第18回「大学と科学」21世紀を拓く水素の世界 新材料とクリーンエネルギー
青木  清(アオキキヨシ)
北見工業大学工学部機能材料工学科教授。工学博士。
1976 年東北大学大学院博士課程金属材料工学専攻修了。東北大学金属材料研究所助手、助教授を経て、95 年より現職。2001 年より同大学機器分析センター長を併任。
専門は金属材料工学。特に水素吸蔵合金、水素透過合金。
1980 年日本金属学会論文賞、89 年日本金属学会功績賞、2003 年日本金属学会谷川・ハリス賞受賞。


秋葉 悦男(アキバエツオ)
独立行政法人産業技術総合研究所電力エネルギー研究部門総括研究員。理学博士。
1974 年埼玉大学理工学部化学科卒業、79 年東京大学大学院理学系研究科化学専門課程博士課程修了。同年通商産業省工業技術院東京工業試験所入所。2001 年組織改革により現職。
専門は材料科学。特に水素貯蔵材料、粉末結晶構造解析、水素エネルギー技術。
1997 年日本金属学会技術開発賞、98 年市村学術賞貢献賞を受賞。
著書に、『粉末X線解析の実際─ リートベルト法入門』(共著)、『Ternary Hydrides, in Materials andTechnology, Volume 3B : Electronic and MagneticProperties of Metals and Ceramic』(共著)など。


飯島 嘉明(イイジマヨシアキ)
岩手大学工学部材料物性工学科教授。工学博士。
1964 年東北大学工学部金属材料工学科卒業、69 年同大学大学院博士課程科目修了。東北大学助手、助教授、教授、2004 年定年退官。同年より現職。
専門は材料物性学。特に固体内の原子拡散。
著書に、『Diffusion Processes in Nuclear Materials』(Elsevier Science, 1992)。

岡田 益男(オカダマスオ)
東北大学大学院工学研究科材料物性学専攻教授。Ph. D。
1978 年カリフォルニア大学バークレー校大学院博士課程修了(Materials Science 専攻)。79 年東北大学工学部金属材料工学科助手、81 年同助教授を経て、93 年より現職。
専門は特殊材料学。特に磁性材料、機能性セラミックスなどの電子材料(現在は水素貯蔵材料に関心をもつ)。
2002 年日本金属学会増本量賞受賞。
著書に、『知恵蔵(金属材料)』(分担執筆)。


折茂 慎一(オリモシンイチ)
東北大学金属材料研究所環境材料工学研究分野助教授。博士(学術)。
1995 年広島大学大学院生物圏科学研究科(物理系)博士課程修了。広島大学総合科学部助手を経て、2002 年度より現職。
専門は材料科学。特に金属―水素系の物性と機能に関する研究(現在はナノテクノロジーを駆使した新しい水素貯蔵材料の創製に関心をもつ)。
1997 年日本金属学会論文賞、98 年日本金属学会奨励賞、2002 年金属材料科学助成賞、03 年日本マグネシウム協会研究奨励賞、04 年インテリジェントコスモス奨励賞など受賞。
著書(共著)に、『図解ナノテクノロジーのすべて、ナノ組織水素吸蔵材料が未来のエネルギーを拓く』(河合知二監修、工業調査会、2001)、『マグネシウム技術便覧、マグネシウムとその合金の物性、水素吸蔵特性』(日本マグネシウム協会編、カロス出版、2000)、『水素吸蔵合金― 基礎から最先端技術まで―、水素吸蔵合金の複合化とナノ構造化』(田村英雄監修、エヌ・ティー・エス出版、1997)。


北川  宏(キタガワヒロシ)
九州大学大学院理学研究院化学部門教授。博士(理学)。
1986 年京都大学理学部卒業、88 年同大学大学院理学研究科博士前期課程化学専攻修了、91 年同大学大学院理学研究科博士後期課程化学専攻単位取得。同年岡崎国立共同研究機構分子科学研究所助手、93 〜 94 年英国王立研究所客員研究員、94 年北陸先端科学技術大学院大学材料科学研究科助手、2000年筑波大学化学系助教授、00 〜 02 年北陸先端科学技術大学院大学材料科学研究科助教授(併任)、00〜 03 年科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業「さきがけ研究21」研究員(兼職)を経て、03 年より現職。
著書に、『Electrical and Related Properties of OrganicSolids』(共著、Kluwer Academic Publishers)、『実用化に向けた水素利用の最前線』(共著、エヌ・ティー・エス出版)など。


境  哲男(サカイテツオ)
独立行政法人産業技術総合研究所ユビキタスエネルギー研究部門電池システム連携研究体長、神戸大学併任教授。工学博士。
1982 年大阪大学大学院工学研究科博士課程修了。82 年通商産業省工業技術院大阪工業技術試験所入所、92 年ストックホルム大学アレニウス研究所客員研究員、97 年同所研究企画官補、98 年同所電池研究室長、神戸大学連携大学院併任教授、2004 年より現職。
専門は材料化学、電気化学。特に電池材料や水素エネルギー材料の研究開発。
1991 年国際電池材料協会賞、95 年近畿化学協会化学技術賞、工業技術院長賞、99 年粉体粉末冶金協会技術進歩賞、日本金属学会技術開発賞、2002 年電気化学会論文賞、03 年日本金属学会功績賞、日本希土類学会技術賞受賞。
共著書に、『Handbook on Physics and Chemistry ofRare Earth, Vol.21』(Elsevier Science、1995)、『新規二次電池材料の最新技術』(CMC、1997)、『水素吸蔵合金―基礎から先端技術まで』(エヌ・ティー・エス出版、1998)、『自動車用大容量二次電池』(CMC、2003)など多数。


佐藤  登(サトウノボル)
サムスンSDI Co., Ltd. Corporate R&D Center VicePresident(常務執行役員)。工学博士。(前:(株)本田技術研究所主任研究員)
1978 年横浜国立大学大学院工学研究科電気化学専攻修士課程修了、88 年東京大学より工学博士の学位授与。78 年本田技研工業(株)入社、79 〜 89 年自動車の腐食防食技術の開発に従事、90 年より(株)本田技術研究所和光基礎技術研究センターにて二次電池を主体にした環境エネルギー研究に従事。93 年和光研究所マネージャーを経て、95 年から(株)本田技術研究所主任研究員。97 年度名古屋大学工学部非常勤講師。99 〜 2000 年(社)自動車技術会「国家産業技術戦略― 自動車技術戦略―」策定委員。98 年〜 2004 年に至るまで(社)自動車技術会論文集編集委員。02 年よりAABC(Advanced Automotive Battery Conference)国際会議のセッションチェアマン。2004 年9 月よりサムスンSDI 社にヘッドハンティングにより移籍。
専門はエネルギー化学。特に二次電池と表面制御の研究。
1993 年(社)表面技術協会平成5 年度技術賞、04 年(社)表面技術協会平成16 年度技術賞を受賞。98年から02 年版に至る4 年連続“Who's Who in theWorld”(世界人名録、米国MARQUIS 社刊行)に掲載、「東京の百人」(毎日新聞、2001)に掲載。著書に、『自動車と環境の化学』(大成社、1995)、『マテリアルの事典』(分担執筆、朝倉書店、2001)、『新エネルギー自動車の開発と材料』(監修執筆、シーエムシー出版、2001)、『化学便覧― 応用編―』(分担執筆、丸善、2002)、『最新工業化学』(分担執筆、講談社サイエンティフィク、2004)、随筆『世界発掘探訪記』(鳥影社、2000)など。


里見 知英(サトミトモヒデ)
東京ガス株式会社R&D 本部技術開発部PEFC プロジェクトグループマネージャー
1977 年早稲田大学大学院理工学研究科応用化学専攻修士課程修了。77 年東京ガス株式会社入社、同技術研究所、財団法人エネルギー総合工学研究所などを経て、91 年から燃料電池の研究開発に従事、2001 年より現職。
専門はエネルギーシステム工学、化学プロセス。

杉本  諭(スギモトサトシ)
東北大学大学院工学研究科知能デバイス材料学専攻助教授。工学博士。
1984 年東北大学大学院工学研究科金属材料工学専攻博士課程前期2 年の課程修了。東北大学工学部助手、助教授を経て、95 年より現職。専門は磁性材料。特に永久磁石材料、EMC 材料など。
1995 年電気学会論文発表賞、2002 年日本金属学会功績賞受賞。
著書に、『ナノマテリアルの最新技術』(共著、シーエムシー出版)、『マテリアルの事典』(共著、朝倉書店)、『微粒子工学大系』(共著、フジテクノシステム)。


須田精二郎(スダセイジロウ)
工学院大学工学部環境化学工学科教授。工学博士。
1967 年東京都立大学大学院工学研究科博士課程修了。工学院大学工学部化学工学科講師、同助教授を経て、86 年より現職。
専門は化学工学熱力学、金属水素化物の物性とその応用。
最近の著書に、S.Suda(分担)“Aqueous BorohydrideSolutions” in Handbook of Fuel Cells Vol. 3( JohnWiley & Sons Ltd.)など多数。


高村  仁(タカムラヒトシ)
東北大学大学院工学研究科材料物性学専攻助教授。博士(工学)。
1992 年東北大学大学院工学研究科材料物性学専攻博士課程前期2 年の課程修了。東北大学工学部助手、講師を経て、2001 年より現職。2000 年12 月から科学技術振興事業団戦略的基礎研究推進事業(CREST)「資源循環・エネルギーミニマム型システム技術」研究領域において「家庭用燃料電池実現のための新たな高効率天然ガス改質システムの構築」研究代表者併任。
専門は機能性セラミックス材料。特に固体イオニクス関連材料。最近は、酸素透過性セラミックスやメタン改質触媒に関心をもつ。
1995 年日本応用磁気学会武井賞、99 年日本金属学会奨励賞、2000 年原田研究奨励賞、03 年第23 回村上奨励賞を受賞。


田中 一英(タナカカズヒデ)
名古屋工業大学名誉教授。工学博士。
1962 年東京大学工学部冶金学科卒業、67 年同大学大学院冶金学専攻博士課程修了。名古屋工業大学工学部講師、助教授を経て、83 年より教授、2003年退職。
専門は材料物性工学。特に金属物性論(現在は水素吸蔵合金に関心をもつ)。
1990 年日本金属学会論文賞受賞。著書に、『水素吸蔵合金』(共著)、『水素と金属』(深井有、内田裕久共著)、その他。


田路 和幸(トウジカズユキ)
東北大学大学院環境科学研究科環境科学専攻教授。理学博士。
1979 年学習院大学大学院自然科学研究科化学専攻修士課程修了。文部科学省、岡崎国立共同研究機構分子科学研究所助手、東北大学大学院工学研究科助教授、教授を経て、2003 年4 月より現職。
専門は物質科学。特にナノ素材を利用した光触媒の開発、フラーレン・ナノチューブの高純度化と環境科学への応用など。また、ナノスペースを対象とした評価法にも興味をもつ。


中嶋 英雄(ナカジマヒデオ)
大阪大学産業科学研究所金属材料プロセス研究分野教授。工学博士。
1971 年東北大学工学部金属材料工学科卒業、77 年同大学大学院博士課程修了。米国レンスレア工科大学博士研究員、東北大学金属材料研究所助手、同助教授、岩手大学工学部教授を経て、96 年より現職。
専門は金属物性、材料プロセス工学。特に微細孔を制御したポーラス材料学。
1992 年日本金属学会功績賞、2001 年関西ベンチャービジネス大賞、04 年日本金属学会谷川ハリス賞受賞。
著書に、『金属物性基礎講座 高圧現象』(共著、日本金属学会編)など。


林  安徳(ハヤシヤスノリ)
九州大学名誉教授。工学博士。
1962 年東京大学工学部応用物理学科卒業(66 年東京大学大学院博士課程中退)。73 年九州大学工学部講師、74 年同助教授、83 年同教授、2002 年同定年退職。
専門は表面および薄膜工学。
1988 年日本鉄鋼協会西山記念賞、93 年日本鋳物協会小林賞、2001 年粉体粉末冶金協会技術進歩賞受賞。“2001 International Association for Hydrogen EnergyPermanen Working International Scientific Committeeon Hydrogen Treatment of Materials, Diploma”。
著書に、『Hydrogen Metal Systems』(分担執筆)。


深道 和明(フカミチカズアキ)
東北大学大学院工学研究科教授。工学博士。
1967 年東北大学工学部金属材料工学科卒業、69 年同大学院金属材料工学専攻修士課程修了。東北大学金属材料研究所助手、助教授、IBM ワトソン研究所客員研究員を経て、88 年より現職。
専門は磁性材料および機能材料。特に磁気熱量材料。現在は磁気冷凍に関心をもつ。
科学技術庁長官賞、他受賞多数。
著書に、『光磁気ディスク材料』(共著)、他執筆多数。


藤井 博信(フジイヒロノブ)
広島大学自然科学研究支援開発センター特任教授。理学博士。
1968 年広島大学大学院理学研究科博士課程修了。広島大学教養学部助手、同大学総合科学部助教授を経て、86 年より同教授、2003 年自然科学研究支援開発センター長、04 年より現職。
専門は材料物性。特に磁性材料、水素貯蔵材料。
1997 年金属学会論文賞、98 年国際水素材料機能協会業績賞、2000 年中国文化賞、03 年広島大学学長賞受賞。
著書に、「Interstitially Modified Intermetallics of RareEarth and 3-d Elements」Chapter 3 in the『Handbook of Magnetic Materials Vol. 9』( Elsevier Science B. V.,1995)、『窒素侵入型磁石 セラミックス基礎工学講座シリーズ6 セラミックスの複合化― 科学と技術―』(日本セラミックス協会、1997)、『水素吸蔵合金―基礎から最先端技術まで第3 章、第11節「水素吸蔵合金の複合化とナノ構造化」』、(田村英雄監修、エヌ・ティー・エス出版、1998)、『マグネシウム技術便覧 第3 章「マグネシウムとその合金の物性、3.4 水素吸蔵特性」』(日本マグネシウム協会編、カロス出版、2000)、『図解ナノテクノロジーの全て第4 章産業別にみるナノテクノロジー・エネルギー「ナノ組成水素吸蔵材料が未来のエネルギーを拓く」』(工業調査会、2001)。


山口  明(ヤマグチアキラ)
岩手大学工学部材料物性工学科助教授。工学博士。
1986 年東京大学工学部金属材料学科卒業、88 年同大学大学院工学系研究科金属材料学専攻修士課程修了、92 年同博士課程修了。博士(工学)取得。92年東京大学生産技術研究所助手、93 年岩手大学工学部材料物性工学科講師、99 年同大学地域共同研究センター助教授、2002 年同大学工学部材料物性工学科助教授、現在に至る。
専門は薄膜材料学。特に薄膜の磁性・輸送的性質に関する研究。最近は水素との関係に興味をもつ。
著書に、『実用表面改質技術総覧』、『わかりやすい工学入門2』。


山崎陽太郎(ヤマザキヨウタロウ)
東京工業大学大学院総合理工学研究科物質科学創造専攻教授。工学博士。
1969 年東京工業大学理工学部応用化学科卒業、74年同大学大学院理工学研究科化学工学専攻博士課程修了。76 年シカゴ大学アルゴンヌ研究所研究員、81 年東京工業大学総合理工学研究科助教授を経て、97 年より現職。
専門は燃料電池の高性能化に関する研究。特にSOFC およびDMFC を中心として、ナノ構造解析に基づく材料開発を行っている。
1993 年粉体粉末冶金協会研究功績賞、94 年電気化学協会学術賞受賞。
著書に、『モバイル機器向け燃料電池の最新動向』(ED リサーチ社)、『ナノテクで進む燃料電池のマイクロ化』(分担執筆、工業調査会)、『燃料電池自動車の開発と材料』(分担執筆、シーエムシー出版)など多数。


山本 雅彦(ヤマモトマサヒコ)
大阪大学大学院工学研究科マテリアル科学専攻教授。工学博士。
1966 年大阪大学工学部冶金学科卒業、68 年同大学大学院工学研究科修士課程修了。大阪大学工学部助手、助教授を経て、89 年より現職。この間、米国コーネル大学客員研究員、同客員助教授、科研費基盤研究S 超高集積磁性メモリセル代表、科学技術振興調整費阪大フロンティア研究機構プロジェクトサブリーダー、21 世紀COE「構造・機能先進材料デザイン研究拠点形成」機能デバイスに関する研究教育プロジェクトリーダー。
専門は材料物性学、薄膜工学、表界面物理学。最近は特に、高機能・高知能をもつ人工格子・人工物質、超高集積磁性メモリセル、スピン情報の記録・伝送・演算、バイオスピニックスなど。
1973 年&92 年金属学会組織写真賞、92 年International Metallographic Award、2002 年ICMFS Best Poster Award、03 年金属学会増本量賞を受賞。
著書に、『走査型トンネル顕微鏡/原子間力顕微鏡利用技術集成』(共著、TIC 社)、『大学改革とナノテクノロジーの未来』(共著、大阪大学出版会)ほか。


吉村 博文(ヨシムラヒロフミ)
福山大学工学部機械工学科(機能材料研究室)教授。工学博士。
1966 年大阪大学大学院工学研究科博士課程修了。新日本製鉄(株)八幡・光技術研究所、カナダ国立金属材料研究所などを経て、95 年より現職。
専門は機械材料学。特に金属系機能材料。現在は生物材料に関心をもつ。
1995 年日本金属学会技術賞受賞ほか。
著書に、『機械材料学』(共著)など。