ブレインサイエンス・レビュー2010
はじめに
伊藤 正男
(財)ブレインサイエンス振興財団理事長

 ブレインサイエンスレビュー2010 の出版に当たり、ひと言ご挨拶申し上げます。
 この冊子は2007 年度に、ブレインサイエンス振興財団から塚原仲晃記念賞あるいは研究助成金を受けられた方々の報告をまとめたものです。中堅、若手の脳科学研究者の研究現場からの直接の報告としてお読みいただければ幸いです。
 本財団が発足してから既に24 年をへてこの間の脳科学の進歩には著しいものがあります。この間、一つの見方としては、やれるべき性格の研究は一段落を告げ、今後はやれるかどうかわからない種類の、リスクを伴う研究の推進が重要になりつつあります。そのため、新たな研究技術の開拓が求められるとともに研究の目標を与える新たな仮説の重要性が痛感される昨今です。
 本財団は、脳科学のこのような一つの転換点において、現在厳しさを加える基礎的な研究の環境を守ることにも微力ながら努力を続けていますので、今後ともなにとぞ支援をお願いします。