解き明かされる脳の不思議−脳科学の未来−
機構長挨拶
志村 令郎 自然科学研究機構長

 本日のシンポジウムにおいでくださり、誠にありがとうございます。ここにおられる皆さん方のうち、これまでの四回の自然科学研究機構シンポジウムに出席された方はかなり多いのではないでしょうか。そのような方は、私がこれから申し上げる自然科学研究機構と、大学共同利用機関については、すでにご存じかと思いますが、今回はじめておいでになった方もおられるかもしれませんので、私たち自然科学研究機構と大学共同利用機関について、ごく簡単にご紹介申し上げます。
 自然科学研究機構は、国立大学や大学共同利用機関の法人化にともない、今から四年前に発足しました。四つの機構が設立され、そのうちの一つが自然科学研究機構です。この機構は、五つの大学共同利用機関から構成されています。すなわち国立天文台、核融合科学研究所、基礎生物学研究所、生理学研究所、そして分子科学研究所です。
 これらの研究機関は、大学共同利用機関と呼ばれています。この大学共同利用機関について簡単にいえば、各分野の研究者コミュニティによって運営され、国立、公立、私立の大学等の研究者に研究の場を提供する機関のことです。
 その提供の仕方は、各研究分野により、さまざまなかたちがあります。著名なジャーナリストである立花隆さんには、発足以来、私どもの機構の経営協議会の委員をお願いしており、日ごろからいろいろとお世話になっています。とりわけ自然科学研究機構シンポジウムのコーディネーターとして最初から大変にお世話になっています。
 わが国の自然科学の最先端をはしっている五つの研究機関で、どのような研究が行われているかを市民の皆さまに紹介し、理解していただくことが本シンポジウムの目的です。
 本日は、第五回目を迎え、「解き明かされる脳の不思議・脳科学の未来」というテーマで、生理学研究所の先生方が中心になり、機構外からも脳科学の分野で最先端の研究をされている先生方のご協力をいただいています。
 ここに、本シンポジウムのためにご尽力くださった立花さんおよび東大の立花ゼミの皆さん、そして本日の演者の先生方に、深甚の感謝を申し上げます。また、このシンポジウムを後援してくださったNHK、朝日新聞社にも謝意を表します。はなはだ簡単ではございますが、これをもちまして、私の挨拶とさせていただきます。本日は、どうもありがとうございました。