宇宙究極の謎−暗黒物質、暗黒エネルギー、暗黒時代−
機構長挨拶
志村 令郎 自然科学研究機構長

 お早うございます。本日のシンポジウムの開催にあたりまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 本日はご多用中のところたくさんの方々にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本シンポジウムは、私ども自然科学研究機構の経営協議会委員を務めておられる立花隆さんにプログラムコーディネーターをお願いしまして、広く市民の皆さま方に、私どもの機構を中心にして、我が国の自然科学の最先端をご理解いただくことを目的として開催しているもので、今回は第六回目の開催となります。おかげさまで毎回多くの方々にお集まりいただき、大変な好評をいただいております。改めまして皆さま方に心から感謝を申し上げる次第です。
 自然科学研究機構は平成十六(二◯◯四)年四月に発足して現在五年目を迎えています。本機構を構成しております国立天文台、核融合科学研究所、基礎生物学研究所、生理学研究所、分子科学研究所という五つの研究機関は、大学共同利用機関として国公私立大学の研究者に研究の場を提供し、また共同研究を行い、最先端の研究を展開しております。さらに、各研究機関の特色を生かしながら分野を越えて連携し、先端的・学際的研究を進めるとともに、我が国の自然科学研究の拠点として、自然探究における新たな研究領域を開拓することにも積極的に取り組んでい機構長挨拶志村 令郎自然科学研究機構長るところです。私どもは今後十年後、二十年後、さらにはもっと先の将来を見据えて、自然科学の研究の発展を視野に入れて研究拠点としての責任をはたしていく所存です。
 本シンポジウムは、『宇宙究極の謎―暗黒物質、暗黒エネルギー、暗黒時代―』と題して国立天文台を中心に準備を進めてまいりました。現代宇宙論に残されました三大暗黒問題に関するさまざまな問題につきまして、関連分野の第一線の研究者をお招きして講演していただくことになっております。本シンポジウムを通じまして皆さま方が、少しでも宇宙究極の謎にお触れになることができれば、この上ない喜びとするところでございます。
 最後になりましたが、貴重なお時間をさいてコーディネーターの労をおとりくださいました立花さんおよび東大立花ゼミの皆さん、そして本日の演者の先生方に心から感謝を申し上げるとともに、ご出席の皆さま方におかれましては、これからも自然科学研究機構にご支援を賜りますようお願い申し上げまして、はなはだ簡単ではございますが私のご挨拶とさせていただきます。