター長、97年文部省COE研究リーダーを併任。 専門は多機能が調和した人工生体情報材料の創成、DNAナノテクノロジー。 1979年日本化学会進歩賞、91年金属材料科学助成賞、94年市村学術賞、2000年日本化学会学術賞、01年大阪大学プロフェッサー・オブ・ザ・イヤーなど受賞。 鈴木 正昭(スズキ マサアキ) 岐阜大学大学院医学研究科再生医科学専攻教授。理学博士。 1970年名古屋大学理学部化学科卒業、75年同大学理学研究科博士課程化学専攻満期修了。75年名古屋大学理学部助手、83年同助教授、90年同大学化学測定機器センター助教授、93年岐阜大学工学部教授を経て、2002年より現職。この間、2000年より日本学術振興会科学研究費委員会専門委員、01〜03年科学技術・学術審議会専門委員、96〜97年・01〜02年日本化学会学術賞選考委員会委員、01年より文部科学省学術創成研究「生物新機能と創薬をめざす生体内分子科学」研究リーダー、Mini-Review in Medicinal Chemistryなど常任編集委員を務める。 専門は有機化学、および生物有機化学、創薬化学。現在は脳科学、再生医科学、および生体内分子イメージング。新しい生命機能の創出、および創薬の展開には、独自の分子プローブ概念の創造が重要との認識のもと、化学・生物学・医学との融合型新研究分野の創成に邁進中。 1981年日本化学会進歩賞、2000年日本化学会学術賞など受賞。 巽 和行(タツミ カズユキ) 名古屋大学物質科学国際研究センター教授。工学博士。 1971年大阪大学基礎工学部化学工学科卒業、76年同大学大学院基礎工学研究科博士課程修了。77年テキサスA&M大学博士研究員、79年コーネル大学博士研究員、82年大阪大学理学部高分子学科助手、91年同大学基礎工学部合成化学科助教授、94年名古屋大学理学部化学科教授を経て、98年より現職。その間、85年ヘルシンキ大学客員教授、87年スイス連邦工科大学客員教授などを併任。また、97年『Journal of Organometallic Chemistry』(オランダ Elsevier)編集顧問、02年地区編集者、98年『J. Chem. Soc., Dalton Trans.』(英国化学会)編集顧問、財団法人尚志社評議員、日本学術会議化研連委員、IUPAC無機化学部門国代表委員などを務める。 専門は無機化学。特に有機金属化学、生物無機化学、錯体化学。 1998年井上学術賞など受賞。 山村 庄亮(ヤマムラ ショウスケ) 慶應義塾大学名誉教授、慶應義塾大学理工学部非常勤講師。理学博士。 1958年名古屋大学理学部化学科卒業、63年同大学大学院理学研究科博士課程修了。 1964〜66年マサチューセッツ工科大学(MIT)博士研究員、66年名古屋大学理学部助手、67年名城大学薬学部講師、助教授、教授、80年慶應義塾大学理工学部教授を経て、2000年より現職。 専門は有機化学。特に生物有機化学、および天然物化学、生物活性物質の単離・構造決定、合成、生物機能に関する研究。現在はヒマワリの回旋運動など、植物の運動に関心をもつ。 1988年慶應義塾賞、91年日本化学会賞、99年福澤賞など受賞。 増原 宏(マスハラ ヒロシ) 大阪大学大学院工学研究科応用物理学専攻教授 1966年東北大学理学部化学第2科卒業、68年同大学大学院理学研究科修士課程化学専攻修了、71年大阪大学大学院基礎工学研究科博士課程化学系化学専攻修了。71年日本学術振興会奨励研究員、72年大阪大学基礎工学部合成化学科助手、84年同大学講師、84年京都工芸繊維大学繊維学部高分子学科教授、91年大阪大学工学部応用物理学科教授を経て、98年大学院重点化にともなう組織替えにより現職。その間、88〜93年JST ERATO増原極微変換プロジェクト総括責任者、95年NEDO提案公募型・最先端分野研究開発事業リーダー、98〜2000年科学研究費特定領域研究「単一微粒子光科学」代表者、02年より科学研究費基盤研究(S)代表者を併任。 専門は光化学、マイクロ分光、極微化学。 1984年光化学協会賞、93年モエヘネシー・ルイヴィトン国際科学賞“芸術のための科学”ダヴィンチ賞(フランス)、94年日本化学会学術賞、同年大阪科学賞など受賞。98年科学と芸術に関するベルギー王立フランダースアカデミー外国人会員。 秋光 純(アキミツ ジュン) 青山学院大学理工学部物理学科教授 東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。東京大学物性研究所中性子回折部門助手、青山学院大学理工学部物理学科助教授を経て、1982年より現職。その間、マサチューセッツ工科大学(MIT)、ブルックヘブン国立研究所客員研究員。99年より先端技術研究開発センター所長。 専門は固体物理。特に超伝導。 1997年超伝導科学技術賞、98年日本物理学会論文賞、同年仁科記念賞、2002年朝日賞、同年増本量賞など受賞。01年紫綬褒章授章。03年B. Matthias Prize受賞。 福山 透(フクヤマ トオル) 東京大学大学院薬学系研究科天然物合成化学教室教授 1971年名古屋大学農学部農芸化学科卒業、73年同大学大学院農学研究科修士課程修了。77年ハーバード大学大学院化学科Ph.D.取得。77年ハーバード大学化学科博士研究員、78年ライス大学化学科助教授、82年同准教授、88年同教授を経て、95年より現職。 専門は有機化学。特に天然物合成化学。現在は強力な制がん剤の効率的合成法の確立に関心をもつ。 1993年アメリカ化学会Arthur C. Cope Scholar賞、2001年有機合成化学協会賞など受賞。 松本 和子(マツモト カズコ) 早稲田大学理工学部化学科教授。理学博士。 1972年東京大学理学部化学科卒業、74年同大学理学系研究科化学専攻修士課程修了、77年同博士課程中退。77年東京大学理学部助手、84年早稲田大学理工学部助教授を経て、89年より現職。その間、90〜92年分子科学研究所客員教授、93年マサチューセッツ工科大学(MIT)客員教授、01年総合科学技術会議非常勤議員を務める。 専門は無機錯体化学、分析化学、現在金属錯体を用いるバイオテクノロジーの開発を行っている。 1984年日本分析化学会奨励賞、89年日本化学会学術賞など受賞。 大峰 巖(オオミネ イワオ) 名古屋大学大学院理学研究科物質理学専攻教授 1968年東京大学工学部応用物理計数工学科卒業、77年ハーバード大学大学院化学物理学専攻 Ph.D.取得。74年パリ大学研究員、76年マサチューセッツ工科大学(MIT)化学科博士研究員、77年日本学術振興会特定領域奨励研究員(分子科学研究所リサーチフェロー)、80年マサチューセッツ工科大学(MIT)物理学科研究員、81年慶應義塾大学理工学部化学科助手、82年岡崎国立共同研究機構分子科学研究所理論研究系助教授、94年名古屋大学理学部化学科教授を経て、現職。 専門は理論化学。特に多体化学系(溶液、生体系)のダイナミックス。現在は水の多様性と生体高分子の反応性の一意性の発現機構に関心をもつ。 上村 大輔(ウエムラ ダイスケ) 名古屋大学大学院理学研究科物質理学専攻教授。理学博士。 1968年名古屋大学理学部化学科卒業、70年同大学大学院理学研究科有機化学専攻修士課程修了、73年同博士課程単位取得満期退学。75年理学博士取得(名古屋大学)。73年名古屋大学理学部助手、79年静岡大学教養部助教授、88年静岡大学大学院理学研究科助教授。その間、82年ハーバード大学客員研究員。91年静岡大学教養部教授、94年同大学大学院電子科学研究科教授、95年同大学理学部化学科教授、96年同大学理工学研究科教授を経て、97年より現職。その間、91〜2000年財団法人相模中央化学研究所研究顧問。また、68年日本化学会会員、79年米国化学会会員、同年英国化学会会員、94年Heterocyclic Communication国際編集委員、同年日本薬学会会員、98年日本化学会欧文誌編集委員、99年文部省科学研究費補助金特定領域研究(A)「未解明生物現象を司る鍵化学物質」研究代表者を務める。 専門は天然物有機化学。特に海洋生物毒、抗がん剤、骨粗鬆症薬の創製に興味をもつ。 1977年日本化学会進歩賞受賞。 楠本 正一(クスモト ショウイチ) 大阪大学大学院理学研究科化学専攻教授、理学部長・理学研究科長。理学博士。 1963年大阪大学理学部化学科卒業。大阪市立大学理学部助手、大阪大学理学部助手、講師、助教授を経て、96年より教授。2003年より理学部長・理学研究科長。 専門は天然物有機化学、生物有機化学。生物活性複合糖質の構造、合成、機能の研究に携わっている。 1983年第1回国際免疫薬理学会賞、99年日本化学会賞など受賞。 北村 雅人(キタムラ マサト) 名古屋大学物質科学国際研究センター教授。農学博士。 1978年名古屋大学農学部卒業、80年同大学大学院修士課程修了、83年同博士課程修了。農学博士取得。83年コロンビア大学化学教室(G. Stork教授)博士研究員、同年名古屋大学理学部化学科助手、90年同助教授、96年同大学大学院理学研究科物質理学専攻助教授、98年同大学物質科学国際研究センター助教授を経て、同年より現職。 専門は有機合成化学。 1988年日本化学会進歩賞受賞。 |