遺伝子制御による「選択的シナプス強化・除去」機構の解明
シナプス可塑性におけるスパインアクチン動態の重要性
三菱化学生命科学研究所 (MITILS)/横浜国立大学大学院環境情報研究院 井ノ口 馨
1.シナプス形態の制御とシナプス可塑性/1)脳の神経回路/2)シナプス形態の可塑性/3)アクチン細胞骨格とシナプス形態/
2.シナプス可塑性とスパインアクチンの動態/1)LTPにともなうスパイン内のF-アクチン制御/2)LTPの持続とスパインアクチンの動態/3)スパインアクチン動態の制御シグナル/4)アクチン関連蛋白質の動態/
おわりに

アクチビンによるシナプス形態およびシナプス可塑性の制御
三菱化学生命科学研究所(MITILS) 笠井 陽子
三菱化学生命科学研究所(MITILS)/横浜国立大学大学院環境情報研究院  井ノ口 馨
1.海馬の長期増強にともない発現誘導される遺伝子/2.アクチビン/3.アクチビンによるスパイン形態の調節/4.アクチビンによるシナプスの調節/5.アクチビンによる海馬LTPの保持時間の調節/6.まとめ

登上線維−プルキンエ細胞シナプスの生後発達
金沢大学大学院医学系研究科   橋本 浩一/狩野 方伸
はじめに/1.将来残存する登上線維の選別過程/1)多重支配登上線維の相対的シナプス強度の生後変化/2)シナプス選別に伴う電気生理学的性質の変化/3)登上線維間の強弱の形成と、過剰登上線維の除去について/4)生後発達期における登上線維分化のまとめ/
2.過剰登上線維の除去過程/1)平行線維シナプス形成/2)代謝型グルタミン酸受容体1型(mGluR1)と関連するシグナル伝達系/3)NMDA受容体/4)後期シナプス除去過程と、平行線維シナプスのかかわりについて/おわりに

海馬シナプスの修飾機構におけるシナプス機能分子の役割
東京大学医科学研究所 基礎医科学部門  真鍋 俊也
はじめに/1.グルタミン酸受容体/1)NMDA受容体/2)カイニン酸受容体/
2.細胞接着分子/1)カドヘリン11/2)テレンセファリン/3)HNK-1抗原/
3.リアノジン受容体/4.グルタミン酸トランスポーター/おわりに

シナプスを形作る蛋白分子間相互作用
東京医科歯科大学大学院医歯学綜合研究科  畑  裕
はじめに/1.後シナプス肥厚を構成する蛋白分子/2.細胞接着分子がシナプスにおいてはたす役割/3.接着分子neuroliginの同定/4.Neuroliginとシナプス形成/5.Neuroliginの異常と高次機能障害/6.接着分子neuroliginを裏打ちする蛋白質/7.PSD-95とS-SCAMの違い/8.S-SCAMのシナプス局在/9.NeuroliginとS-SCAM、PSD-95の局在/10.NeuroliginとS-SCAM、PSD-95の相互作用/11.S-SCAMとAxinの相互作用/12.NeuroliginとS-SCAMによるシグナル伝達/13.PSD-95とBEGAINの相互作用/14.そのほかのPSDの分子の集積/おわりに

ネクチン系細胞接着分子とシナプス形成
三重大学医学部  溝口 明/木村 一志/栢原 哲郎
要 約/はじめに/1-1.ネクチン系細胞接着分子の生化学的特徴/1-2.ネクチン系細胞接着分子の結合活性/1-3.ネクチン系細胞接着分子の上皮細胞における局在/1-4.上皮細胞間接着おけるネクチン系の作用機構/1-5.ネクチン-アファジン系接着機構の発生生物学的機能/2-1.脳におけるネクチン系の局在/2-2.ネクチン系細胞接着分子と疾患/2-3.ネクチン1型結合機能障害によるシナプス形成障害/2-4.ネクチン1型欠失マウスにおけるシナプス形成異常/2-5.カドヘリン系や他のイムノグロブリン系細胞接着分子とシナプス形成/2-6.細胞接着分子の変異と精神神経疾患/2-7.今後の展望、知る科学から治っていただく科学へ

AMPA型受容体の数の調節によるシナプス可塑性機構
北里大学医学部  板倉 誠/高橋正身
1.序論/2.AMPA型受容体結合タンパク質/1)GRIP/2)PICK1/3)SAP97/4)Cacng2(Stargazin)/
3.Cacng2およびCacng8によるAMPA型受容体の局在制御/1)シナプス膜上においてCacng2とCacng8は異なる細胞膜ドメイン上に存在する/2)Cacng2と異なりCacng8は樹状突起内の細胞内小胞にも存在している/3)Cacng8を含む細胞内小胞には成熟したAMPA型受容体(GluR1、GluR2)が含まれている/4)Cacng8を含む細胞内小胞にはエクソサイトーシスとエンドサイトーシスの両方の関連タンパク質が含まれていた/5)Cacng2とCacng8は異なるリン酸化機構によって制御されている/6)TRAPsファミリーによるAMPA型受容体制御機構のこれからの展開/
3.まとめ

索引