遺跡をさぐり、しらべ、いかす−奈文研60年の軌跡と展望−
はじめに 3
奈良文化財研究所所長 松村 恵司


発掘が塗りかえる古代史−都城の発掘調査六〇年− 9
都城発掘調査部主任研究員 渡辺 丈彦
奈文研の設立目的 10
飛鳥での発掘調査のはじまり 12
平城京跡の発掘調査のはじまり 13
昭和三○年代 平城宮跡東院 17
昭和四○年代 飛鳥地区水落遺跡 23
水落遺跡の発掘調査 24
昭和五○年代 山田寺跡発掘調査 26
昭和六○年代から平成−飛鳥池遺跡 31
おわりに 35


古寺社の古文書が語りだす歴史−南都の古文書調査から− 37
文化遺産部歴史研究室長 吉川 聡
東大寺の古文書 38
興福寺の古文書 40
論義草奥書が語る歴史 一 43
論義草奥書が語る歴史 二 47
興福寺奥書が語る歴史 三 51
おわりに 53


掘らずに土の中をみる−遺跡探査の応用と成果− 55
埋蔵文化財センター主任研究員 金田 明大
はじめに 56
探査……判読 59
探査……物理探査 62
東大寺の東塔 67   
広範囲の探査と官衙全容の把握へ 71
掘れないところを探る 73   
八面甲倉に挑む 74
成果の総合 76
今後に向けて 78


文化遺産を守り伝える科学技術−伝統の技と科学の力− 81
埋蔵文化財センター 保存修復科学研究室長 高妻 洋成
形あるものはいずれ…… 82
匠の技 85
遺構と遺物の保存 86
診断調査 88
保存処理……輝きを取り戻した藤ノ木古墳の金銅製品 92
出土木製品の保存処理 95
文化財の保存修理 98


遺跡を現在に活かし、未来に伝える−平城宮跡の保存と整備− 101
文化遺産部景観研究室長 平澤 毅
日本における遺跡整備の諸相 102
「平城宮」と「平城宮跡」 105
平城宮跡の保護の現状と経過 109
平城宮跡の整備 112
平城遺跡博物館基本構想 115
平城宮跡における整備手法 116
平城宮跡の国営公園化と奈良のまちづくり 124


海外の遺跡をまもる−国際協力としての文化遺産保護− 127
企画調整部国際遺跡研究室研究員 石村 智
なぜ、国際協力か 128
なぜ文化財・文化遺産を守ることが国際協力となるのか 130
わが国による海外の文化遺産を守る取組 133     
カンボジア・アンコール遺跡の保存への協力 134
奈文研によるアンコール遺跡群の保存事業 136
本格的な修復に向けて 138   
バーミヤーン・アフガニスタン遺跡の保存への協力 142
バーミヤーン遺跡での保存活動 143
アフガニスタンにおける考古学者育成 145   
おわりに……奈文研らしい国際協力とは 147


写真で見る奈文研の六〇年史−奈文研六〇年の軌跡と展望− 149