第19回「大学と科学」人体にやさしい医療材料
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石原 一彦(イシハラカズヒコ) 東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻教授 早稲田大学大学院理工学研究科博士課程修了。財団法人相模中央化学研究所博士研究員、東京医科歯科大学助手、同大学助教授、東京大学大学院助教授を経て、2000年より現職。 専門はバイオマテリアル工学。特に、ポリマー分子設計とバイオインターフェイスの創製。 2000年日本人工臓器学会技術賞、01年日本バイオマテリアル学会賞、04年井上春成賞、高分子学会三菱化学賞受賞。 著書に、『バイオマテリアルサイエンス』(共著、東京化学同人、2003年)、『ナノバイオエンジニアリングマテリアル』(監修、共著、フロンティア出版、2004年)。 井街 宏(イマチコウ) 東北大学先進医工学研究機構教授/役員、東京大学名誉教授 京都大学大学院工学系研究科機械専攻修士課程修了。日立化成株式会社、東京大学医学部医用電子研究施設助手、同大学助教授、同大学教授、東京大学先端科学技術研究センター教授(兼任)、同大学大学院医学系研究科医用生体工学講座教授を経て、2004年より現職。 専門は人工臓器(特に人工心臓、人工弁)、医用材料、医用工学(生体計測、医用レーザー、サーモグラフィなど)、医用マイクロマシン。 1978年人工心臓功績賞(チェコスロバキア、プルキンエ大学)、94年日本ME 学会論文賞、2000年米国医用生体工学院(AIMBE)特別会員、02年日本人工臓器学会論文賞受賞。 著書に、『医用生体工学』(共著、培風館、2000年)、『ヒト、人、人間』(共著、東京大学出版、2002年)など34編(いずれも共著)。 江刺 正喜(エサシマサヨシ) 東北大学未来科学技術共同研究センター教授 東北大学大学院工学研究科博士課程電子工学専攻修了。東北大学工学部助手、同大学助教授、1990年同大学教授を経て、98年より現職。 専門は半導体微細加工技術によるセンサ・MEMS(微小電気機械システム)、低侵襲医療。 2004年第3回産学官連携推進会議文部科学大臣賞受賞。 著書に、『半導体集積回路設計の基礎』(培風館、1986年)、『マイクロマシーニングとマイクロメカトロニクス』(共著、培風館、1992年)。 大谷内哲也(オオヤウチテツヤ) テルモ株式会社生活医療カンパニーDM事業甲府東工場DM開発技術課課長代理 日本大学大学院理工学研究科機械工学専攻修士課程修了。1992年テルモ株式会社入社、同社研究開発センターなどを経て、99年から針を用いた医療デバイスの研究開発に従事、2004年より現職。 専門は流体力学、機械加工。 岡崎 正之(オカザキマサユキ) 広島大学大学院医歯薬学総合研究科教授。工学博士。 京都大学工学部卒業、同大学大学院工学研究科化学工学専攻博士課程修了。大阪大学歯学部助手、同大学講師、同大学助教授を経て、1999年より現職。 専門は生体材料学。特に、アパタイトの合成。最近は硬組織形態形成に興味をもつ。 1993年日本人工臓器学会大会優秀賞、2003年日本歯科理工学会論文賞受賞。 著書に、『歯と骨をつくるアパタイトの化学』(東海大学出版、1992年)、『人工臓器はいま』(共著、日本人工臓器学会編、はる書房、2003年)。 岡野 光夫(オカノテルオ) 東京女子医科大学先端生命医科学研究所所長/教授 早稲田大学理工学部応用化学科卒業、同大学大学院博士課程修了。東京女子医科大学助手、同大学講師、Utah 大学助教授、東京女子医科大学助教授を経て、1994年より現職。99年より医用工学研究施設施設長(兼任)、2001年より先端生命医科学研究所所長(兼任)。 専門はバイオマテリアル、人工臓器、ドラッグデリバリーシステム、再生医工学など。特に、高分子の微細構造を制御することにより初めて可能となる再生医学的機能を追及している。 1983年科学新聞賞、90年、95年、96年にOutstanding Paper 賞(米国コントロールリリース学会)、92年バイオマテリアル学会賞、97年ClemsonAward for Basic Research(米国Society for Biomaterials)、98年高分子学会賞、2000年Fellow, Biomaterials Science and Engineering, Founders Award. Controlled Release Society 受賞。 著書に、『Biorelated Polymers and Gels』(Academic Press、1998年)、『Hydrogels in Medicine and Pharmacy』(CRC、1987年)、『Advances in Polymeric Systems for Drug Delivery』(Gordon and Breach Sci. Pub.、1994年)など。 片岡 一則(カタオカカズノリ) 東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻教授、東京大学大学院医学系研究科附属疾患生命工学センター教授。工学博士。 1974年東京大学工学部合成化学科卒業、79年同大学大学院工学系研究科合成化学専攻博士課程修了。東京女子医科大学助手、同大学助教授、東京理科大学教授を経て、98年より現職。2001〜 04年独立行政法人物質・材料研究機構生体材料研究センターディレクター(兼任)、04年より東京大学大学院医学系研究科附属疾患生命工学センター教授(併任)。1992年、96年パリ大学客員教授。 専門は高分子ナノテクノロジーを利用した薬物・遺伝子デリバリーシステムの開発、外部刺激に応答して物性を変化させるインテリジェント材料の開発、再生医療のための材料設計など。 1993年日本バイオマテリアル学会賞、94年Controlled Release Society(U.S.A.), Journal of Controlled Release, Outstanding Paper Award、96年日本人工臓器学会「JSAO-grant-MERA」賞、Controlled Release Society( U.S.A.), Outstanding Pharmaceutical Paper Award、99年Fellow of the American Institute for Medical and Biological Engineering(AIMBE)、99年日本ME学会論文賞(阪本賞)、2000年高分子学会賞、04年Fellow, International Union of Societies for Biomaterials Science and Engineering(IUSBSE)、05年Clemson Award for Basic Research(米国Society for Biomaterials)受賞。 田畑 泰彦(タバタヤスヒコ) 京都大学再生医科学研究所生体組織工学研究部門生体材料学分野教授、大阪大学大学院医学研究科未来医療開発専攻教授(併任)。京都大学工学博士。京都大学医学博士。京都大学薬学博士。 京都大学工学部高分子化学科卒業、1998年京都大学工学博士取得、2002年京都大学医学博士取得、03年京都大学薬学博士取得。京都大学医用高分子研究センター助手、京都大学生体医療工学研究センター助手、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)および米国ハーバード大学医学部外科客員研究員、生体医療工学研究センター助教授を経て、2000年より現職。内閣府総合科学技術会議ナノテクノロジー構想検討会委員。 専門は生体材料、生体吸収性材料、生体組織工学(再生医療)、ドラッグデリバリーシステム(DDS)、幹細胞工学。基礎生物医学研究および医療(治療、予防、診断)に応用可能な材料、技術、方法論などを材料科学の観点から研究開発する。研究成果の世の中への還元と生命科学のわかる材料研究者の育成が目標。 1990年日本バイオマテリアル学会科学奨励賞、2002年日本バイオマテリアル学会学会賞受賞。 主な著書に、『ここまで進んだ再生医療の実際』(羊土社、2003年)、『ドラッグデリバリーシステムDDS 技術の新たな展開とその活用法』(メディカルドゥ、2003年)、『再生医療のブレイクスルー−その革新技術と今後の方向性−』(メディカルドゥ、2004年)など。 長崎 幸夫(ナガサキユキオ) 筑波大学学際物質科学研究センター教授、同大学大学院数理物質科学専攻物質工学系教授。工学博 士。 東京理科大学大学院工学研究科工業化学専攻博士課程修了。東京理科大学工学部助手、同大学基礎工学部助手、米国マサチューセッツ大学客員研究員、東京理科大学基礎工学部講師、同大学助教授、同大学教授を経て、2004年より現職。この間、東京理科大学ハイテク・リサーチ・センター先端材料研究部門研究センター研究員、同大学オープン・リサーチ・センターケミカルナノテクノロジー部門長、同大学総合研究所員を兼任。 専門は高分子合成、機能性高分子材料、生体機能材料、ナノ粒子・ナノ表面設計。 中嶋 英雄(ナカジマヒデオ) 大阪大学産業科学研究所金属材料プロセス研究分野教授 1971年東北大学工学部金属材料工学科卒業、77年同大学大学院工学研究科金属材料工学専攻博士課程修了。77年米国レンスレア工科大学博士研究員、80年東北大学金属材料研究所助手、同大学助教授、岩手大学工学部教授を経て、96年より現職。 専門は材料プロセス工学、特にポーラス材料学、および金属物性。最近はロータス型ポーラス金属、半導体、セラミックスの製造技術、量産化技術、それらの物理的化学的性質に興味をもつ。また、ポーラス材料を用いた医療器具、航空機部材、電子機器や機械部材などの開発も行っている。 2001年関西ベンチャービジネス大賞、04年日本金属学会谷川・ハリス賞受賞。 著書に、『金属物性基礎講座・高圧現象』(共著、日本金属学会編)など。 長野 聡(ナガノサトシ) 朝日インテック株式会社メディカル事業部研究開発グループ副グループマネージャー 大阪電気通信大学精密工学科卒業。1985年朝日インテック株式会社入社、85〜 88年ステンレス鋼の細線化および熱処理技術について従事、89〜 91年メディカル関係の生産技術に従事、91年より現職。 中山 泰秀(ナカヤマヤスヒデ) 国立循環器病センター研究所先進医工学センター生体工学部室長、北海道大学大学院工学研究科客員教授(併任)。工学博士。 大阪大学工学部応用精密化学科卒業、同大学大学院工学研究科応用精密化学専攻博士課程修了。ヒューマンサイエンス振興財団研究員、国立循環器病センター研究所研究員を経て、1997年より現職。 専門は血管内治療、組織工学、再生医療、遺伝子治療。 1998年日本バイオマテリアル学会科学奨励賞、98年日本人工臓器学会オリジナル賞、2001年、02年欧州人工臓器学会Young Researcher Award、02年日本再生医療学会優秀演題賞受賞。 野一色泰晴(ノイシキヤスハル) 横浜市立大学大学院医学研究科人工臓器科学教授、日本外科学会指導医、日本外科学会専門医。医学 博士。 岡山大学医学部卒業。岡山大学大学院医学研究科講師、米国ミネソタ州大学バイオメディカルエンジニアリング非常勤講師、米国アリゾナ大学医学部客員教授、オランダグローニンゲン大学医学部客員教授、米国スタンフォード大学特別科学者を経て、1991年より現職。2002年より厚生労働省薬事・食品衛生審議会専門委員(兼任)、早稲田大学理工学総合研究センター客員教授(兼任)。 専門は血管外科学および人工臓器基礎医学。特に、組織工学的手法による人工臓器の機能向上に関する研究。現在は細胞の誘導による人工臓器の特殊機能発揮促進のための材料工学に興味をもつ。 1978年結城賞、94年日本人工臓器学会オリジナル賞、96年米国人工臓器学会Nose’ International Prize、98年日本人工臓器学会論文賞受賞。 著書に、『組織工学入門』(共著、名古屋大学出版会、1997年)、『バイオマテリアルと生体』(共著、中山書店、1998年)、『人工臓器の機能原理』(共著、社団法人日本機械学会編、丸善、2004年)など。 塙 隆夫(ハナワタカオ) 東京医科歯科大学生体材料工学研究所教授 北海道大学工学部金属工学科卒業。北海道大学歯学部助手、徳島大学歯学部助教授、独立行政法人物質・材料研究機構生体材料研究センター副センター長を経て、2004年より現職。 専門は生体材料学。特に、生体用金属材料。最近は高分子と金属の複合化に興味をもつ。 1995年日本バイオマテリアル学会科学奨励賞、2000年科学技術庁長官賞業績表彰、01年日本金属学会 功績賞、04年日本金属学会技術開発賞受賞。 著書に、『エコマテリアル学― 基礎と応用』(共著、日科技連、2002年)、『界面ハンドブック』(共著、エヌ・ティー・エス、2001年)、『金属系バイオマテリアルの基礎と応用』(共著、アイピーシー、2000年)など。 樋口 裕一(ヒグチユウイチ) 大阪歯科大学高齢者歯科学講座講師。歯学博士。 大阪歯科大学卒業、同大学大学院博士課程修了。大阪歯科大学助手を経て、1997年より現職。 専門は歯科補綴学。特に、高齢者におけるインプラントの活用。 著書に、『Adsorption of Glycosaminoglycans to Titanium Specimen』、『Evaluation of Ingestion and Swallowing of the Elderly People Using Gnathohexagraph』など多数。 堀池 浩(ホリイケヤスヒロ) 独立行政法人物質・材料研究機構生体材料研究センターフェロー。工学博士。 1968年早稲田大学大学院理工学研究科応用物理専攻物性物理専修修士課程修了。68年東京芝浦電気株式会社入社、88年広島大学工学部第二類(電気系)教授、93年東洋大学工学部電気電子学科教授、98年東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻教授を経て、2003年より現職。 専門は微細加工。最近はそのバイオチップ創製応用に興味をもつ。 1983年科学技術庁長官賞研究功績者賞、93年SSDM(Sold State Device and Material Conference)Award、99年AVS(米国真空学会)フェロー賞など受賞。 著書に、『バイオナノテクノロジー』(堀池、片岡編著、オーム社、2003年)、『はじめての半導体洗浄技術』(堀池、小川共著、工業調査会、2002年)など。 前田 瑞夫(マエダミズオ) 独立行政法人理化学研究所中央研究所主任研究員。工学博士。 東京大学工学部合成化学科卒業、同大学大学院工学系研究科博士課程修了。東京大学助手、九州大学助教授、同大学教授を経て、2002年より現職。 専門は高分子化学と分析化学。特に、生体高分子複合体を用いた新しい計測法の開発。 著書に、『バイオ材料の基礎』(岩波書店、2005年)。 松下 富春(マツシタトミハル) 日本メディカルマテリアル株式会社顧問。工学博士。 同志社大学大学院工学研究科博士課程修了。1970年株式会社神戸製鋼所入社、同社中央研究所主任研究員、同社プロセス技術研究所長、同社理事・医療材料部長を経て、2004年より現職。 専門は生産技術。特に、塑性加工学および生体材料。 1978年日本塑性加工学会論文賞、84年日本塑性加工学会会田技術奨励賞、95年神戸市技術功労者表彰、99年日本金属学会技術開発賞、ほか多数受賞。 著書に、『新編 塑性加工学』(分担執筆、養賢堂、1983年)、『塑性加工技術シリーズ押出し加工』(分担執筆、コロナ社、1991年)。 森 有一(モリユウイチ) 早稲田大学理工学総合研究センター客員教授、メビオール株式会社代表取締役社長。工学博士。 早稲田大学理工学部応用物理学科卒業。東レ株式会社、テルモ株式会社、W.R.Grace を経て、1995年より現職。 専門は高分子科学、生医学材料、人工臓器、再生医療。 安田 尚之(ヤスダナオユキ) 厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室室長補佐 1991年大阪大学薬学部製薬化学科卒業。91年厚生省入省(薬務局監視指導課)、93年通商産業省機械情報産業局宇宙産業課総括係長、95年厚生省生活衛生局企画課生活化学安全対策室化学物質係長、98年同省化学物質安全管理専門官、経済協力開発機構(OECD)出向(環境局環境保健安全課)、2001年厚生労働省医薬局審査管理課課長補佐を経て、03年より現職。 吉川 秀樹(ヨシカワヒデキ) 大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学(整形外科)教授。医学博士。 大阪大学医学部医学科卒業、同大学大学院医学研究科博士課程修了。大阪大学医学部附属病院医員、同院研究生(整形外科)、米国Kansas 大学病理学教室研究員、米国Memorial Sloan-Kettering Cancer Center 整形外科研究員、大阪大学医学部(整形外科)助手、大阪府立成人病センター整形外科部長、大阪大学医学部(整形外科)講師を経て、1999年より現職。 専門は骨軟部腫瘍外科、骨再生、骨代謝。最近は人工骨と骨形成因子(BMP)による骨の再生医療、レーザー加工による新規人工関節の開発に興味をもつ。 1991年日本整形外科学会奨励賞、96年日本骨代謝学会学術賞、2000年整形外科災害外科学研究助成財団ジンマージャパン奨励賞受賞。 著書に、『整形外科の最新医療−骨組織再生の促進』(分担執筆、先端医療技術研究所、2003年)など。 |