第19回「大学と科学」今、世界のことばが危ない！－グローバル化と少数者の言語

第19回「大学と科学」今、世界のことばが危ない！－グローバル化と少数者の言語－

佐々木　冠（ササキカン）
札幌学院大学商学部助教授。博士（言語学）。
1989年筑波大学第一学群人文学類卒業、96年筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科単位取得退学。96年日本学術振興会特別研究員、99年博士号取得（言語学、筑波大学）。99年筑波大学文芸・言語学系助手を経て、2001年より現職。
著書に、『水海道方言における格と文法関係』（くろしお出版）など。

笹倉いる美（ササクライルミ）
北海道立北方民族博物館学芸員
1990年北海道大学文学部卒業。

笹間　史子（ササマフミコ）
大阪学院大学情報学部助教授。博士（文学）。
1991年東京外国語大学外国語学部卒業、95年北海道大学大学院文学研究科修士課程修了、98年京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学、2001年博士号取得（文学、京都大学）。98～99年日本学術振興会特別研究員、2000年大阪学院大学情報学部講師を経て、05年より現職。
論文に、「On the occurrence of plural forms in Coast Tsimshian」（『言語研究』113）など。

白井　聡子（シライサトコ）
京都大学大学院文学研究科言語学専修講師。文学修士。
1997年京都大学文学部文学科卒業、99年同大学大学院文学研究科修士課程修了（文学修士）、2000～01年四川大学漢語系高級進修生、03年京都大学大学院文学研究科博士後期過程学修退学。03年4～9月日本学術振興会特別研究員（東京大学大学院人文社会系研究科）を経て、03年10月より現職。
論文に、「現代チベット語の名詞修飾構造」（『言語研究』116）、「ゲシツァ語における動詞の人称表示システムについて」（『京都大学言語学研究』21）など。

菅原　和孝（スガワラカズヨシ）
京都大学大学院人間・環境学研究科共生文明学専攻教授。理学博士（京都大学）。
1973年京都大学理学部動物学科卒業、75年同大学大学院理学研究科修士課程修了（理学修士）、80年同大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学。80年北海道大学文学部助手、81年京都大学理学博士号授与、88年京都大学教養部助教授、92年京都大学総合人間学部助教授、97年京都大学総合人間学部教授を経て、2003年より現職。
著書に、『身体の人類学―カラハリ狩猟採集民グウィの日常行動』（河出書房新社）、『語る身体の民族誌―ブッシュマンの生活世界Ⅰ』（京都大学学術出版会）、『会話の人類学―ブッシュマンの生活世界II』（京都大学学術出版会）、『もし、みんながブッシュマンだったら』（福音館書店）、『感情の猿＝人』（弘文堂）、『ブッシュマンとして生きる―原野で考えることばと身体』（中央公論新社）など。

田村　すゞ子（タムラスズコ）
早稲田大学名誉教授
1956年東京大学文学部言語学科卒業、58年同大学大学院人文科学研究科言語学専門課程修士課程修了（文学修士）、私立札幌慈恵女子高等学校教諭、62年同専門課程博士課程単位取得終了。早稲田大学語学教育研究室（同年10月より「研究所」）助手、63年同研究所専任講師、67年同研究所非常勤講師、株式会社テック社員東京言語研究所出向、74年早稲田大学語学教育研究所助教授、79年同研究所教授、2002年7月米国ユタ大学言語学科客員教授、04年3月早稲田大学定年退職。
1973年5月金田一京助博士記念賞受賞。
著書に、『アイヌ語沙流方言辞典』（草風館）、『アイヌ語音声資料』（12巻＋索引等、早稲田大学語学教育研究所、巻により単著、共著）、『The Ainu Language』（三省堂、『言語学大事典』の「アイヌ語」、米人による英訳）など。

千葉　庄寿（チバショウジュ）
麗澤大学外国語学部助教授。文学修士。
1993年東北大学文学部卒業、97年同大学大学院文学研究科修了、2001年東京大学大学院人文社会系研究科満期退学。同年麗澤大学外国語学部専任講師を経て、2004年より現職。
専門はフィンランド語と言語学。言語データの電子化と言語研究への応用に興味をもち、情報処理による言語調査研究支援の立場から特定領域研究「環太平洋の＜消滅に瀕した言語＞にかんする緊急調査研究」（ELPR）に参加。2003年より日本言語学会危機言語小委員会委員。著書に、『危機言語のコーパスの構築のために』（ELPR 報告書）など。

津田　幸男（ツダユキオ）
筑波大学大学院人文社会科学研究科現代文化・公共政策専攻教授。Ph.D.。
東京都立雪谷高校英語教師を4年半務めた後、2度にわたる留学を経て1985年に南イリノイ大学より博士号（Ph.D.）を取得。日本に帰国後、長崎大学助教授、名古屋大学教授を経て、2001年より現職。
専門は国際コミュニケーション論、国際言語政策論、社会言語学、英語教育。
著書に、『Language Inequality and Distortion』（John Benjamins 社（オランダ）、1986年）、『英語支配の構造』（第三書館、1990年）『英語支配への異論』（編著、第三書館、1993年）、『侵略する英語反撃する日本語』（PHP 研究所、1996年）、『日本人と英語：英語化する日本の学際的研究』（編著、国際日本文化研究センター（日文研叢書14）、1998年）、『英語下手のすすめ』（KK ベストセラーズ社、2000年）、『グローバル・コミュニケーション論～対立から対話へ』（関根久雄と共編著、ナカニシヤ出版、2002年）、『英語支配とは何か』（明石書店、2003年）『アメリカナイゼーション』（浜名恵美と共編著、研究社、2004年）など。

角田　太作（ツノダタサク）
東京大学大学院人文社会系研究科言語動態学講座教授。Ph.D.。
1970年東京大学文学部卒業、74年モナシュ大学（豪州）大学院修士課程修了（M.A.）、79年同大学博士課程修了（Ph.D.）。77年グリフィス大学（豪州）言語センター講師、79年名古屋大学文学部助教授、90年筑波大学文芸言語学系助教授。93年同大学教授。94年東京大学文学部教授を経て、98年より現職。
第17回国際言語学者会議（2003年、プラハ）で基調講演を行い、ワルング語の復活運動について報告した。
著書に、『The Djaru language of Kimberley, Western Australia』（ Canberra : Pacific Linguistics, Australian National University）、『世界の言語と日本語』（くろしお出版）、『Language endangerment and language revitalization』（ Berlin and New York : Mouton de Gruyter）など。

津曲　敏郎（ツマガリトシロウ）
北海道大学大学院文学研究科歴史地域文化学専攻教授
1974年北海道大学文学部文学科卒業、76年同大学大学院文学研究科修士課程修了（言語学専攻、文学修士）、77年同大学大学院博士後期課程中退。同年北海道大学文学部助手、88年小樽商科大学商学部助教授、91年同大学言語センター助教授、96年同センター教授、98年北海道大学文学部教授を経て、2000年より現職。
専門はツングース諸語を中心とする北方少数民族言語学。
著書に、『満洲語入門20講』（大学書林、2002年）、『ビキン川のほとりで：沿海州ウデヘ人の少年時代』（訳、北海道大学図書刊行会、2001年）、『北のことばフィールド・ノート： 18の言語と文化』（編著、北海道大学図書刊行会、2003年）など。

中山　俊秀（ナカヤマトシヒデ）
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助教授。Ph.D.。
1982年東京外国語大学外国語学部英米語学科卒業、90年カンザス大学大学院言語学研究科一般言語学専攻修士課程修了（M.A.）、97年カリフォルニア大学サンタ・バーバラ校大学院言語学研究科一般言語学専攻博士課程修了（Ph.D.）。97年モントクレア州立大学（米ニュージャージー州）人文社会学部言語学科助教授を経て、2001年より現職。
1991年以来、ヌートカ語のフィールドワークを続けている。
著書に、『Nuu-chah-nulth（Nootka）Morphosyntax』（University of California Press）など。

稗田　乃（ヒエダオサム）
大阪外国語大学外国語学部地域文化学科教授。文学博士。
1976年京都大学文学部卒業、84年同大学大学院博士後期課程修了。84年大阪工業大学工学部講師、88年大阪外国語大学講師、88年同大学助教授を経て、2001年より現職。2005年文学博士。
アフリカ、エチオピア、スーダン、ケニア、タンザニア、ウガンダで言語調査を行う。著書に、「A sketch of Koegu grammar; Towards reconstructing Proto-Southeastern Surmic」（『Surmic Languages and Cultures』、Rudiger Koppe）など。

宮岡　伯人（ミヤオカオサヒト）
大阪学院大学情報学部教授。文学博士。
京都大学大学院文学研究科修士課程修了。小樽商科大学商学部、東京外国語大学外国語学部、北海道大学文学部、京都大学文学研究科教授を経て、現職。この間、アラスカ大学客員助教授－研究員（67～ 69年、73年、77～ 84年）、ラ・トローブ大学言語類型論研究所客員研究員（2004年）を兼任。
1987年サントリー学芸賞受賞。
著書に、『エスキモー極北の文化語』（岩波新書、1987年）、『＜語＞とはなにかエスキモー語から日本語をみる』（三省堂、2002年）など。

村崎　恭子（ムラサキキョウコ）
元横浜国立大学教授
1962年東京大学文学部言語学科卒業（文学士）、64年同大学大学院人文科学研究科言語学専攻修士課程修了（文学修士）、67年同大学大学院人文科学研究科言語学専攻博士課程単位取得満期退学。67年東京言語研究所専任研究員、72年東京外国語大学付属日本語学校助教授、83年北海道大学教授、92年横浜国立大学教授、2002年同大学を定年退官。
1960年学部3年のときから1994年まで戦後樺太から北海道に移住した樺太アイヌ古老と交流してアイヌ語を習う。研究課題は「樺太アイヌ語の記述的研究」。大学退職後はフリーな立場でライフワークの「アイヌ語研究と教育」に取り組んでいる。2002年8月より岩手県一関で「村崎アイヌ語塾」（東北アイヌ語地名研究会主催）を開講して現在に至る。
著書に、『浅井タケ口述　樺太アイヌの昔話』（編訳、草風館、2001年）、『浅井タケ口述　樺太アイヌの昔話CD 版』（編集、草風館、2001年）、「樺太アイヌ民俗誌」（『東北学7』、東北芸術工科大学東北文化研究センター、2002年）、「樺太アイヌの人々」（『アイヌの歴史と文化Ⅱ』、創童舎、2004年）など。