第18回「大学と科学」微生物はなぜ病気を起こすか−ゲノムの特徴−
|
飯田 哲也(イイダテツヤ) 大阪大学微生物病研究所助教授。医学博士。 1984 年京都大学理学部卒業、87 年大阪大学大学院医学研究科修士課程了、91 年同博士課程修了。日本学術振興会特別研究員、大阪大学微生物病研究所助手を経て、98 年より現職。 専門は細菌学。現在は病原細菌が病気を起こすメカニズムとその進化に関心をもつ。 1998 年日本感染症学会北里柴三郎記念学術奨励賞、2004 年日本細菌学会小林六造記念賞受賞。 共著に、『毒素産生菌とその感染症』(医薬ジャーナル社、1998)、『感染症研究のいま』(大阪大学出版会、2001)など。 江崎 孝行(エザキタカユキ) 岐阜大学大学院医学研究科再生医科学、病原体制御学分野教授。医学博士。 1977 年岐阜大学医学部卒業、82 年同大学大学院医学研究科修了。岐阜大学医学部微生物学講座助手、同講師、東京大学医科学研究所流動研究員、ケニヤ中央医学研究所医療専門家(JICA)、タイ国立研究所医療専門家(JICA)などを経て、90 年より現職。 1986 年黒屋賞、92 年小酒井賞など受賞。 専門は医学細菌の系統分類学(主にブドウ球菌、レンサ球菌、抗酸菌salmonella)、食細胞寄生細菌の分子遺伝学(主にサルモネラ、レジオネラ)、細菌感染症の遺伝子診断。 国際微生物連盟裁定委員(IUMS Judicial committee)、国際微生物連盟命名小委員(Streptococcus / Stahpylococcussubcommittee Bergy’s manual 国際理事internationaltrustee)、通産省化学品審議会委員。 太田美智男(オオタミチオ) 名古屋大学医学系研究科(微生物・免疫学講座)教授。医学博士。 1970 年東京大学工学部合成化学科卒業、77 年名古屋大学医学部卒業。名古屋大学医学部助教授、同教授を経て、2000 年より現職。専門は細菌の病原因子、薬剤耐性機構、院内感染。 現在は感染症ならびに細菌の環境適応と病原性発現について関心をもつ。 著書に、『人はなぜ病院で感染するのか?』(NHK出版、2003)。 大西 克成(オオニシヨシナリ) 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部プロテオミクス医科学部門生体制御医学講座分子細菌学分野教授。医学博士。 1964 年九州大学医学部医学科卒業、70 年同大学大学院博士課程修了。九州大学医学部講師、鹿児島大学医学部助教授を経て、76 年より現職。 専門は細菌学。特に微生物遺伝学と嫌気性菌。現在は大腸癌はじめ腸疾患の予防と治療における腸内菌の働きに関心をもつ。 1975 年日本細菌学会黒屋奨学賞、84 年日本環境変異原学会奨励賞、2001 年日本環境変異原学会学術賞を受賞。 分担執筆した著書に、『戸田新細菌学』第32 版(南山堂、2002)、共同編著書に、『エッセンシャル微生物学』第4 版(医歯薬出版、1995)など。 黒川 顕(クロカワケン) 大阪大学微生物病研究所助手、大阪大学遺伝情報実験センター兼任教官。 1993 年東北大学理学部地学科卒業、95 年同大学大学院理学研究科地学専攻博士課程前期修了、98 年大阪大学大学院薬学研究科応用薬学専攻博士課程後期修了。 専門はバイオインフォマティクス。特にゲノム進化学。現在はバクテリアゲノムの進化、生命の起源に関心をもつ。 共著に、『バイオデータベースとウェブツールの手とり足とり活用法』(羊土社、2002)。 清水 徹(シミズトオル) 金沢大学大学院医学系研究科細菌感染症制御学部門助教授。医学博士。 1982 年香川医科大学医学部医学科卒業、91 年同大学大学院博士課程修了。筑波大学基礎医学系講師、助教授を経て、2003 年より現職。 専門は病原細菌学。特にウェルシュ菌の病原性に関与するシグナル伝達の研究。現在は菌どうしの会話(コミュニケーション)に興味をもつ。 1997 年日本細菌学会黒屋奨励賞、2003 年日本細菌学会小林六造記念賞受賞。 白井 睦訓(シライムツノリ) 山口大学医学部医学科(生殖・発達・感染医科学講座微生物学)教授。医師。医学博士。 1985 年東京大学大学院医学研究科博士課程修了。米国国立健康研究所(NIH)研究員、山口大学医学部助教授などを経て、2000 年より現職。 専門は微生物・免疫学。最近では特にゲノムからみた微生物の感染制御機構に関心をもつ。 1995 年日本肝臓学会奨励賞、98 年日本へリコバクター学会優秀賞など受賞。 共著に、『標準微生物学』(医学書院、2002)、『細菌学』(朝倉出版社、2002)、共訳著に、『ハリソン内科学』(MEDSI 社、2003)など。 菅井 基行(スガイモトユキ) 広島大学大学院医歯薬学総合研究科細菌学教室教授。歯学博士。 1984 年広島大学歯学部歯学科卒業、同大学大学院博士課程修了。広島大学歯学部助教授、同教授を経て、2000 年より現職。 専門は細菌学。特に黄色ブドウ球菌。現在は黄色ブドウ球菌の可動性遺伝因子に関心をもつ。 1994 年日本細菌学会黒屋奨励賞受賞。 竹田 美文(タケダヨシフミ) 実践女子大学生活科学部教授。医学博士。 1960 年大阪大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科修了。大阪大学微生物病研究所助教授、東京大学医科学研究所教授、京都大学医学部教授、国立国際医療センター研究所長、国立感染症研究所所長を経て、2001 年より現職。 専門は感染症学。特に細菌毒素学。 1985 年小島三郎記念文化賞、94 年武田医学賞、98年日本細菌学会浅川賞受賞。 著書に、『SARS は何を警告しているのか』(岩波書店、2003)、『よみがえる感染症』(岩波書店、2004)など。 寺脇 良郎(テラワキヨシロウ) 信州大学名誉教授。医学博士。 1960 年東京大学医学部医学科卒業。東京医科歯科大学助教授を経て、76 年信州大学医学部教授(細菌学講座)。99 年定年退官。同年、名誉教授。専門は細菌遺伝学。現在は感染症一般に関心をもつ。 共著に、『医科細菌学』(南江堂、1989)、『いま生命を語る』(共立出版、1988)など。原著論文(Natureなど)多数。 戸邉 亨(トベトオル) 大阪大学大学院医学系研究科未来医療開発専攻機能分子制御分野助教授。理学博士。 1987 年京都大学大学院理学研究科博士課程修了。東京大学医科学研究所、助手、講師を経て、2001年より現職。 中澤 晶子(ナカザワテルコ) 山口大学名誉教授、山口大学運営諮問会議委員。医学博士。 1961 年京都大学医学部卒業、67 年同大学医学部大学院修了。67 年京都大学医学部助手、72 年順天堂大学医学部助教授、78 年山口大学医学部助教授、82 年同大学医療技術短期大学部教授、87 年同大学医学部微生物学講座教授、94 年同大学遺伝子実験施設長併任後、2000 年同大学を定年退職。 専門は細菌学。主なテーマは、酸素添加酵素の反応機構、シュードモナスの分解プラスミド、ヘリコバクター・ピロリの感染機構。病原微生物ゲノムの研究。 1996 年中国文化賞、2001 年日本細菌学会淺川賞受賞。 共著に、『Molecular Biology of Pseudomonads』(AmericanSociety for Microbiology, 1996)、原著論文(共著)に“ Identification of the urease operon in Helicobacterpylori and its control by mRNA decay in response to pH.”(Molecular Microbiology, 2000)など。 服部 正平(ハットリマサヒラ) 北里大学北里生命科学研究所教授。工学博士。 1979 年大阪市立大学大学院博士課程修了。東京大学医科学研究所助教授、理化学研究所ゲノム科学総合研究センターチームリーダーを経て、2002 年より現職。 専門はゲノム生物学。 共著書に、『分子生物学プロトコール』(南江堂、1999)、『医学・薬学研究者のためのバイオテクノロジー概論』(医療ジャーナル社、2000)、『ホールゲノムショットガン法によるゲノム解析とアノテーション』(学会出版センター、2001)。 林 哲也(ハヤシテツヤ) 宮崎医科大学フロンティア科学実験総合センター生命科学研究部門生命環境科学分野教授(同大学・医学部・医学科・感染症学講座・微生物病学分野教授を兼任)。医学博士。 1984 年信州大学医学部医学科卒業。信州大学医学部講師・助教授を経て、2000 年より現職。 専門は病原細菌学。現在はO157 などの病原性大腸菌やツツガムシ病病原体などに関心をもつ。 1994 年日本細菌学会黒屋奨励賞受賞。 共著に、『岩波講座・現代医学の基礎。感染と生体防御』(岩波書店、2000)など。 林 英生(ハヤシヒデオ) 中国学園大学現代生活学部教授、筑波大学名誉教授。 1964 年岡山大学医学部卒業、69 年同大学大学院医学研究科修了。岡山大学医学部微生物学助教授、香川医科大学医学部微生物学教授を経て、筑波大学基礎医学系教授。2003 年定年退官。 平成12 年〜 14 年、未来開拓学術研究推進(ミレニアム関連)事業「微生物のゲノム配列解析による病原性と有用性遺伝子システムの解明」代表。 共編著に、『細菌学』(朝倉書店、2002)、監訳に『ブラック微生物学』(丸善、2003)など。 山口 英世(ヤマグチヒデヨ) 帝京大学医真菌研究センター教授・所長。医学博士。 1958 年東京大学医学部医学科卒業、同大学大学院博士課程修了。東京大学応用微生物研究所(現・分子細胞生物学研究所)助手、同大学医学部助教授、帝京大学医学部教授兼医真菌研究センター長、東京大学応用微生物研究所教授などを経て、97 年より現職。 専門は医真菌学。特に真菌症の発症機序、診断、治療、予防。現在は真菌症以外の病態と真菌のかかわりに関心をもつ。 1988 年日本医真菌学会賞受賞。 著書に、『今日の抗生物質』(南山堂、1984)、『病原真菌と真菌症』(南山堂、1999)、共著に、『病原真菌学』(南山堂)、『真菌症診断のための検査ガイド』(栄研化学、1994)など。 山本 直樹(ヤマモトナオキ) 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科ウイルス制御学講座教授。医学博士。 1970 年熊本大学医学部卒業、同大学大学院博士課程修了。同大学助手、フライブルク大学衛生センター研究員、京都大学ウイルス研究所助手、山口大学医学部教授を経て、90 年より現職。95 年より長崎大学熱帯医学研究所客員教授、2001 年より国立感染症研究所エイズ研究センターセンター長も兼任。 研究領域はヒトレトロウイルスの発症機構とその制御、SARS ウイルスの発症機構とその制御。 吉川 寛(ヨシカワヒロシ) JT 生命誌研究館常勤顧問 1956 年東京大学理学部化学科卒業、61 年同大学大学院化学系博士課程修了。カリフォルニア大学バークレー校宇宙科学研究所准教授、金沢大学がん研究所教授、大阪大学医学部教授、奈良先端科学技術大学院大学教授を経て、2001 年より現職。 専門は分子生物学。特に微生物ゲノムの複製と制御。現在はアゲハチョウの味覚の分子生物学に関心をもつ。 1972 年朝日学術奨励賞受賞。 著書に、『遺伝子操作』(大月書店、1984)、共著・監修に、『ネオ生物学シリーズ・ゲノムから見た新しい生物像・細菌』ほか9 冊(共立出版、1997)など多数。 |