第17回「大学と科学」動物の形作り−その最前線と新展開
Aセッション●形づくりの枠組みを決める
原腸形成の分子機構  上野 直人
原腸形成とは/原腸形成研究とショウジョウバエの翅の毛
原腸形成における細胞運動/原腸形成を制御する分子メカニズム
原腸形成制御を制御する因子の同定/おわりに

動物の繰り返し構造を作る仕組み  相賀裕美子
体節形成における前後極性の確立/体節の前後極性確立の分子機構
転写因子Mesp2遺伝子の機能/Mesp2遺伝子による前後極性の形成機構
Mesp2遺伝子は体節の上皮化にも関与/細胞間の反発作用
マウスのMesp2遺伝子はゼブラフィッシュでも機能する

細胞に位置情報を与えるメカニズム  多羽田哲也
はじめに/モデル生物で発生の謎を解く
細胞はシグナルの濃度勾配を読みとって自分の位置を知る/翅形成の基本原理
翅脈の形成とモルフォゲン/モルフォゲン勾配をつくるメカニズム
モルフォゲンの拡散機構

四肢の発生から再生へ  井出 宏之
四肢の発生/再構成肢芽での多指形成/肢芽の前側と後側の相互作用
四肢再生の誘導/四肢再生に働く誘導物質/カエル成体の四肢の再生

Bセッション●組織化した器官をつくる
足の組織パターンを作り出す仕組み  黒岩  厚
ホメオティック遺伝子の脊椎動物における機能
四肢形成における骨格と筋・腱/四肢形成とHox遺伝子の発現様式
腱パターン形成とマーカ遺伝子/四肢の軟骨形成とSix2遺伝子の発現パターン
Hoxa-13の作用/まとめ

神経系の分化を制御する  岡野 栄之
はじめに/神経上皮の誘導とパターン形成
中枢神経系の背腹軸パターン形成の分子メカニズム/中枢神経系の前後軸形成
前脳領域における背腹パターンの形成/ニューロンとグリア細胞の誕生と移動
神経幹細胞からニューロン前駆体への分化の分子機構/神経幹細胞の分化誘導
神経幹細胞を利用した再生治療

動物の大きさはどのように決まるか  西田 育巧
はじめに/動物の大きさをきめる要因/大きさの保持と成虫原基
成虫原基の大きさを制御する分子機構/複眼形成とgcc遺伝子/おわりに

消化器官のできかたと細胞間の情報伝達  八杉 貞雄
組織と器官/ニワトリ胚での消化器官形成/上皮−間充織相互作用
前胃間充織からの誘導物質の解析
前胃上皮における腺上皮と内腔上皮への分化機構
前胃腺上皮細胞におけるECPg遺伝子の発現調節
間充織の領域化における上皮の作用/まとめと今後の課題

Cセッション●形の進化と多様性
プラナリアから見た脳の進化  梅園 良彦/阿形 清和
はじめに:脳の進化を考えなおす/プラナリアの神経系
プラナリアの脳内での遺伝子発現と領域性/プラナリアの脳形成にかかわる遺伝子
神経細胞の多様性と脳の進化/遺伝子ネットワークの複雑化と脳の進化

生きている祖先型脊椎動物の化石・ウニ胚の形づくり 赤坂 甲治 82
はじめに/モデル生物としてのウニの特徴/ウニ胚の発生・分化
ウニにおける頭部形成にかかわる遺伝子の働き
ウニにおけるOtx遺伝子の標的遺伝子/Otxは形態形成運動を調節する
脳がない動物でのT-brainの役割/HpTb発現と小割球の分化カスケード
今後の課題

肢の形態の多様性とその進化のメカニズム  野地 澄晴
昆虫の脚の形態の多様性/最近の発生生物学でえられた重要な概念
ツールキット遺伝子について/ヘッジホッグ遺伝子の働き
脚形成におけるツールキット遺伝子の発現と調節
昆虫の脚の移植により過剰肢が再生誘導される
遺伝子発現調節領域の進化の分子メカニズム

脊椎動物の形と進化:種形成の分子機構  岡田 典弘
進化の分子メカニズムの解明へ/形態の多様性対ゲノムの多様性
レトロポゾンと遺伝子の多様化/ビクトリア湖産シクリッド
シクリッドのゲノム比較/顎部に発現する遺伝子のゲノム比較
視覚系、オプシン遺伝子の種形成への関与
光環境が異なる湖でのLWS遺伝子のゲノム比較/種形成にかかわる遺伝子研究
生殖的隔離を引き起こす遺伝子

Dセッション●形の進化と多様性ボディープランの展開
器官形成のしくみを探る  浅島  誠
軟骨の形成/試験管内で拍動する心臓の形成
試験管で分化誘導した心臓原基の生体移植/試験管でつくった腎臓の生体移植
腎臓形成の遺伝子発現カスケード/眼をアニマルキャップから分化誘導/おわりに

動物の変態にみられる形づくり  吉里 勝利
変態を支配する物質:甲状腺ホルモン/皮膚の変態/尾域と頭胴域の皮膚
表皮と間充織の相互作用/皮膚変換中心の尾部への移行阻害機構

神経形成と脳研究の今後の展開  仲村 春和
神経管の形成/脳の各領域の発生様式と遺伝子
異所的移植による脳胞の発生運命の解析/脳の領域形成のメカニズム
Fgf8による誘導作用/Fgfシグナルの流れ

眼をつくる:パーツを生み出す細胞の力と器官形成のプログラム  近藤 寿人
眼の器官形成/水晶体をつくる条件/器官としての眼をつくる
下垂体原基から水晶体分化は可能か/組織ごとに異なった調節領域
眼のパーツの修復としての水晶体再生/まとめ

Eセッション●次世代の生命科学を切り開く
網羅的遺伝子解析の先にみえてくるもの:ホヤを例に  佐藤 矩行
なぜ網羅的か、なぜホヤか/脊椎動物の起源と進化:ホヤの進化的位置
研究プロジェクト/ホヤのEST解析/発生遺伝子の空間的発現パターン
遺伝子の時間的発現パターン/ホヤのゲノム/ゲノムからみたホヤの遺伝子
まとめにかえて

ショウジョウバエの生殖細胞の形成メカニズム  小林  悟
極細胞を形成するメカニズム/mtlrRNAとmtsrRNAの分布
ミトコンドリアの翻訳系が極細胞形成に必要か
極細胞から生殖細胞への分化メカニズム/ナノスを欠く極細胞の発生運命の解析

遺伝子に書き込まれた神経系の設計図を読み取る  岡本  仁
ゼブラフィッシュ:脊椎動物の新しい遺伝学的モデル実験動物
ゼブラフィッシュの脊髄での運動神経細胞の特異化
ケージドRNAを使った光による遺伝子操作
ゼブラフィッシュの中脳視蓋部と小脳原基の特異化
ゼブラフィッシュを使えば生きた胚のなかで神経軸索伸展をみることができる
Islet-1遺伝子の運動神経細胞や感覚神経細胞に特異的に発現する機構は、ゼブラフィッシュ、
ヒト、マウスの間で保存されている
ゼブラフィッシュを使った大規模突然変異スクリーニング
突然変異から原因遺伝子を突き止めるには遺伝子の方言(多型)を利用する/おわりに

動物のパターン形成と波の理論  近藤  滋
なぜ、動物の模様なのか/模様をつくりだす情報はどこからくるか
模様は、波/模様が波であることの証明実験/斑点の分裂、挿入
遺伝子と模様の関係